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幕間 ザコのお料理

突っ込むがあるかもしれないけど、ながして下さい。

side イントル


「イ、イントル殿。じ、自分は悔しいです」


「ハンネスさんどうされましたか?」


「自分の事は、ハンナと呼んで欲しいです。メリーがコウサに泥のスープや泥団子を食べさせられていました」


「あー、あれはコウサ殿の故郷の食べ物らしいですよ」


side 功才


「ねぇ、コウサ、ちょっと聞きたい事があるんだけど……。コウサはオーディヌスに来て、どれ位たったの?」



「うーん、だいたい3ヶ月ってとこかな。まっお陰で充実した生活を送れてるよ」


「3ヶ月かー。だいぶ慣れた?」


「まぁ不便な部分もあるけど、何とか。でもたまに向こうの飯が食べたくなるけどね」

 

デュクセンの主食は、黒パン。

副食はジャガイモと肉が中心で、主な味付けは塩・香草・バター。


俺は婆ちゃんのご飯で育ったから、和食派。

米・味噌・醤油が恋しい。


「向こうのご飯って、手に入らないの?輸入品で似た物があるかもしれないよ」


確かにオーディヌスは、魔術の恩恵で食品の保存期間や移動速度は、予想外に優れていた。


だけども


「こっちに俺がいた国と同じ文化があるとは限らないからな。それに、こっちで作るのは不可能に近いと思う」


米なら植える所からだし、味噌や醤油は、その米がないと作れないらしい。


「うーん。メリーもコウサの故郷のご飯食べてみたいな。ロッキさんがコウサを喚んだんなら、ロッキさんに頼めないかな?」


「師匠か。連絡をしてみるかな、砂糖も安く手に入るかもな。こっちは甘味が少ないから」


「あー馬鹿にしたー。甘味ならハト蜂の蜂蜜があるもん。しかも幼虫と蛹付きなんだからね」


いや、そのオプションがきついんだって。


「蜂蜜と砂糖じゃ作れるお菓子が違うんだよ」


「コウサお菓子も作れるんだ!」


「向こうにいた頃は良く美才にせがまれて作ったからな」


「ミサちゃんって妹さんだよね。コウサはミサちゃんが可愛いくてしょうがないんでしょ」


「小生意気なだけだよ。何かっていえば、あれが食べたい、これを作ってなんだぜ」

 

(美才の奴、ちゃんと飯を食ってるかな?師匠にその辺も確認したいよな)



師匠に手紙を出して数週間たったある日の事。

電源をきってある携帯が鳴った。

電波もないオーディヌスで普通なら有り得ない現象だけども、電話の相手は多分普通ではない人?だから仕方がない。


「師匠ですよね。色々とツッコミたい所ですけど、何の用事でしょうか」


「いやだなー功才君。自分からお願いしたじゃないですか。今メールを送りましたから、そこからアクセスしてみて下さい。あっ、私の名前をちゃんと登録しておいて下さいね」


送れてきたメールのURLにアクセスすると、


(ロッキのオンラインショッピングってなんだよ。しかも案内役のキャラがプチロッキ君って何なんだよ。返事が遅いと思っていたらこれに時間を割いていたんだな)


商品のラインナップは、調味料や食材・調理器具が殆ど。

他には美才や姉貴の写真集やCD。

このサイトで使えるのは金じゃなく、俺の活躍度で貯まるポイントを使用するらしく、オーク1匹で、砂糖500グラムに相当するとの事。

普通ならオーディヌスで砂糖を売って大儲けとか考えるんだろうけども、リスクが多すぎるからパス。

だって出自不明の高級品なんてのを売るはヤバ過ぎだし。

とりあえず米・餅米・醤油・味噌・白砂糖・土鍋・ホンダシを注文する。


これでジャイアントシープ1匹分に相当。 

納豆や豆腐にも惹かれたが、日持ちの観点から見送った。

ちなみに美才の写真集は、ゾンビスラッグ1匹で買えるらしい。


注文をした3日後には俺の部屋に注文をした品だけが置かれていた。

食材はドルムーンで買える物を使う事にして調理を開始。

今日のメニューは、土鍋で炊いたご飯・ジャガイモの味噌汁・功才特製玉子焼き・猪の角煮・デザートにはおはぎ。


久しぶりに作ったけど、味は上出来。


…でもメリー以外には食べてもらえなかった。

ご飯はともかく、

味噌汁は泥水に見えるから、

玉子焼きは甘い味付けの玉子料理なんて有り得ないと言われて、

角煮は醤油の黒い色が不吉、

おはぎに至っては泥団子扱いをされた。 

いや、良いんだよ。

一番食いたかったの俺なんだし。

それにメリーは、喜んでくれたし。


「コウサ、この玉子焼きって甘くて美味しいね」


「婆ちゃんに教えてもらった財津家秘伝の味だよ。美才の好物さ」


(そういや、美才もこんな風に嬉しそうに玉子焼きを食べてくれてたよな)


「やっぱりコウサは優しいお兄ちゃんなんだね。」


「何でだよ?」


「ミサちゃんの話をする時のコウサは、すっごい優しい顔をしてるんだよ。ミサちゃん元気だといいね」


「ありがとな。俺の知らない写真集も出てたから大丈夫だろ」


(無事ではいるみたいけど、元気かどうかは別だけどな)




最初はアンコを作ろる話にしようと思ったけど、この設定で砂糖を手に入れるのはきついかと。

米なんてもっと無理だし、味噌や醤油に至っては米麹とかが必要だったりする。

微妙に次の幕間に繋がっています

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