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ザコとガーグさん その14 イントルさんとハンナさん

ガーグが主役回なのにイントルがメインに

side 功才


メリーの希望で、俺達は若い商人夫婦に変装している。


「さてメリー。俺達は何を仕入れる?」


「あなた、魚なんてどうかしら?この時期は脂がのった魚が捕れますから」


……は…恥ずかしい。

何でメリーはノリノリなんだろう。


「魚か。干し魚と鮮魚を仕入れていくか」


干し魚は日持ちするから仕入れるのが自然だし、鮮魚は臭いがする。

アイスキューブで埋めとけば、しばらく持つだろうし。



side ガーグ


ザイツの奴らは演技が巧いのか、あれが素なのか自然に夫婦を演じていやがる。


「そ、それではお嬢様、今日は何を仕入れやしょう」

 

(何でザイツ達が若夫婦で俺とセシリーがお嬢様と使用人なんだ?ちきしょーセシリーの奴、覚えとけよ)


「そうね。ガーグ香水なんてどうかしら?」


………


「ガーグ?」


こいつ催促していやがるな


「そ、そうですね。お嬢様の様なお美しい方が仕入れた香水なら若い娘が喜んで買うと思います」


「あら、ガーグをお世辞を覚えたのね。それならガーグ命令よ。お前も私に似合う香水を仕入れてみなさい」


セシリーの奴、調子にのりやがって。

俺が香水だと


「わ、私の様な無骨な者は香水等は分かりませんので…」


「ガーグ、これは命令よ」


分かったよ、買うよ、買えばいいんだろ!



side ハンナ


自分とイントル殿は、商人と見習い商人に扮している、イントル殿は顔を布で覆って大商人の雰囲気が満点だ。


「さてハンナ。私達は果物を仕入れていきますよ」


「は、はいっ。わかりました!」


イントル殿は大丈夫なんだろうか?

猿人族の為に同種族と争うかもしれないんだ。


「ハンナ大丈夫ですよ。もう決めた事ですから…」


でもその顔には悲しみが溢れていた……


自分では支えにならないのかな



side イントル



ここが襲撃があった森ですね。

…久しぶりに嗅ぐ同族の臭いがしています。


「ハンナ、ここからは私1人で行きます。もし私が遅くなったら貴女はガーグさんと一緒に来て下さい」


ハンナは私の言葉を聞くと、うつむいてしまいました


「嫌です!自分はイントル殿に付いて行きます。決して足は引っ張りませんので一緒に行かせて下さい」


困った事にハンナは涙目になっています


「違いますよ。私はハンナの事を足手まといなんて思っていません。ハンナにはトロルとしての私を見られたくないんです」


幾ら人族の振りをしても私はトロルなんですけどね


………………


理解してくれたのでしょうか?


「か、関係ありません!自分はイントル殿がトロルと知って付いて来たんです。イントル殿も他のトロルと一緒で猿人族の女は嫌いなんですか?それとも自分の様な物を知らない女が嫌いなんですか?」


……本当に困りましたね


「危なくなったら逃げて下さいよ」


「はいっ!!」


そんなに素敵な笑顔で喜ばれると困るんですよ。

ハンナさんに惹かれたのは何時からでしょう。

私がトロルと知っても側に居てくれたからでしょうか?

私の話を目を輝かせながら一生懸命に聞いてくれたからでしょうか?

多分、気がついたら惹かれていたんですね。

何時の間にか彼女の笑顔を求めて、何時の間にか彼女に話し掛けられるのを心待ちにしていて。

その度には自分はトロルだと言い聞かせて、彼女の輝かしい未来の邪魔にしかならないと言い聞かせてきました。

こんなに苦しいのなら知恵を持たなければ良かったと何回思った事でしょう。

だから何があっても彼女だけは守ります。

例え同族を殺す事になっても。



―――――――――



森の道を進む程に同族の臭いが濃くなってきました。


「ハンナ、身構えて下さい。トロルが4人と薄くですが猿人族の臭いがします」


あそこですね。

あそこに行けば前後で囲うつもりなんでしょう。

私はこれでも何年も冒険者をしてきたんですから。

むざむざ敵の策にのるつもりはありません。

ハンナに目で合図を送り、その場所につく一歩手前で石を投げて、バックステップで距離をとります。


私達の動きにつられて同族が出て来ました。



「〆;&%@&仝々〆〇」

(めしおいてけ)


「〇∠#仝∴◎□&!□」

(なかま聞け。ここあぶない)



「∴‖。§*◇⊃⊂/。〆;∴◎」

(だめ。ピカピカやひとをもってく。めし食える)


やっぱり、操られた上に餌付けされてましたか。


「◎〇 ̄*$◇§◇」

(おまえ達利用されてる)


お願いです、引いて下さい。同族とは戦いたくありません。


「おい、トロル共。何をグズグズしてるんだ?チャラ様に叱れるぞ」


side ハンナ


こいつがトロルを操ってイントル殿を苦しめている奴。

そう思っただけで、体中が煮えたぎる感じがしてきた。


「へー。こりゃ上玉だ。おい姉ちゃんそんなむさ苦しい奴よりチャラ様の所に来ないか?」


「断る。イントル殿の素晴らしさも知らない奴がほざくな」


「イントル?……なんだ、そいつもトロルじゃねーか、こりゃラッキーだ。新しい手駒に新しい女。こりゃチャラ様から褒美を貰えるな」


「仲間を解放してもらえませんか?」


イントル殿が低く悲しげに話す


「こりゃいい。人の言葉を話すトロルか?見世物小屋に高く売れるぜ」


男は懐から小さな水晶を取り出して呪文を唱えた


「おいトロル共。そいつ等を連れて帰るぞ」


イ、イントル殿が動かない?

まさか操られたの?

トロルが自分とイントル殿に手をかけようとした瞬間、イントル殿のミスリルスティックが煌めいて、トロルが吹き飛んだ。


「させませんよ。ハンナは私の大事な人です。貴男方には指一本触れさせません!」


今なんて?

ハンナは私の大事な人!


ハンナは私の大事な……

絶対にイントル殿と一緒に帰るんだ!!

今人気投票をしたら、ハンナにも票が入るんでしょうか?

ちなみに前回は冒険者隊に全員としての1票のみで個人票は0でした


今なら通勤、通学の暇つぶしに見てくれる人がいたら嬉しいです

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