表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/235

ザコ、ドルムーンに着く

過去編への反応が、凄くて驚いてます

side 功才


よーやくドルムーンに着いた。

ドルムーンは周りを岩山に囲まれており、ブルーメンとは真逆の簡素な造りの建物が立ち並んでいた。

雰囲気は質実剛健って感じで、あまり女の子受けはしないだろう。


「コウサ、見てみて。あの岩山に山羊とか鹿の仲間がいそうだよ。ここなら強力な弓矢も手に入りそうだから楽しみだなー」


さすがは狩猟娘、そっちに反応するんだね。


「岩山は危ないからほどほどにね」


「大丈夫だよ。あれぐらいの高さなら良く登ったもん。コウサと一緒に見晴らしの良い景色を見ながらの狩り。ドルムーンに来て良かったー」

たった今、俺の高地トレーニングが決定しました。


「と、とりあえずガーグさん達を探すか。冒険者ギルドに行くのが、手っ取り早いだろう」


しっかし本当に色んな種族がいるんだな。

ドワーフ・猫人族男性・ホビット。

猫人族は帽子をかぶったら、俺達と区別がつかない感じだ。


「ねっねっね。コウサ弓矢専門店だって。あそこでギルドの場所を確認しよっ」


メリーは、まるでおもちゃ屋を見つけた子供みたいにはしゃいでいた。


「そうだな。値段を見れば幾ら稼げば良いか決めれるし、行くか」


流石に弓矢専門店で、彼女があんなに欲しがっているんだから、彼氏が買ってあげなって展開はないだろうし。


まぁ、メリーと俺が彼氏彼女に見られたらの話なんだけど。


「ふゎー。ロングボウもコンジットボウもある。弓の弦もこんなに種類あるんだ。ヤジリも沢山あるよー」


メリーのテンションが急上昇しまくりっ。


「女連れで、こんな店に来るとは冷やかしか、腕自慢の小僧かと思ったら、彼女が来たかったみたいだな」


店主だと思われるドワーフが俺に話しかけてきた。


「あー、あの娘は猟師の娘で彼女もアーチャーをしてるんすよ。」


「なる程、だから弓矢に詳しいんだな。納得したよ」


「あの様子じゃちょくちょく来ると思うっすから、宜しくお願いするっすよ。それと冒険者ギルドはどこにあるんすか?

ガーグさんに会いたいんすっけど」


「ガーグ?お前は彼奴に依頼に来たのか?ここを出て左に行けば、でかい宿屋があるから、そこにいる筈だ」


「うわー、どうしよう。ミスリル銀のヤジリだってー、これならアーマーバッファローも倒せるかな?あー、この弦も捨てがたいっ。でもでも東洋の竹弓もあるしなー」


「とりあえず彼女が満足したら行ってみるっす」


…………………


「コウサ、依頼いっぱいこなそうね。欲しい物が沢山できちゃった」


「そうだな。メリーの弓矢は、俺の戦術に不可欠だし。優先して買うか」


「だめっ。先ずはコウサの防具が先だよっ。コウサはすぐに自分をエサにしようとするだもん」

 

メリーは真剣な表情で詰め寄ってくる。

本気で誰かに心配をしてもらえるって、こんなにも嬉しいんだ。


「わかったよ。優先するのは俺とメリーの防具にする。それじゃガーグさんの所に行くか」



宿屋は直ぐに見つかった。

て言うよりドルムーンに入った時から見えていたデカい建物が宿屋だった。


「すんませーん、ここにガーグさんがいるって聞いて来たんすけど」


「うん?依頼客か?ちょっと待ってな」


ちなみに宿屋の主人は猫人族らしいが、語尾にニャーはつけなかった。

まぁ猫人族が猫から進化してニャーを言うなら、猿から進化した人間もウッキーをつけなくちゃ不自然になるし。

当たり前っちゃ当たり前だ。

そんなくだらない事を考えていたら


「おっ、ザイツ来たか。ちょうど面倒くさい依頼を頼まれた所だから助かる」


「ガーグさんが、面倒な依頼なんて、余り聞きたくないよーな」


「詳しくは私から説明させてもらいますよ。討伐対象はミスリルゴーレムです。近くのミスリル鉱山でミスリルゴーレムが暴れており採掘ができない状態なんですよ」


データボールを参照しなくても、ザコが関わっちゃいけない魔物だとわかる。


「普通、ゴーレムって術者によって制御されているんじゃないですか?」


「いや、このゴーレムは元々採掘・運搬用に使われていたんだけどよ。術者が女に振られた腹いせに鉱山でストライキを起こしちまったんだよ」


 

 

魔物は強烈だけど、理由はショボいな。


「説得はしてみたんですか?」


「全く聞く耳持たずだ。まぁ結婚式目前に、女を横取りされちゃ怒るわな」


術者は真面目な性格だけど、あまりモテる方じゃなかったそうだ。

そんな術者を好いたのは幼なじみの女の子。

でもたまたま遊びに来た貴族に彼女が気に入られてしまう。

殆ど略奪に近い形だったらしい。

貴族は彼女の家族や術者の家族を脅したらしい。

泣く泣く彼女は貴族の元へ。

でも術者は、彼女を諦められない。

それでやけになったと。


「ちなみにその貴族の名前は?」


「ゲード・ドンゲル。ドンゲル伯爵の長男だ」


いーね。

見せてやろうじゃないか。

モテない男の幸せを邪魔する貴族様には、同じくモテない男が制裁を加えてやる。


ミスリルゴーレムなんて出してしまった。

強すぎたかな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ