ザコとガーグさん その7 ガーグ冒険者隊それぞれの旅模様
人気投票が予想以上の反響で感動しています。
なんで、そのキャラが好きなのか教えてくれる方もいて嬉しくてたまりません。
5日まで継続しますので、このキャラにも投票したいって思ったら再度投票して下さい。
side メリー
ロディーヌからリーゾンまでは馬車で片道2日。
でも帰りはゆっくり行くから+1日の計5日間の旅になるんだって。
帰りは緊張するから、行きはコウサとゆっくりお話ができると思ったんだけども。
コウサは道のチェックに専念していて、あまりお話をしてくれないんだよね。
ハンナはハンナで、イントルさんに色々な質問を浴びせてているし。
でも
「この道は詩人ジャネット・シャルルの光の小径によまれた場所なんですよ。あの詩の通り街道脇の木々に光が反射して得も言われぬ風景を作り出していますね」
「はいっ!自分もジャネットさんは好きです。初めて会った時は感激しました」
ハンナ…。
ジャネット ・シャルルって100年前に死んでるんだよ。
「ガー君、ガー君。…おい、そこのハゲ無視をするな。ちゃんと返事をしろっ」
「それなら、そのこっ恥ずかしい呼び方を止めろっ」
「なんでよガー君はガー君じゃない」
「俺はアヒルじゃねえんだよ。これでもデュクセンじゃ口が悪い・態度が悪い・顔が怖いの三拍子揃ったガーグって恐れられているんだぜ」
「それ自慢?鈍感・意地悪・酔っ払いの三拍子の間違いでしょ」
「んだと泣き虫エルフ!!」
「何よ!!鈍感ハゲッ」
「お前は先からガキかっ!」
「そうだよ。私はまだ子供。だから子供の頃から呼び慣れているガー君で呼び続けるんだから」
この2人は、あれでケンカにならないから不思議なんだよね。
それで肝心のコウサは、やっと街道チェックを終えたみたい。
「コウサ、ここの道路はチェックしないで平気なの?」
「これだけ遮蔽物がない所で、襲う奴はいないだろ。地図でいくとメリーにも協力してもらいたい場所があるからよろしく」
「うん、わかったよ。それじゃ、それまでゆっくりお話しよ」
何といっても、私は功才のパートナーなんだから。
それから30分ぐらい走ると、両脇を森に囲まれた道に着いたんだ。
「あっ、すんません。1回止めて下さい。俺とメリーはここで降りますから。出口で待っていて下さい」
「コウサようやくメリーの出番だね。それで何をすればいいの?」
「この森で大人数身が隠せて襲撃ができそうな場所を教えてくれ。身を隠せて馬車を見張れる、そして襲撃もしやすい場所なら限れてくる筈だから」
「うーん、条件を満たすのは、あそこぐらいかな。コウサ罠でも仕掛けるの?」
「今罠を仕掛けても、外されちゃうよ。襲撃場所が限定できたら対策がたてやすいからさ。さっ行こう」
side 功才
森を抜けると、馬車がちゃんと待機していれくれた。
「お待たせしました。そういや精霊石に宿っている精霊ってどんなのかガーグさんはわかります?」
「宿っている石は、蛍石。精霊の名前はフローラル、下級精霊だけども人間は先ず勝てないな。授けてくれる魔法は遠見の魔法って聞いたぜ」
やっぱり、精霊って下級でも強いんだね。
改めて師匠に感謝しなきゃ。
精霊の情報も聞けたし、俺のエネルギー源、メリーの笑顔を補充しよっと。
「メリー、飴食べる?」
飴って言っても、ベッコウ飴。
こないだの砂糖が余ったからベッコウ飴にしといた。
ベッコウ飴は婆ちゃんが昔よく作ってくれて、俺は美才によく作った。
「飴?お菓子なの?、食べる、食べる」
「そういやメリーは好きな花ある?」
美才には、良く動物を作ってたけど、メリーに好きな動物を聞いたら意味が違う答えが返ってきそうだし。
「うーん、チューリップかな」
良かった、それなら何とかなりそうだ。
先ずは
「アイスキューブ」
「ヒートハンド」
水を作って良く手を洗う。
そして、自分の手に
「プチデス」
殺菌消毒を施工。
メリーの為なら手にいる常在菌も消毒。
「ヒートハンド」
固まっているベッコウ飴を柔らかくして加工。
「アイスハンド・ヒートハンド・アイスハンド……」柔らかくして、形を整えてアイスハンドで固める。
あくまで手はかざすだけで、触れない様にする。
「こんな物かな。はいっチューリップ、ちゃんと食べれるから」
side メリー
コウサが、手渡してくれたのは琥珀色をした一口サイズのチューリップが4個。
これ、食べれるのかな?
勇気を出して口に含むと優しい甘さが口に広がった。
多分、コウサは道を調べて私の相手ができないのを予想して準備してくれたんだ。
よく友達からは、男の人は付き合う前の方が優しいって聞いたけども。
功才は違うんだよねー。
とりあえず精霊石編が終わったら、リクエスト頂いた幕間を数話書かせてもらいます。
予定は
トムとレミその後
イ・コージの華麗なるゴブリンとの日々
監視役の気持ち
等を予定しています