ザコとガーグさん その15 ガーグ冒険者隊
書きためが出来たので今日は2話めを投稿します
side イントル
不味いですね。
向こうはトロルが4人に多分、魔法使いの猿人族が1人。
私もハンナも必死に抵抗していますが、徐々に押されて体の傷も増えています。
「なーにが守るだよ?トロルが人族の相手になる訳ねえーだろ?最後に、その女の色んな姿を見せてやるよ」
なんとか、ハンナだけでも逃がさなくては。
その時です、あの人の声が聞こえたのは
「おい、イントル。お前が早く片を付けねえからセシリーのお嬢様ごっこが長引いたんだぞ。で俺のダチに何してくれたんだ?そこのクズ野郎!」
不思議ですね。
この人の罵詈雑言は、私をとても安心させてくれます。
「ガーグさん!良かった、これでハンナを守れます」
良かった。
ハンナを守れた。
「けっ!やっと素直になりやがったか。セシリー、イントルの傷を治せ。イントル、ハンナとっとと片を付けるぞ!ガーグ冒険者隊にケンカを売ったらどうなるか、きっちり教えてやれ!」
ガーグさんの言葉を聞いた男が不敵な笑みを浮かべました
「2人増えても数はこっちが上なんだぜ?それに戦士ばかりで俺の魔法に耐えれるかな?」
男が呪文を唱えて始めました。
この場所では直撃してしまいますね…
それは火の玉が私達に当たる瞬間でした
「シールドボール!メリー男が持っている玉を壊して」
「コウサ任せて」
それはピンチの時程、頼りになる仲間です
「ザイツ殿、プルングさん!」
side 功才
それじゃ本気で怒ったガーグ冒険者隊の凄さを体感してもらいますか。
「メリー、トロルの耳元に向かってロケットアローを」
「コウサ、わかったよ」
耳元でロケットアロー(爆竹もどき)が爆発した事により、トロルが硬直する。
それでもって、トロルの目に向けて
「フラッシュ」
耳が聞こえない上に、目も眩しくて見えなくなったトロル達は、その場にうずくまった。
「それじゃ仕上げをガーグさん、イントルさん、ハンナさんお願いします」
マジ切れしている3人が近づいて来た事により、先までの威勢はどこへやら男は一目散に逃げ出した。
「あっ、追わなくいいですよ。逃げ場所は分かっていますから。それよりもイントルさん、改めてトロルの説得をお願いします」
イントルさんに説得されたトロル達は茫然自失といった感じで森の奥に消えて行った。
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何故だろう。
ハンナさんとイントルさんの間に他人を近づけない空気が流れている。
邪魔をしちゃまずいと思ったのか、ガーグさんが話しかけてきた。
「ザイツこれからどうするんだ?」
「ミッシェルさんと合流して黒幕の所に行きます。黒幕の名前はチャラ・イース。デュクセンのイース公爵の次男でデュクセン皇国魔法研究所の所長。ついでにイ・コージの元上司です」
「あっん!何でデュクセンの貴族がバルドーでふざけた真似してんだよ」
「多分、チャラはイ・コージの研究をパクったんでしょうね、でもデュクセンで実験はできないから別荘があるバルドーで実験をしたんでしょ。ついでに大好きな宝石や女も手に入れるって寸法かと」
他国で他人の褌で相撲をとった上に略奪までしちゃうとは何とも困った貴族様だよな
一度ロディーヌに戻り、ミッシェルさんと合流する。
先の襲撃の件を聞いたミッシェルさんが真っ黒な笑みを浮かべる。
それは俺が思わずチャラに同情してしまう位に迫力のある笑顔だった。
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「それでチャラの別荘に着いたけど、いつ乗り込むんだ?」
ガーグさんは、放っておくと単身別荘に乗り込みかねない
「もう少し待って下さい。あっ来ましたよ」
「あれって確かロディーヌの商人だよ。そうか食料を届けに来た商人が襲撃する相手を教えていたんだ」
「そして部下がトロルを引き連れて商人を襲うって手筈だと思う」
座りしままに食うはチャラ・イースってか
良い御身分だ事
「それじゃ皆様行きますよ。久しぶりに私の腸を煮え繰り返してくれたお坊ちゃまに現実というモノを教えにいきましょう」
ミッシェルさんから、どす黒いオーラが立ち上っていた。
「失礼いたします。バルドー宮廷魔術師のミッシェル・スターローズと言う者ですが、チャラ・イースを逮捕に来ました」
ミッシェルさん新聞の勧誘じゃないんですから
応対をしたのはトロルを引き連れていた男
「あっ、チャラ様を逮捕だとふざけた事をぬかすんじゃねー。ってお前達は」
いや、そこは知らないふりをしておかないと
「どーしたの?僕のスイートタイムを邪魔するのは誰なんだーい?」
確かチャラ・イースって20代後半の既婚者だよな…
こんなチャラくて大丈夫なのかよ?
「小僧スイートタイムは終わりだ。お前の罪は重すぎる」
「何を言ってるんだい?僕はデュクセンのイース公爵の次男だよ。僕を逮捕するならデュクセン皇国の承認が必要なんだぜ」
うわっ、こいつムカつく
「ガーグ様よろしいでしょうか?」
ガ、ガーグ様?
ミッシェルさんがガーグ様?
「その小僧には俺もムカついてんだ。任せら」
「ありがとうございます。これよりチャラ・イースの罪を述べる。1・バルドーでの貴族特権の使用 2・バルドーでの犯罪行為……そしてこれが一番の重罪だ。エルフィン聖王国の王族への敵対行為、これによりチャラ・イースの身分はエルフィン聖王国の管理となる。お前はバルドーとエルフィンの2カ国にケンカをうったんだよ」
活動報告へ何人かの人が答えてくれ嬉しかったです。
この小説が1日の気分転換になれていたら、幸いです。