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ザコ≧勇者 開戦間近

side 功才


 同盟の話し合いからガーグさんが帰って来たんだけどキレまくっている。


「大将も先陣も決まってないってマジっすか?」


「各国の代表が互いに譲らねんだよ。ルーンランドが大将になるのが筋だがデュクセンの騎士団が魔術師や傭兵の下には着きたくなねえってごねやがった。逆に先陣は擦り付けあいだよ、ルーンランドは魔術師が主力だから先陣が嫌らしい」

先陣なんて損害が多い役割を名誉なんて考えるのは騎士か武士だ。

でもデュクセンは大将じゃなきゃ先陣はやらないって言ってるらしい。


「ルーンランドの傭兵隊が先陣をやるのは駄目なんですか?」

ルーンランド傭兵隊の隊長はガドイン・ロックオーガさん、伯爵で身分も確かだし実力もある。


「ガドインの所は実力はピカイチだが人数が少なすぎる。ちなみにルーンランドの騎士団はお城でお留守番だそうだ」


「それじゃ軍師は誰になったんですか?」


「軍師?そんなの必要ねえだろ」

忘れてた!!オーディヌスでは今まで大規模な戦争が殆どなかったらしい。

つまり大軍を指揮した経験がある大将もいなけりゃ作戦を練る軍師が重要視されてないんだ。


「必要ですって!!陣形を決めなきゃいけないし伝令役も必須になります。開戦のタイミングは誰が決めるんですか?」


「ザイツ、騎士様たちは名乗りを上げてからじゃなきゃ突っ込まないぜ」

…元寇の役の日本軍じゃないんだから勘弁してくれよ。


「名乗り?そんなのしてる暇なんてある訳ないでしょ。レクレール相手に試合でもするんですか」


「騎士様たちは名誉を重んじるんだよ。俺やガドインからすりゃ噴飯ものだが不意討ちなんてしたら国に帰る可能性もある。シャイン殿も説得してくれているが下手すりゃ自分の立場が危なくなる危険性もあるから無理はさせたくねえしな」

シャインは騎士道にもとる事をしたって騒ぐパターンか。

そんな人達に大将をお願いしたら自滅、敗走、大混乱、大敗の最悪のコンボが確定しちまう。


「ティマー、ワルキュリア、ヘイムランドは士気が高くないし兵数も少ないから無理だし」

それに先陣なんて一番損害が出るんだからワザワザやる訳がない。


「仕方ないの。まだ名誉なんぞにこだわってる小童に任せておったら勝てる戦も勝てぬわ、儂が大将を勤める。指揮はガーグに任せるがの」

…シャルレーゼ様、マジですか!!

確かに同盟国の中ではシャルレーゼ様が地位も年齢も一番高い。

それにシャルレーゼ様は勇者パーティにいたし、冒険者一家を支えていた人だから戦いにも詳しい。

しかし、それじゃ俺も先陣組じゃん!!

俺は後方支援か撹乱役が適任なのに。


「分かった。ザイツ、お前の悪知恵に期待してるぞ」


「無理ですって!!俺の知恵なんてパーティでの戦いにしか通用しないんですよ…作戦を練るには情報が必要なんです、敵の数とかが分かれば何とかなるんですけど、何も分からないなら無責任な作戦なんて建てれません」

考えろ、俺。

引き延ばして何とか先陣から外れるんだ。


「分かった、ババアの件も含めて会議に掛けてみる」

決意を決めたのか気合いを入れて立ち上がるガーグさん。


「ガーグさん、下手すりゃエルフィンの兵が全滅するんすよ」


「レクレールに勝たない限りエルフィンに安全はねえさ。それにうちの連中は既に覚悟は決めてるぜ」

ガーグさんの言葉に親衛隊の方々が静かに頷く。

…俺は決めてないのに。

こうなれば神頼みだ!!

どうか、デュクセンとルーンランドのお偉いさんが反対します様に!!

…でもこれって師匠が大好きな流れだよな。


_______________


 なんと!!ガーグさんが渋い顔で帰って来た!!

うん、やっぱり非力なエルフに戦いは任せたくないよね。


「…ルーンランドの連中、南エルフの大量に連れて来て総数約3万、女子供までいるらしい」

方や同盟軍は約5千人。

状況が悪化しちまった。

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