ザコとガーグさん その3 無表情?メイドエルフ
またもや新キャラの登場です
side 功才
ここがバルドーか。
なんつーか、貴族趣味丸出しだね。
俺達が着いたのはバルドーの首都ロディーヌ。
やたらと装飾が細かい門の入り口は貴族様と市民用に別れている。
「ガーグ、皆さん良く来てくれたね。ようこそバルドーの首都ロディーヌへ」
胡散臭い爽やかな笑顔でミッシェルさんが出迎えてくれた。
あの笑顔は、俺達にじゃなく周りへの演技だな。
「それでミッシェル、俺達は、これからどうすればいいんだ?」
「先ずは宿泊先に案内をする。話はそれからだ」
確かに宮廷魔術師様が、こんな所で立ち話なんかしていたら注目の的だよな。
「分かった、んじゃ行きますか」
当然、先頭はミッシェルさん。
「この者達は私の連れだ。そのまま通してくれ」
「すいません。規則ですので。確認させてもらいます」
門番は猿人族だろう、種族差別ってやつかもな。
美しいエルフを見るのは良いけども、上には立たれたくないと。
でも、このままじゃイントルさんが不味い。
でも、その時ガーグさんが動いた。
パーソナルカードをチェックさせて一言。
「俺の連れだ。文句はないよな」
言葉だけ聞けば、ただの脅迫。
でも門番の態度を見る限りただの脅迫じゃないよな。
(コウサ、ガーグさんは何をしたの?)
(予想はつくけど止めとく。
藪を突っついたら蛇じゃなく大蛇が出てきそうだから)
そして案内されたのは
「ここは私の別宅だ。料理や面倒を見てくれるのは、セシリー・エルレイン。エルフだ」
初めて女性エルフを見たけど、確かに綺麗だけど、無表情じゃね。
でもそれ以上に気になるのが
(メリー、セシリーさんがガーグさんを見る目って冷たくない?)
(うん、多分セシリーさんはガーグさんに敵意を持ってるよ)
(あまりにもワイルド過ぎる外見でひいたのかな?)
「セシリー・エルレインです。皆様、宜しくお願い致します。」
皆様?
確かエルフって誇り高い種族なんだよな。
「呼び方はさん付けまでしか認めねえからな。様付けなんぞ胸糞が悪くならぁ」
「私はメイドですので、どの様な方でも、お仕えするなら様付けです」
セシリーさんは、相変わらず無表情。
「別に無理にあんたに面倒を見てもらわなくもいいさ。ここにいる連中は自分で自分の面倒はみれるからな」
確かに俺を始めガーグさん、イントルさんは女性に面倒を見てもらうより自分で動いた方が早かった人だし。メリーもハンナさんも1人暮らし経験者だからな。
「メイドが一度受けた仕事は好悪に関わらず遂行するので受け付ける事はできません」
うわっ、空気おもっ。
「ガーグ、お前が折れてやれ。皆さん、ここにいるセシリーは昔ガーグに命を救われましてね。
それでその時の恩を返せると自分から希望してきたんですよ」
命の恩人にあれ?
「ガーグさんいいじゃないですか。セシリーさんは宮廷魔術師でもある尊い身分のミッシェルさんから、命の恩人でもあるガーグさんの面倒を見る様に命令された。ガーグさんはミッシェルさんの知人だから失礼のない様にとね。それなら様付けでも違和感ないでしょ。ねっガーグ様」
「ザイツこの野郎。相変わらず口だけは達者だよな。わかったよ、わかりました。ガーグ様でも、ガーグちゃんでも、好きに呼べばいいだろう」
「納得してくれましたか?それでは皆様。今お茶をお入れしますね」
無表情でお茶を配るセシリーさん。
苦い顔でお茶をすするガーグさん。
「さて、ガーグ。最初の依頼だ。ロディーヌの近くの川べりにギガントスネークが出没した。退治を依頼する。依頼料は200万バル悪くはない話だろ」
(コウサ、藪をつつかないのに大蛇が出てきちゃたね)
(すまん、今度から気をつける)
(大丈夫、メリーは蛇も好きだから)
今度は大蛇料理か…。
それで200万バルって事は日本円にしたら、100万円だから1人頭は、20万円かよ。
データボール参照
ギガントスネーク。
20mを越す巨大な蛇ですよー。
でも安心して下さい。毒はありませんから、ただジャイアントシープを絞め殺す力の持ち主ですけどね。
ギガントスネークの皮は丈夫で長持ちする素材で人気がありますよ。
そりゃ、そんだけデカくて力が強ければ毒は必要ないよな。
俺がいた世界のアナコンダも毒ないし。
「皆様、私はここで御無事を祈っております」
セシリーさんは、この状況でも無表情。
「別に祈ってもらう必要なんざねえよ」
なんか、ガーグさん感情的になってない?
「うーん。ギガントスネークの鱗ってガーグさんのミスリルソードで傷つけれますか?」
「はっ、当たり前だせ。真っ二つにしてやら」
「余り傷はつけないでくださいよ。皮の値段が下がりますから。後ミッシェルさんロディーヌに手袋を売ってる店はありますか?」
「ありますよ。オーダーメイドを受け付ける店もありますから」
セシリーさん返しが早っ。
ありゃ、ガーグさん、なんか不機嫌になってら。
今書きため中ですが、セシリーさんの所為でハンナが埋もれる危険が?
今日の書きため具合によっては、もう1話載せるかもしれません。
見たい人がいたらですけど