表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
210/235

幕間あの人のそのに2

なんか続く感じに

 阿保努力が前世アボール・エフォとしての記憶が戻った切っ掛けは小学3年生の体育の時間。

ドッジボールの球が彼のお腹に当たった瞬間に全てを思い出したのだ。

異世界オーディヌスの事、レクレールで重戦士をしていた事、そして命を賭して守った幼馴染み達が誰1人として自分の死を悲しまなかった事も。

たいして痛くもないのに虚しさと寂しさで止めどなく涙が溢れてきたのを努力は覚えている。

気が付くと姉の心花が自分を優しく抱き締めていてくれた。

その温かさがなかったら努力は優しさも笑顔も無くしていたかもしれない。

それから努力は名前に負けない様に猛烈に努力をした。

勉強、運動、空手や柔道の習い事。

それは両親や姉の心花が心配するぐらいの変わり様であった。

 そんな努力はバスに揺られながらアルバイト先に向かっている。


(バスがオーディヌスにあれば隣のケインはおばさんの死に目に間に合ったのに…コンビニがオーディヌスにあれば弟のガホルにお腹にいっぱいにお菓子を食べさせてあげれたのに、オーディヌスに病院があればの妹アリアが助けれたのに)



日本と違い前世のオーディヌスは飢えと死が身近にある世界であった。 

腹一杯ご飯を食べれる事や暖かい布団で眠れる事、望めば様々な勉強が出来る事、そんなオーディヌスでは想像もしなかった幸せに触れる度に努力は前世の家族や友人を思いだしいたたまれない気持ちになる。


________________


 バイトを終えた努力が家に着くと暖かい灯りが彼を迎えてくれた。


「ただいまー、あれ姉ちゃんまだ帰ってないの?」

玄関にはもう帰ってる筈の心花の靴がない。


「努力と一緒じゃなかったのか?…嫌な予感がする心花を迎えに行くぞ」

兄の清継の嫌な予感は嫌な程に当たる、何しろ彼は前世の魔術師としての記憶を持っているのだから。


「兄ちゃん、姉ちゃんに何があったの?姉ちゃんはどこにいるの?」

姉の心花が心配なのか努力の目には涙が浮かび始めていた。


「努力!!重戦士がこんな事で泣いてどうするんだ。…コンビニの隣にある公園から心花のマナを感じる行くぞ」


 阿保清継が前世キヨ・ワーグとしての記憶を取り戻した切っ掛けは小学1年の図工の時間に粘土で人形を作った時。

そして弟の努力がレクレールの重戦士アボール・エフォーである事を知った時に彼は烈火の如く怒った。

可愛い弟の努力を裏切った勇者達に対して激しい怒りを覚えたのだ。


 努力と清継が公園に着くと心花は中年の男性と数匹の小さな生き物と向かい合っていた。


「あれはゴブリン?なんでこんな所に?」


小さな生き物は努力と清継にとしては初めて見る生き物であるが、アボール・エフォーやキヨ・ワーグとしてはオーディヌスで何度も見て倒した事がある魔物ゴブリンであった。


「この国の者は戦いをした事がないんだろ?勇者の因子を持つ少女の命はもらった!!」


「努力聞いたか?戦いを知らないだとよ」



「うん、確かに清継と努力なら戦いは知らないいけど」


「「オーディヌスの男をなめんじゃねえ!!」」



これは前世で勇者に裏切れた兄弟が異世界の勇者に選ばれた家族の為にまた違う世界で戦い抜く物語。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ