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幕間あの人のその後

あの人のその後です

 1時限目終了の挨拶が終わると教室は少しだけ賑やかになった。

昨日のTVの話をする者もいれば、すかさず携帯のチェックを始める者もいる。

そんなありふれた日常に大きな音が響く。

どうやら他のクラスの生徒が力任せにドアを開けた様だ。

ドアを開けた少女は自分に集まる視線を無視して口を開く。


「どーりょーく!!なんで私を置いて先に行った―!!」

少女の視線の先には大きな身体をした少年がいた。

 少年の名前は阿保努力。

努力は身長190㎝体重90Kの巨漢であるが、その大きな身体をを縮こまらせ顔には怯えの色が見える。


「だって、彩夏ちゃんが一緒に行かないって言ったから」


「うるさい、うるさーい!!それでも遠くから見守るのが幼馴染みの務めでしょうが!!お陰でチャラい奴にナンパされたり電車で押し潰されそうになったり大変だったんだからね」

阿保努力と花田彩夏はいわゆる幼馴染みであった。


(なんでこんなもっさいのが私の幼馴染みなの?)

彩夏の中で、幼馴染みと言うと実は寂しがり屋のイケメン不良や普段はぐうたらだけど隠れた才能をもつ何故か表面上はモテない美少年なのだが、努力は彩夏がいなくても寂しがらないし隠れた才能もない身体の大きさと人の良さ以外に特徴がないブサメンであった。

最も彩夏も世話焼きの幼馴染みでもないしモデルやアイドルはしていない平均より少し上のどこにでもいる少女なのだが。


「ご、ごめん」「努力、あなたが謝る必要なんてこれっぽっちもないでしょ。彩夏、幼馴染みじゃなく努力の姉として言わせてもらうわね。いい加減私の弟を便利に使うの止めてくれない?第一、¨努力が近くにいたら私に新しい出会いが来ないから朝の迎えはいらない¨って言ったのは彩夏だよ」

努力と彩夏の会話に割って入って来たのは身長140㎝ぐらいの童顔の少女、見た目だけなら中学生や大人っぽい小学生で通る努力の双子の姉阿保心花(しんか)であった。

努力と心花はいわゆる二卵性の双子で全く似ていない。

大柄の努力に小柄の心花、気の弱い努力と気の強い心花。


「し、心花。私は努力を便利扱いなんてしてない。私がいないと努力は女の子に何時まで経っても慣れないでしょ」


「お生憎様、私の弟は好かれはしても嫌われない子なの。あっ、それと清継兄さんの友達も全滅みたいよ」

阿保清継は努力と心花の兄で有名大学に通っている、彩夏は清継の友達を狙って意味もなく阿保家にお邪魔していた。


「努力を好きになる女の子?そんなのいる訳ないじゃない」

努力を見て鼻で笑う彩夏。


「知らないの?3年と2年の先輩達はには努力君を守る会を作ってくれたし、中等部の子にも人気があるのよ」

最も、男性としてではなく人の良さと身体に合わない弱気な性格がペット扱いされてるだけなのだが。

熊さんみたい身体なのにウサギちゃんみたいな性格。

気は優しく力持ち、ついでにお人好し。

それが阿保努力の正当な評価であった。


「生意気、なーまいきー。努力の癖に」

普通なら傍迷惑な彩夏だが努力にとっては大切な幼馴染みである。

何しろ彼には前世で幼馴染みを庇って死んだ記憶があったのだ。





アボール(囮)・エフォー(努力)

清継…キヨツグ…キヨつグ 平仮名のつと片仮名のワって書き方が似てますよね

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