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幕間 ザコの爺さん婆さんと美才と師匠

リクエストのあった功才の爺さん婆さんの話です

功才の祖父、財津万才の家で、今時珍しい黒電話が鳴り響いた。


「はい、財津ですが。なんじゃ栄才か!功才が見つかったのか?」


「功才は見つかってはいません。もしそっちに功才が立ち寄ったら、海外留学の準備が出来たから家に帰ってくる用に伝えて下さい」


「それは功才が望んだ事なのか?いや、それはないな。お前にそんな優しさがあったら、功才は家出なぞしておらぬか」


「功才は家出じゃありませんよ。既に海外留学をしている事になってますから。一度そちらの高校に転校しましたが、馴染めずに海外留学をした事にしましたから」


 

「ふん、相変わらず腐った根性をしておるわ。功才が見つかれば二度と電話なぞ寄越すなよ、馬鹿息子が!!」


孫の功才が居なくなって3ヶ月がたつ。

功才は家出と騒がれているが、そうとは思えぬ。


あの子は、逃げ出すよりも、耐えて状況を好転させる強さをもっておる。


「貴方、先程の電話は誰からでしたの?」


「栄才からじゃよ。あの馬鹿息子、功才を海外留学扱いにしおったわ」


栄才は、見た目だけは鳶が鷹を産んだ様なもの、功才はフクロウと言った所かの。

他の鳥が苦手とする闇夜で実力を発揮するフクロウじゃな。



side 財津 梅


いつからでしょう。

息子栄才と孫の功才の仲が歪なものになったのは。

待望の長男の誕生に、栄才はとても喜びました。


自分の名前から一字をとって、俳優として成功する才能の持ち主だから功才と名付けたくらいですから。

しかし姉の栄華や妹の美才に比べて、功才の容姿が優れていないのがわかると、栄華と美才の芸能活躍に力を入れ始めました。

また功才の幼なじみの存在も、栄才にしてみれば悔しかったのでしょう。


容姿、才能ともに輝かんばかりの能力を持つ幼なじみ達と功才を比べて失望をしたなんて話すぐらいですから。

結局、功才に対する期待が大き過ぎたんですね。


その分、私とお爺さんは功才に愛情を注ぎました。




何しろ功才以外の家族は常に忙しくて、テレビ局で顔を合わせる機会の方が多かったみたいですし。

それに功才は決して劣った才能の持ち主じゃありません、ただその才能が発揮されるのは華やかな世界ではない気がします。


side 美才


今日のお仕事は

¨都市伝説を検show¨


噂の都市伝説を、アイドルやグラビアの人達が現地に検証しに行くっていうお仕事。


私の担当は、ド派手な格好をした的中率が高い外国人占い師がいるっていう都市伝説。

なんでも、その占い師は夜中にでるらしいけども、どこに出没するかは、わからないみたい。

だから見たって噂がある場所を見て回るだけのロケ。一応、闇夜を怖がるリアクションは撮っておく。


「美才ちゃん、ちょっと周りを下見してくるから待っててくれる?」


「わかりました。それじゃロケバスで待ってます」


そしてロケバスに行こうとしたら、それまでは無かった占いの看板を掲げた真っ赤なテントが立っていた。

あれだけ派手なのに、周りの人は関心を示していない。


(もしかして、あれが噂の占い師?ならお兄ちゃんの事を聞いてみようかな)


勇気をだして、テントに入ってみると、そこにいたのは


年は、50才くらい。

体型は、細いマッチョ。

顔は、渋くて俳優さんにいてもおかしくない。

モミアゲから続く、おヒゲが渋さを増している。でも、真っ青なシルクハットに真っ青ジャッケット、ズボンも靴も青一色なんだよ。


「はーい、いらっしゃいませ。ロッキさんの占いテントよ、ようこそー」


服も派手だけど、テンションも高いんだ。


「あのロッキさんは何でも占ってくれるんですか?」


「大丈夫ですよ。恋愛から行方不明者までピタリと当ててみせますよー」


「それならお兄ちゃんが、今どうしてるかを教えて下さい。兄の名は財津功才です」


「功才君ね、いいですよ。……見えましたっ。この方はとてつもなく遠い所にいます。でも元気な様ですから御安心下さい」


「お兄ちゃんは今なにをしているんですか?嫌な思いとかはしていませんか?」


「どうやら彼は肉体労働的なお仕事をしているみたいですね。人間関係は御安心ください。優しい師匠に暖かい仲間もいますし、何より可愛らしい彼女がいる様ですよ」


「彼女?お兄ちゃんに彼女?」


「ええ、私には彼が作った玉子焼きを2人で仲むつまじく食べる姿が見えます」


「美才の玉子焼きを他の女に食べさせたの?お兄ちゃんのバカッ!!美才がこんなに心配しているのに、玉子焼きを彼女と一緒に食べるなんて。バカッ」


「功才君も美才ちゃんの事を、とても心配しているみたいですよ」


「知らないっ!認めないっ!美才のお兄ちゃんなんだから!」


「おやおや、でもメ…彼女はとても功才君を深く愛している様ですよ。むしろ功才君が押され気味なぐらいですから」


「お兄ちゃんに会う方法はないんですか?」


「貴女が大切に想っていれば絆が導きますよ」



side ロッキ



いや、兄妹って似ないものなんですね。

あの功才君の妹さんが、あんなに可愛らしいなんて。

とりあえず私は頂いた占い料で、功才君に頼まれた品を買って帰りますか。



何と次の幕間は功才とメリーのデートのお話になります。

恋愛チキンの功才君が頑張ります

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