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ザコ≧勇者 勇者パーティの惨劇

side 功才


 各国の代表者と側近が緊急収集された。

敵の勢力はこちらの5倍、戦闘の素人が多いらしいが圧倒的に不利。


「敵がルーンランドの国境に着くまで遅くても3日でしょう。何しろサン・エルフの民は不眠不休で行軍してますから」


ヤ・ツーレ所長の言葉に殆どの人が言葉をなくした。


(コウサ、不眠不休で来るのがそんなに不味いの?)


(不眠不休で来たって事はサン・エルフの民は苦痛も空腹も感じない程にチャームに支配されてるって事なんだよ。下手すりゃ剣で斬れても弓で射たれても行軍を止めない可能性があるんだ)

正に生きる(リビングデッド)


「こうなれば勇者パーティを直接叩くしかありません。幸いに勇者の背後に出れる転移魔方陣があります。私達のルーンランドの魔術師とデュクセンの騎士そしてワルキュリアの騎士にヘイムランドの戦士から選抜した者で叩けば勝てます」


発言したのはルーンランドの宮廷魔術師の男性。

エルフィンを外したのは魔力が強いエルフが入ると自分達が目立たないからだろう。


「念の為に遠視のマジックアイテムを持っていって下さい。編成が終わり次第、転移を行いましょう」



_________________


 それは地獄の光景だった。

剣で斬られても歩みを止めずに剣士の首に喰らい付く女性。

炎に包まれながらも歩みを止めずに魔術師に抱き付く子供。

そして


「ファイヤーボール」

ルーンランドの魔術師が放った精霊魔術師アミに火の玉がに向かっていく。

アミに当たると思った瞬間ファイヤーボールが掻き消えた。


「アミには魔術が効かないんだよ!!それ筋力強化」

勇者ヒイロは騎士を鎧ごと斬り捨てた。


「ほら、俺を殺したいんだろ?槍で突いていいぜ…自己治癒発動」

精霊騎士エペイストはわざと槍で貫かせてからドワーフを斬り殺した。


「遅い、遅い。そんなんじゃ僕には当たらないよ」

精霊武術家ニアは騎士の攻撃をギリギリで避けながら蹴り殺していた。


「私の美しい姿が見えなくて残念ですね」

アーチャーのウッドは体を透明にして背後から魔術師を射殺した。


「精霊魔術ライトアロー。光の精霊魔術で浄化してあげますわ」

精霊神官ネメジスの魔術が幾人もの体を貫く。

それは正になぶり殺し。

勇者パーティは授けられた能力で虐殺を繰り返していく。


「もう面倒臭いや…チャーム」

ヒイロが溜め息をつきながらチャームを唱えると周囲の人間の目から光が消えた。


(少し離れた所にいる人はドッグタグでチャームを無効化出来たみたいだけど…)



「ねえ、君達。あの人を殺しといてね」

ヒイロはそれだけを言い残すと背を向けて歩き出した。

遠視のマジックアイテムは無情に赤く染まった大地を写し続けていた。

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