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ザコへの依頼

今回は討伐依頼ではないです

side メリー


「ちょっ。メリー手が」


街に入っても、コウサのお顔は真っ赤なまま。


「?コウサ手がどうしたの?」


魔物が相手なら平然としてる癖をに、私に手を握れただけで照られて困惑しているコウサのギャップがおかしくてたまらない。


腕を組んだらコウサはどうなっちゃうんだろ?


大丈夫だと信じてるけど、周りへの牽制を兼ねてコウサの手を握ったまま冒険者ギルトに入る。



「ザコ、女と手を繋ながらギルドに来るとは出世したな」


「違うって、じゃなく違うんすよ。今回はメリーが冒険者ギルドに登録したいから一緒に来たわけで」


「それじゃコウサ、メリーがギルドに登録する間、寂しくてもちゃんと待っててね」


「それじゃ彼女さん、パーソナルカードをチェックさせてもらうよ。ザコちゃんと待っとけよ」


ギルドへの登録にするとパーソナルデータの私の職種がアーチャーに変わった。

ギルドの人の話だと冒険者ギルドに登録すると、その人の戦い方で職種が変わるみたい。

それを見て依頼に適正があるかを判断するんだって。



「ねえ、コウサの職種は何?」


「しばらく見てないからわからないな。きっと冒険者じゃないか?」 

 

コウサの職種は


小技師7級


「ぷっ。何これ、コウサにピッタリ」


「何だよ小技師って。しかも7級ってなんだよ。小技師だとマスターしても大技使えないの確定じゃね?」


「伝説の冒険者小技師コウサじゃ迫力ないよねー」

 

「何かこじんまりとした伝説になりそうだよ」


そうだよねー。

ジャイアントシープやゾンビスラッグは中級冒険者でも苦戦する時ある魔物なんだよね。

それをコウサみたいな初心者が倒すのは稀なんだって。

それなのにコウサは今だに殆ど無名なんだよね。


演劇仲間からも冒険者じゃなくミントさんの従者だって思われていたし。


side 功才


ゾンビスラッグ退治から数日たったある日の事。

俺はシャイン様から呼び出された。 

シャイン様は、ゾンビスラッグがいた砦の関係でブルーメンに来たらしい。


「コウサ、久しいな。今回は冒険者ギルドを抜きにしてコウサ個人に依頼をお願いしたい」


「有名になったミントには頼まないんすか?」

 

「ミントは正直に話してくれたよ。手柄は全部コウサによるものだって」


あの馬鹿正直、うまく誤魔化せよ。


「わかったすよ。どんな依頼っすか?」


「デュクセン皇帝の御次男ルイス様の為にある蝶を捕獲して欲しい。蝶の名前はジュエルバタフライ」


「蝶なら騎士団に護衛をさせて見に行くの駄目なんすか?」


「ルイス様は生まれ付きお身体が弱くて外出は無理なんだよ。もうすぐルイス様は7歳の誕生日がお迎えになられる。虫を好まれるルイス様に喜んで頂きたいのだ」


「質問があるっす、シャイン様は皇子様と親しいんすか?それと何故虫が好きだってわかったんすか?」


「私はお話相手を勤める事が度々あるのだ。皇子の部屋には昆虫の図鑑が沢山あって、ジェルバタフライの話もよくされておられる」


もし、騎士団を動かしたらどうなるか考えてみる。

確実に領民のヒンシュクは買うし、騎士団の中には虫探しを不名誉と捉える人も少なくないだろう。

シャイン様は皇帝への忠義が厚い方だ。

わざわざ皇帝の名を貶める手段は選ばないだろう。

それに他の貴族にばれでもしたら、ご機嫌取りの為に様々な虫が献上されるだろう。

毒虫が献上される可能性も否定できない。


 

「わかったっす。幾つか用意して欲しい物があるっす」


「受けてくれるか?くれぐれも内密で頼む」



データボール参上


ジュエルバタフライ


森の宝石と呼ばれる蝶ですね。


森の奥深くに住み人目に触れる事は少ないみたいですねー。

特徴は宝石の様にに輝く羽を持っているんですよ。

宝石と言えば、功才君は、可愛い彼女にプレゼントは贈りましたか?


データボールが、無駄な方向にハイスペックになってきている気がする。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


「メリー、ジュエルバタフライって見た事ある?」


「もうコウサ、忘れたの?メリーは猟師の娘だよ。ジュエルバタフライは子供の頃によく捕まえたよ」


 

やっぱり猟師の娘だけあって、森には詳しいんだな。


「メリー、シャイン様からの依頼に協力してくれ。依頼内容はジュエルバタフライの捕獲だ」


「ジュエルバタフライがいる森までだと片道3日はかかるねー。いきなりお泊まりの誘いなんてコウサったら大胆」


「ちっ、違うって。そんな掛かるなんて知らなかったし」


「えー、コウサはメリーと旅に出たくないの?ショックだなー」


「違う、違うって、絶対にそんな事ないから。むしろ幾らでも一緒にいたいぐらいだし。あっ」



「キャーッ。コウサったら大胆。うんっ、メリーも依頼に協力してあげる」


多分、この先ずっと俺とメリーの力関係は変わらない気がする。


「そ、それじゃ依頼内密の詳しい話をする。……しようと思う」



「さっすがコウサ。それならメリーは絶対不可欠だよ」


「頼む。それなら旅の準備をするか」


「森に行くのなら足元の装備はきちんとしなきゃね。それと虫に刺されない様に厚手の服とズボンも買わなきゃ」


虫と言えど馬鹿にするなかれ、どんな病原菌を持っているか分かったもんじゃない。

服装は探検隊みたいな感じが良いだろう。

森の中で鎧なんて着ていたら邪魔なだけだろうし、ましてゲームに出てくる女性キャラみたいにに太もも丸出しだとお好きなだけ刺してて下さいだ。




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