ザコの新たな決意
いよいよパーティーメンバーの募集です。
1人は曹仁伝を見てくれていた方にはわかるかも知れません。
side 功才
ギルドで依頼をチェックしていたら意外な人物が声を掛けてきた。
「コウサ君。久しぶりだねっ」
「ミントさん?シャイン様と一緒に首都にいたんじゃないんすか?」
「いたよ。コウサ君にどうしてもお礼を言いたくてブルーメンに来たんだよ」
って事は、あの悪戯が上手くいったんだな。
「ルイス皇子様が喜んでくれたんすね?」
「ルイス様もお喜びになられたし……。そのあのシャイン様が僕に側にいて欲しいって言ってくれたんだ。それで君達と冒険ができなくるからお礼を兼ねて挨拶をして来いってシャイン様に言われて」
「お礼って俺は何もしてないっすよ」
「シャイン様からの伝言だよ。コウサ、君の悪戯のお陰で私は生涯で一番大切な者を手に入れる事ができた。君に何かあったらシャイン・マクスウェルは友人として助力を惜しまないそうだ」
貴族様が得体の知れない俺に対して友人か…。
「顔だけじゃなく、言う事も格好いいっすね」
俺には逆立ちしても無理。
「それとメリーの友達である僕から命令だ。コウサ君、絶対にメリーを手放しちゃ駄目だよ。メリーは自分の夢を捨てて命を危険に晒してまでコウサ君に付いていくんだよ。メリーはそれに対してなんか言ったかい?メリーはね、貴族の間でも将来を有望視されていたんだよ」
「わかったっす。メリーに自分の夢を追う様に話すっす」
「はぁーっ。シャイン様の予想された通りだ。君は魔物の行動は読めても、女心に関してはトロル級の鈍さだね」
「う、うるさいっすよ」
トロルってなんだよ。
俺の恋愛ネガティブアンテナはCIA級の高性能なんだぞ。
「コウサ君は恋愛チキンな上に乙女心に鈍感なんだからメリーを大切にしないと淋しい老後が確定だよ」
「そんなのわからないっすよ」
「いいや断言できるね。君はメリーが美男子の演劇仲間と一緒にいただけで怯えて距離を置く情けない男だよ。わかるかい?君みたいな男に笑顔でついて来くれる女性はメリーしかいないんだよ」
「いつもと逆っす。俺がミントさんに言い負かされてるなんて」
「答えは簡単。シャイン様をずっと一途に想っていた僕と、少し不利になっただけで恋から逃げるチキンコウサ君とでは恋愛の経験が違うんだよ。反論はあるかい?」
「……ないっす」
「これが僕から君への感謝の証だと思ってくれ。まともに魔法も使えなかった僕に戦い方を教えてくれたコウサ君に対する感謝さ」
ったく、将来の夫婦が揃ってお節介をやきやがって。
こんな俺に有り難すぎるっての。
こうなりゃ本格的に冒険者生活をしてみせるか。
―――――――――
「コウサ、大切な話ってなに?」
「パーティーメンバーを増やそうと思うんだ。こないだの森の一件で痛感した、俺はまだまだ弱いザコなんだって」
「コウサは弱くないよ。ジャイアントシープもゾンビスラッグも倒したじゃない」
「あれは倒したんじゃなく倒せたんだよ。俺の戦い方は事前に調べて下準備をして倒せる自信ができてからする戦いだ。だから台本にないアドリブに弱い」
「うー、分かったけど。けーどー、どんな人を仲間にするの?」
「前衛を任せれる戦士系がいいな。パーティーメンバー募集や加入希望の張り紙をチェックしに行くか」
side メリー
色んな人達がパーティーメンバー募集や加入希望をだしているんだ。
「ねっ、コウサこの人達なんて強そうじゃない?ドラゴン退治に実績あり。闇のダークヘル戦士団だって」
「却下。実際にドラゴン退治をした事がある騎士団なんて見習いに入るだけでも大変な筈だぜ?何より名前がこけ脅しすぎる」
「あっ、ここはメリーも知ってるよ。フランソワ乙女騎士団が募集をかけてる。フランソワさんって強くて綺麗な人なんだよ。今回は特別に男性1名を急募だって。女性は随時加入者を受付中だから悪くないんじゃない?」
「確かフランソワ乙女騎士団は最近サキュバス討伐の依頼を受けたそうだ。フランソワ乙女騎士団は男性を所属させずに名前を挙げてきた騎士団だぜ。なら答えは1つ」
「コウサ、メリーにも分かる様に言ってよー」
「急募の男性をサキュバスをおびき寄せる餌にしたいんだろ。おおかた彼氏か旦那をサキュバスに奪われた女性からの依頼を受けたのは良いが、肝心のサキュバスが乙女騎士団に興味を持たないんだろうな。依頼不達成の不名誉より騎士団の為に犠牲になってくれる男性が必要になったんだよ」
「先から文句ばっかりつけて。コウサはどれが良いの」
「そうだな。……これだな」
コウサが選んだのは、
ガーグ戦士隊
所属してるのは戦士ガーグと格闘家イントル。
「ここは戦士系の2人だけで、そこそこの実績を残しているからな。俺達と組むにはぴったりじゃないか?」
でも張り紙には殴り書きで名前が書いてあるだけで詳しい事は書いていないんだよ。
書けたら今日中に新パーティー編も書きたいです
パーティーメンバーの予想募集をしたりして。