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ザコとイントルさん その4 城攻略とイントルさんの決意

今日は仕事の都合で夜は感想を返せないので今投稿です。


side 功才


最後のゴブリンが城を出て2時間。

見張りのゴブリンも交代した。


「皆様、石は持ったっすか?メリー見張りのゴブリンをできるだけ離れた場所から倒して欲しいっす。見張りが倒れるのと同時に城に突入するっすよ。先頭はガーグさんとイントルさん、できたらフランソワ乙女騎士団からも2人程出て欲しいっす。後フランソワ乙女騎士団からは見張りを2人出してほしいっす」


「この人数から2人も見張りだと?何故だ」


「ハンナさんは300匹近いゴブリンと戦う自信はあるっすか?1人はゴブリンが帰ってきたら匹数が少ないうちに退路を確保しておいて欲しいんすよ。もう1人はフランソワさん達だけが分かる伝令で退却を知らせて欲しいっす」


「……分かった。先頭は自分とジョアンナが行く。見張りはブリッドとアリーセに頼む。エルザはメリーと一緒に見張りのゴブリンを弓矢で倒せ」


「なら行くっすよ」


そう言っても先頭には行かないんだけどね。


城の中は、古びた外見とは違い掃除が行き届いておりチリ1つも落ちていない、快適住環境。

武器手入れゴブリンの他にお掃除ゴブリンもいるのか?

いや、まさかのメイドゴブリン…‥いる訳ないよな。


「ザイツ、イ・コージはどこにいると思う?」


「城の中を進んで行けば結界で進めない所がある筈っすよ。イ・コージはその先にいる筈っす」

 

「進めないなら、どうやって行くというのだ?言う割には作戦に抜け穴ばかりだな」


ハンナさんが絡んできた。

やっぱり俺をメリーの彼氏って認めてないのね。


「もうハンナったら。コウサはキチンと考えているよね。ねっコウサ」


「簡単っすよ。あの小石を捨てれば行ける筈っすから。イ・コージはゴブリンに研究の邪魔をされない様にしてると思うっすから」


あの小石には、城の結界を超える術と、研究室の結界を越させない術が施していると思う。


城の中でゴブリンと遭遇する事はなかった。

イ・コージは、それだけ自分の結界に対する自信があるんだろう。

怖い物見たさで、メイドゴブリンにちょっとだけ期待していたんだけど。


2階に上がり中央部に近づいていくと、先頭のガーグさんが立ち止まる。


「っと見えない壁があるな。これが結界か。ザイツ小石を捨てればいいんだよな」


「そんなにうまくいく訳ないだろ。ここはだな、城のどこかにある結界装置を壊して」


……………


「ハンナ早く行こ。みんな進んでるよ」


「あっ、メリー待って。くっ、自分はまだ認めないぞ。研究所がこの先にあるとは限らない」


そりゃ可能性が高いって、だけで確定ではないんだし。

でもハンナさんは先から周りをちゃんと、見ていたんだろうか?



side ハンナ


「ここっすね」

 

「ああ、ここだな」


ある部屋の前でガーグ冒険者団の一行が立ち止まる。


「何でこの部屋って分かるんだ?どうせ当てずっぽうだろ?」


「ハンナは気付いてななかったの?お部屋の前にトイレとか食堂とか書いてある板が下がってたんだよ」


そんなのあったっけ?

ちなみに、この部屋の扉には赤い板にラボと書いてある。


「罠の可能性があるじゃないか」


そしたらあのコウサは平然とこう言ったんだ。


「自分の生活空間に罠をはる馬鹿はいないっすよ。恐らく看板はゴブリン達の目印っすね。ゴブリンは字は読めないっすけど色はわかるから、何をしたい時は何色の板がある部屋に行けって教えてあるんすよ」


 

「ハンナ、メリーのコウサは凄いでしょ。コウサは頭も良いし、演技も上手だし、勇気もあるんだよ。それに何よりかっわいいんだよー」


メリー頭が良いのも勇気があるのも認めてもいいけど、あれを可愛いとは認められないよ。



side 功才


扉を開けると、ぽっちゃりな男性が机に向かって一心不乱に研究をしていた。


「何回言えば分かるんだ?この部屋は掃除しなくて良いんだよ。メイドはメイドらしく決めれたら場所を掃除してれば……誰だ?お前達は?」


メイドゴブリン、本当にいるんだ。


「イ・コージだな。誘拐の罪で、自分達フランソワ乙女騎士団が誅してやる」

 

(すげっ、戦いの前の口上なんて本当にやるんだ。)


「ふんっ、これだから猿人族は。自分達は他の種族を平気で実験に使う癖に。それに魔術の進歩には犠牲が付き物なんだよ」


(おおっ、これまたマッドな人のお約束な台詞)


「言い訳はギルドで聞いてやる。大人しく捕まれ」


「捕まれと言われて、大人しく捕まる人なんていませんよ。それにここは私の城ですよ。むしろ捕まえれるなら捕まえてみなさい」


そう言うと、イ・コージは隣の部屋に逃げて行く。


(これぞ、お約束展開)

当然、隣の部屋に行くとイ・コージは背もたれが付いた豪華な椅子に座っていた。


(これもお約束だけど、後ろにあるクリスタルは何だ?それにしても天井が高いよな)


「ようこそイ・コージのゴブリン王国へ。愚かな猿人族さん。出でよ、我が兵隊達」


イ・コージの言葉に合わせて出て来たのは、立派な装備をしたゴブリン6匹と捕虜と思われる猿人族の戦士が3人。


おかしい。

あの戦力で、この人数に対抗できる訳がない。

それならイ・コージの自信はどこからきているんだ?

よく見るとイ・コージが指で何かを書いている。あれは魔法陣?


「間に合え、シールドボール」


イ・コージから放たれたのは紫色の気体。

紫色の気体にゴブリンも猿人族の戦士も巻き込まれた。

そして


「人だけが倒れた?……人にのみ効く魔法かよ」

幸いに紫色の気体は少しすると薄れた。


「正解です。でもどうします?猿人族の皆様、ゴブリンと戦闘をしていたら魔法の的、時間が経てば大勢のゴブリンが帰ってきますよ」


どうすっかな。

イ・コージだけなら何とかできるんだけども。

俺が思考モードにはいると、イントルさんが声を掛けてきた。


「ザイツ殿、1回シールドボールを消して下さい。私がでますから」


「イントルさん。駄目ですって、あの魔法は」


「猿人族にしか効かないんでしょ?だったら大丈夫ですよ。何しろ私は…」


そう言うとイントルさんは覆面を脱ぎ捨てた。


引き続きイントルさんの正体あてを募集中。


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