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ザコ≧勇者 嫁?と母

前回疑問が来た美華さんの気持ちもあります

Side メリー


 功才の顔が曇っていくのが分かる。

それは本の些細な変化、でも何時も一緒にいる私には分かった。


「話は終わったみたいね。父さん、母さん功才を借りるわよ。功才、メリーちゃんこっちにいらっしゃい」

そんな時、声を掛けてくれたのはエイカさん。


「あら、栄華ちゃん2週間ぶりかな?元気だったー?」


「栄華、酒田さんが演技に磨きがかかったって誉めていたぞ。でも慢心したら駄目だぞ」

それは暖かな家族のヒトコマ、でもその中にコウサはいない。


「母さん、私より先に体調を確認する人がいるんじゃないの?」


「父さんも功才も元気なのは見れば分かるじゃない」

確かにコウサが体調を崩してないのは見られば分かるけど。


「それでは栄才さん私はこれで失礼します。何か連絡があれば何時も通り娘さんにお願いします」


「もうお帰りになるんですか?ゆっくりしていけば良いじゃないですか?」

コウサとお父さんの家族とは思えない白々しい会話。


「功才行くわよ」

エイカさんの言葉にコウサが頷く。

きっとこうしてエイカさんやミサちゃんがコウサを助けていてくれたんだろう。


_________________

 それからエイカさんのマネージャーさんがコウサの家まで車で送ってくれた。


「姉ちゃん、昼飯まだだろ?何か作るよ」

コウサはリビングに私とエイカさんを残してキッチンに姿を消す。


「功才も成長したと思ったけど気まずくなったら台所に逃げる所は変わらないわね…メリーちゃん驚いたでしょ」


「あの人達は本当に功才の親なんですか?」

それなのにあまりにも距離が遠すぎる。


「親よ。その前にあの人達は…財津家は芸能一家なの、事務所の人を含めて多くの人の生活に影響をもつね。言い訳に聞こえるかも知れないけど親や個人である前に俳優財津栄才女優財津美華じゃなきゃいけないの」

確かに舞台は演者だけでは成り立たない。

監督、脚本家、大道具、小道具、劇場関係者、数え切れない人達が舞台に関わっている。


「それでもあれだとコウサが悲しすぎます」


「1度舞台に立ったら親の死に目にも会えないのが演者なの。私も美才も子供の頃からお金を稼いでいたわ…父さんの感覚からすると芸能でお金を稼げて初めて芸能一家財津家の一員なのよ」

舞台に立てば親が死んでも降りるな、それは私も監督や先輩から言われた言葉。


「でも…それじゃコウサが」


「コウサの家族は私と美才と爺ちゃん、お婆ちゃん。それに今度はメリーちゃんも家族になってくれるんでしょ?」

エイカさんはウインクしながら優しく微笑んでいる。


「私のお父さんはコウサに婿に来てほしいって言ってました…孫も早く見たいって」

コウサはメリーにどんなプロポーズをしてくれるんだろう。


(プロポーズ楽しみにしてるからね。未来の旦那さま)


Side イントル


 私とハンナはドルムーンに来ています。

思えば本の1年くらい前までトロルである事を隠し頃覆面を脱ぐ事なんて考えていませんでした。


「懐かしいな。この町で自分達は出会ったんだよね」

私の隣でハンナが私の手を握りながら微笑んでいます。


「あの頃はこうしてハンナと一緒に歩くなんて考えもしませんでしたね」


私とハンナは他愛もない会話をしながら懐かしいギルドに向かいました。


「ギルド長、お久しぶりです。今日は依頼を頼みに来ました」


「イントル久しぶりだな。それで何を依頼したいんだ?」


「傭兵の募集です。雇い主はエルフィン聖王国第1王子のガーグ・エルフィンローズ様です」


…………


「最初聞いた時は、あのガーグがエルフの王子様ってのはたちの悪い冗談だと思ったんだがな」

なんでもデュクセンの冒険者の中にはいまだにガーグさんが王子だと信じていない人もいるそうです。


「そんな事をエルフィンで言ったら非難されますよ。私達の大切なガーグ王子を侮辱するのは許さないって」


「酒場でいびきかきながら寝てた奴が王子様だったとはね。それでガーグ王子様は元気かい?」


「ガーグさんから伝言です。¨酒を奢ってやるからエルフィンに力を貸してくれ¨だそうですよ」


「王子様に言ってくれ。デュクセンの冒険者が大挙していくから酒をたんまり用意しとけって…おーい、ガーグ王子様が傭兵を募集してるぜ。参加する奴は集まってくれ」

ギルドにいた人達はみんな参加してくれましたし、中には近くのギルドに声を掛けに行ってくれた人もいました。


Side 美華


 功才が元気そうで安心しました。

隣にいたお嬢さんは彼女なんでしょうか。

しきりに功才を気遣っているのが分かりました。

…何をしていたのか気になりますが1ヶ月も気がつかなかった母親に言う資格はないですよね。

元気ならそれで良いですし、彼女が出来たんならバトンは彼女に渡します。

いいえ、彼女は私が落としたのを忘れていたバトンを拾ってくれただけ。

功才に何も言ってないしも栄華にも美才にも何も聞いてないんですから。

女優は泣く演技も出来るけど泣かない演技も出来ます。

プロポーズ話どうしよう

次回は美才とハンナSideになります

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