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ザコとガーグさん その12 新しい依頼は、ヤバい臭いがいっぱい

幕間が終わりガーグさん編の最終段階へ

side メリー


最近、1日の大半をコウサと一緒に過ごしている。

今日は依頼もないし、朝から雨が降っていたからコウサの部屋でお話をしているんだ。


「ねぇコウサ、美才ちゃんってどんな娘?」


コウサは向こうの世界の話をしたがらないけど、将来の義姉としては色々と知っておかなくちゃね。



「直ぐ泣く、直ぐ怒る、色気より食い気の手のかかかる妹だよ。写メって名前の絵姿があるんだけど見てみる?」


シャメは絵を描くんじゃなく、ケイタイって道具で姿をそのまま写すんだって前にコウサが教えてくれた。


「これがミサちゃん?かっわいいー!ねっエイカお義姉さんは?……きれいー。前に言ってた幼馴染みの女の子のシャメもあるの?」


コウサが見せてくれたのはコウサと幼馴染みが一緒に写っているシャメ。

1年前に撮ったシャメだってコウサは言ってたけど……


(うわっ、コウサ可愛いー!そしてこの娘達がコウサの幼馴染みね。後からコウサの魅力に気付いても、ぜっーーたいにコウサは渡さないんだからね!!)


「俺の隣にいるのが勇牙で…」「メリーはコウサ以外の男の子には興味ないから説明はいらないよ、ねっコウサとメリーも一緒にシャメを撮れるの?」


「できるよ、師匠に充電をしてもらったし。……こんな風にホラッ」


ケイタイの画面には私とコウサが写っていた。


(私、コウサと一緒にいる時って、こんなに笑顔になっているんだ)


「ねっコウサもっと一緒のシャメを撮ろう!」



side コウサ


これを見られたら姉貴には

"彼女を泣かせてないでしょうね?"

とチェックを入れられて

美才には

"お兄ちゃん不潔"

とか言われるんだろうな。


なんせメリーが、これでもかって位に俺に抱きついてるシャメや、俺の頬にキスしているシャメとかを20枚近く撮ったんだから。


…まっ、向こうに戻る事はないんだろうけどね。



「このシャメって絵姿メリーも欲しい」

 

「わかった。師匠に相談してみるよ。」


写メを師匠に転送すれば、プリントサービス出来そうだし


そんな話をしていると、ノックと言うには激しすぎる音が部屋に響いてきた。


「コウサ、メリー部屋にいるんだろ?依頼人が来たから、ガーグ殿が下に集まれってさ」


何故かハンナさんは、興奮気味。


「ハンナどうしたの?そんなにイライラして?」


「別に。人が何回もノックしても反応をしなかった癖に、中からイチャイチャした会話が聞こえた位で自分は不機嫌になんてならないよ」


ハンナさんは、メリーと俺が一緒にいると思って最初は遠慮気味にノックをしたんだろう。


それで応答がないけど、俺とメリーの会話は聞こえていたと……


――――――――――


下に降りるとガーグさんとミッシェルさん、そして初めて見る初老の紳士がいた。

何か知らないけどガーグさんは不機嫌になっている。



「コウサさん、こちらが商人ギルドのギルド長アドファス・マッキンリー様です。マッキンリー様先程申し上げだ通り依頼の判断はこちらのザイツ・コウサが行っています」


商人ギルドのギルド長とは、ミッシェルさんは面倒くさい人を連れて来たな


「とりあえず依頼書を確認させてもらうっすよ」

 

下手に会話して、向こうのペースに巻き込まれるのは勘弁して欲しい……


あー、これでガーグさんは不機嫌になっていたんだな。


依頼主は商人ギルド。

最近ロディーヌの商人の荷馬車が魔物に襲われる被害が続出しているとの事。

被害にあってるのは、食料、宝石、奴隷等々。

魔物は森や山道等の人気のない場所で待ち伏せをしているらしく、屈強な護衛をつけた商人に被害は出ていないらしい。

………

ガーグさんの不機嫌の原因は、これ魔物はトロルだって事。


依頼を受けたらイントルさんがトロルと戦うはめになる。

それに……


「この依頼書に疑問があるんすけど、質問していいっすか?」


「儂で分かる事なら答えましょう」 

流石は商人ギルドのギルド長、若造だからって見下した態度はとらないんだねー、油断大敵。


「どんな宝石や奴隷が被害にあっているんすか?それと武具は被害にあってないんすか?」


「食料はその場で食い尽くされておるが、宝石は根こそぎ持ち帰られ奴隷は若い女奴隷のみが連れ去れておる。確かに武具には被害はでていません。しかしなぜ疑問に思いましたか?」


「トロルは嗅覚で獲物を探すって聞いた事があるんすよ。だから食料を襲うのや武具は鉄の臭いがするから襲わないのも納得できるんすけど…宝石は臭いがしませんし、人が大勢いる奴隷商を襲うのはおかしいんすよ。


それなら護衛の臭いと奴隷達の臭いをトロルが判別している事になるんすよ」


なーんか嫌な予感がしてきた


「ゴブリンが宝石や女性を襲うのと一緒じゃないですか?」


「トロルとゴブリンは全く別種族っすよ。トロルは光物や人族の女性に興味がない筈っすよ……くっ…な、何でもないっすよ」


(メリーなんでつねるんだよー)


(コウサがトロルは人族に興味がないとか言うからハンナが落ち込んじゃったじゃない)


ハンナさんを見ると、ドヨーンと暗いオーラを発していた。


「しかし実際に被害はでておりますので、依頼料は1人100万バルの600万バルをださせてもらいます」


 

「わかったっす。依頼を受けさせてもらうっすよ。結果はミッシェル様を通じて報告するっす」


返事を聞いて安心したマッキンリーさんはミッシェルさんと一緒に帰って行った。


「おいっ、ザイツなんで依頼を受けたんだよ!下手すりゃイントルが同族と戦うはめになるんだぞ」


俺に掴み掛かろうとするガーグさんを止めてくれたのはイントルさんだった。


「ガーグさん達も同じ猿人族と戦っているじゃないですか。それに受けないと不味いんですよね、ザイツ殿」


「そうですよ。このまま被害が拡大したら今回の件と無関係のトロルも討伐される可能性が高くなります。それにこの件あれに似てませんか?イ・コージの事件に」「コウサ、でもイ・コージさんは牢屋だよ」


「誰かがイ・コージの魔法をパクったんだろ?イ・コージは宝石や奴隷を奪わなかったしな」


今回は、何重もの予防策が必要かもな。

イントルさん対トロルは感想版の質問から発展しました

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