ザコとガーグ その1 ガーグと宮廷魔術師
幕間が終わって新展開です
この話は長めになります
side 功才
(イントルさん、確かガーグさんにエルフの知り合いはいない筈ですよね)
(ええ、私の知る範囲では。なにせエルフは美しく繊細な者を好む種族ですから)
ガーグさんは、最低限の身だしなみ以外に興味はないむさ苦しい坊主頭。
性格は豪快そのもので繊細さのせの字もない。
しかし功才達が見たのは少女と見間違える程の男性エルフとガーグが肩を組んで親しげに酒を酌み交わしている姿である。
事の発端は1時間程前の事。
功才達が定宿にしているドルムーンの宿にガーグを訪ねてきた人物がいた。
金髪碧眼のエルフが
「誠に申し訳ありません。こちらにガーグと言う男性がいると聞いて来たのですが」
その場にいた者の殆どは、ガーグが酒を飲んでエルフに絡んだ報復か
女性エルフにチョッカイをだして苦情を言いに来たと思ったと言う。
それ程に男性エルフと彼らが良く知るガーグには接点が見当たらなかった。
少しすると、酒場に野太い男の声が響いた。
「ミッシェルじゃねーか。わざわざドルムーンくんだりまで何しに来たんだよ」
言葉は荒いが、ガーグは満面の笑みを浮かべてエルフを迎える。
「久しいなガーグ。しかし、クッその頭はどうしたのだ?怖い顔にますます迫力がついてるぞ」
「ちょっと思う所があってな。まぁ酒でも飲みながらゆっくり話をしようや」
…………………
今までの流れからすると、エルフはガーグさんがイントルさんとパーティーを組む前からの知り合いだろう。
しかもかなり親しい、そしてイントルさんも知らないって事はガーグさんが内緒にしている名字に関係があるのかもしれない。
昔エルフを危機から救ったとか
ガーグさんが無茶をして行き倒れた所を助けれたらとか
「おいっ!お前ら紹介するから来いっ。こいつはミッシェル・スターローズ、俺の古い馴染みだ。ミッシェルこいつらが今パーティーを組んでる連中だ。中々面白い奴らだぜ」
「ガーグ冒険者隊の噂は私も聞いた事がありますよ。皆様、改めましては私はミッシェル・スターローズ、バルドー聖王国で宮廷魔術師をしております」
データボール参照バルドー聖王国
デュクセンの隣国の国ですよ。
特徴としては華麗な文化を好む国ですね。
エルフや犬人族の様な美しさや可愛さのある者達には寛容ですけから、功才君にはキツいかもしれませんね。
いよいよ犬耳少女とのご対面ですよ。
ちなみにお金の単位はバル。
1デュクセンは2バルで計算して下さい。
早い話が1バルは0・5円と。
もしバルドーへ行く事になっても、犬耳少女には成るべく関わらない事にしておこう。
折角くできた可愛い彼女の方が何倍も何万倍も大切なんだし。
「バルドーか。確か自分の団長もバルドーの生まれと聞いております」ハンナさんが団長と言うんなら、フランソワ乙女騎士団の団長フランソワ・ホーリーックさんか。
なーんか色々と微妙に繋がってそうな予感。
「それでスターローズ様は、ガーグ隊長にどの様な御用がおありなんすか?まさか旧交を暖めに来ただけじゃないっすよね?聖王国の宮廷魔術師様」
「貴男がザイツ・コウサさんですね。お噂は聞いておりますよ。お噂通り油断のならないお方だ」
あー、俺の事を知っているって事は、フランソワさんと繋がっている可能性が高いな。
「噂なんて当てにならならいっすよ。特に又聞きの噂なんて眉唾物っすよ」
「ええ、だからこうして来たんじゃないですか。噂のガーグ冒険者隊をね」
流石は宮廷魔術師さんおっかないねー。
「それでミッシェル、どんな依頼を持ってきたんだ。ったくお前といいザイツといい腹が黒すぎなんだよ」
失礼な俺の腹はどす黒いんだよ。
「なに簡単な話だ。バルドーに拠点を移して欲しい。どうもうちの国の冒険者は頼りなくてな。お前になら私から直接頼む事ができるし」
「かーっ、調子がいいねー。お前等の所の貴族様達が冒険者を嫌って嫌がらせをしてるからだろ?」
「私が貴族に文句は言わせると思うか。それにお前と噂のザイツ・コウサがいれば貴族に負ける事はあるまい」
ミッシェルさんが、怖ーい笑顔をする。
まぁミッシェルさんが宮廷でどれだけの実力があるかと、どれ位の後ろ盾になってくれるかだけど。
「ザイツ何か確認したい事はあるか」
「安全な宿の提供・冒険者を嫌う貴族の一覧・好意的な貴族の一覧・実力のある商人の一覧・ミッシェルさんがどの程度の後ろ盾をしてくれるか・裏組織の詳細・パーソナルカード確認の免除・シャイン様への移動嘆願書をだす事・女好きの貴族への牽制っすね。後は現地についてから言うっすよ」
「多いねー、しかし最後の女好きの貴族ってのは、プルングの嬢ちゃんに対してだろ」
「当たり前っすよ。メリーに危険が及ぶんなら行かないっすよ。もし危険が及んだら、どんな手を使っても報復するっすけどね」
side ロッキ
「聖王国ですか」
「はっ、スターローズ家の者からの依頼です」
「エルフですか。しかもローズの名前を関してるなら王族に連なる者ですね。仕方ないですね、場合によってはエルフも牽制しておきますか」
ようやく功才とメリーのコンビを落ち着きました
活動報告にも書きましたが、キャラが約30人
次の幕間で人気投票とかしてみたい
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