ザコの反省と悪戯
ジュエルバタフライ編終了です。
討伐系じゃないザコのお話はどうでしたか?
side 功才
「シャイン様これが例のモノっすよ。くれぐれもドンゲル伯爵の事はよろしくお願いするっす。それとそれはデリケートだから開けたら駄目っすよ」
「今回は危ない目にあわせたな。報酬は何がよい?」
「あー皇子様が喜んでからでいいっすよ」
シャインは、功才から受け取ったモノを大事そうに抱えて馬車の中に消えた。
「コウサ、ドンゲル伯爵はどうなるの?」
「どうにもならいさ。せいぜい尾行した男達が処罰されるか、シャイン様の立場が少し有利になるだけだよ」
「へっ?なんで?コウサ襲われたじゃない」
「襲ったのは、あくまで尾行してきた男達。それに一般市民と伯爵を秤にかければ、伯爵に傾くさ。傾かなきゃ俺が困るし」
「何でコウサが困るの?おかしいよ」
「俺は貴族様に逆恨みはされたくないの。だからシャイン様にドンゲル伯爵の事をお願いしたんだよ」
「えー、ドンゲル伯爵は性格が悪いってミントさんが言ってたじゃん」
「ミントがシャイン様と比べたら世の中の全部の男が卑しい性格にされちまうよ。それに性格が悪くて処罰されんなら俺の立場がないだろ?」
「それじゃコウサはただの骨折り損じゃない」
「最初の依頼はジュエルバタフライの確保だけだったんだぜ。あれだけ疲れさせたから、あそこまで見事に罠に食いつくとは思わなかったよ。それに」
「それに?」
本当は蝶を渡して終わる予定だったんだけど、メリーを襲うって聞いた途端に怒りに身を任せてしまった。
「俺があんな風に熱くなるんなて、我ながらビックリだ」
「俺の大事なメリーだよね。メリーは嬉しかったよ」
今回の計画は失敗だな。
下手すりゃ尾行してきた男達に逆恨みされるし、しばらくの間メリーにからかわれると思う。
せめて最後の悪戯が成功する様にと祈る功才であった。
side シャイン
「ミント、私は今回コウサのやり方を真似しようと思う」
「どうされるのですか?」
「コウサのお陰で細工は流々だからな。後は」
「仕上げをご覧じろですか。無理はなさないで下さい」
「どうかな?コウサのやり方を真似てみると存外面白いものだぞ」
side ドンゲル伯爵
何故だ。
何故、ルイス様はジュエルバタフライの標本を差し上げたのにお喜びにならない。
シャインが差し出した、こ汚い棒っきれをの方を喜ぶんだ?
「ドンゲル伯爵難しい顔をされてどうされました?」
「くっ、シャインお前の棒っきれにどんな細工がしてあるんだ?何故ルイス様が棒っきれで喜ぶ」
「あの木にはジュエルバタフライの蛹がついているんですよ。あれを手に入れた者が言うにはルイス様は病弱で部屋から出れないから標本を好まれないんじゃないかと」
「標本と病弱になんの関係がある!」「外に出られないルイス様は自由に空を飛べる蝶に憧れていからじゃないかと、標本にされた蝶を見ると部屋からも自由に出れない自分に重ね合わせてしまうんじゃないかと言ってましたよ。ルイス様が図鑑を好まれているのがその証拠だそうですよ」
「くっ、今に見てろよシャイン。ルイス様に気に入られるているからって調子に乗りおって」
side シャイン
「その者はジュエルバタフライも2匹手に入れたのですが男達に襲われて奪われたそうです。幸い私の手の者が1人を追跡して残り4人の身柄を確保していますが」
コウサが言うには奪わせたらしい。
そしてドンゲルは1匹を自分のコレクションにして、
1匹をルイス様に差し出すだろうと。
「その者が襲われたからどうだと言うのだ?たかが一般市民ではないか」
「ええ一般市民ですよ。私の友人で名前はザイツ・コウサ。この名前に聞き覚えありますよね。デュクセン皇帝が絶対に手を出すなと言われた人物だ!知らぬでは済まされぬぞドンゲル」
ドンゲルが膝から崩れ堕ちていく。
「今ならまだ私の胸に留めておけますよ。コウサからも処断をしない様に頼まれていますし」
「私は何をすればよいのだ。教えてくれ、いや教えて下さいシャイン伯爵」
「自分でお考え下さい。せいぜい私を怒らせない様にして下さい。それでは私はルイス様にお話があるので失礼します」
――――――――――
「失礼致します。シャインです。ルイス様宜しいでしょうか?」
「シャイン待ってたよ」
部屋に入ると何時もはベットに臥しているルイス様が椅子に座って嬉しそうにジュエルバタフライの蛹を見ておられた。
「随分とお元気な様で安心しました」
「うんっ、ジュエルバタフライが飛ぶところを見れると思ったら元気が出てきちゃった」
「ジュエルバタフライが飛ぶところを見れるのは今回だけじゃありませんよ。お城の庭にジュエルバタフライの幼虫が食べる草を植えました。来年も楽しみにして下さい」
「うんっ、シャインの結婚もあるしね」
「私の結婚ですか?」
「シャインはジュエルバタフライのお話を知らないの?それに虫籠の中にお手紙が入ってたから」
「お、お見せ頂いてよろしいでしょうか」
手紙に書かれていた内容は
私とミントが身分違いの恋で苦しんでいるから、ルイス様に許可をして欲しいという内容だった。
コウサの奴だな。
全く要らぬ世話を焼いてくれる。
「あれ、僕の勘違いだったのかな?」
「いえ、間違いではございませぬ。その手紙の通りです」
「そうだよね。ミントのお話をしてくれたシャインはすごい嬉しそうだったもん」
後から調べたらデュクセン皇国の一部地域では、ジュエルバタフライを未来に旅だつ宝石として、周囲への結婚の意志表示に使われるそうだ。
ルイス様はまだ幼く、その言葉には誓約は発生しない。
コウサのこんな言葉が聞こえてきそうだ。
「ルイス様の言葉を幼子の戯れにするのも、皇族承認の言葉にするのもシャイン様の自由っすよ。後はシャイン様とミントさんにお任せするっす」
ルイス様が元気になったら今回の事を、多分デュクセン皇帝に話されるだろう。
デュクセン皇帝にも承認をしてもらえたら、父上や一族の連中も逆らえない。
(貴族でありながら好きな女性と結婚ができて、お節介焼きの友人もできた。私は幸せ者だな)
そろそろパーティーを組みたいんですが、相変わらずキャラは出来ても名前が浮かばない。
私が書いた主人公佐介、豪、功才を気に入ってくれているのは男性だけな気が笑