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ザコ達と試練 封印は大切にしましょう

リクエストのザコ更新です

side 功才


非常にやばい、マジに失敗したかもしれない。

ガーグさん達の試練がクリアにならないままエルフによる勝利の宴が開始されてしまった。

勝利の宴といってもエルフ達が中心で俺達4人は蚊帳の外、ガーグさんに至ってはムスッとしながら1人で酒を飲んでいる。


「ガーグさん達の記憶は戻らず終いですね」

原因としてはガゼルにビビりまくった俺がすぐに勝負をつけてしまったからだろう。


「でもなんで1人で飲んでるのかな?コウサ分かる?」

メリーは俺の横にぴったりとくっついているし、ハンナさんはイントルさんの膝の上。


「俺がガーグさんの立場なら近づかないよ」

自分で言うのもなんだけどイチャイチャオーラー出しまくりのパーティーに近づく1人者はいないと思う。


「しかし、これからどうすんだ?セシリー姐さんとガーグさんが接触しなければ試練が進まないんだろ?」

イントルさんの膝の上でハンナさんがキリッときめてみせる。


「ハンナ、甘えながらきめても笑えるだけだよ。でもなんでここのエルフさんはガーグさんに近づかないのかな?エルフィンじゃガーグさん大人気なのに」


「ガーグさんが近づくなオーラを出してるってのもあるけど、エルフィンの人達はガーグさんに慣れてるからだよ」

早い話がエルフィンの人達はガーグさんの怖い顔や荒っぽい口調に耐性が出来てる訳で、今日会ったばかりのエルフには恐怖にしか感じないと思う。


「しかし、このままですと宴は終わりガーグさんは旅立ってしまいますよ」

イントルさんの言う通りこの宴で何らかのアクションを決めなければ試練は不合格になると思う。

その為にはガゼルを解放するのが一番なんだけど、そんな事をしたら俺が一番に狙われてしまう。

ちなみにガゼルを封印したシールドボールはエルフ達が厳重に封じ込めると強奪していった。


「セシリーさんは宴の中心、ガーグさんは蚊帳の外か…」

そんな時、5歳くらいの女の子がガーグさんに花を持ってきた、それを照れ臭そうに受け取るガーグさん。

微笑ましい光景なんだけど、それに気づいた金髪エルフがすぐさまに女の子を確保した。


「レニ、猿人には近づくなと教えただろ。さらわれでもしたらどうするんだ!!」


「なにあれ?恩人のガーグさんを犯人扱いしちゃって」


「あの人は悪い意味でエルフらしいんだよ、排他的で自信過剰で他種族を見下す。ほら、エンリトがそんな感じだったろ?」

そういやあのガマエルフは何してるんだろ?


「ガーグさんやセシリーさんの方がエルフらしくないですからね」

そう言うイントルさんが一番トロルらしくないんだけどね。


「エルフィンはシャルレーゼ様が外の文化を持ち込んだり、ガーグさんの影響で変わったけど、ここは結界を張るぐらいだから他種族との接触は皆無に近いんでしょうね」

俺達が滞在出来るのは明日の朝ぐらいが限界だと思う。

俺が溜め息を着くと同時にそれは聞こえてきた。

「これより封印の儀式を執り行う」

宴の中心から高らかに宣言がされる。


「封印の儀式って何をするんですかね?」

流石にシールドボールが壊れる事はないと思うけど。


「定番でいけば祠か洞窟に封印する筈です」

俺としてはあまりシールドボールに刺激を加えて欲しくないんだけど。


儀式が始まったのか宴はシンと静まり返った。

シールドボールは舞台の上にポツンと置かれている。

そしてセシリーさんを含んだ4人の神官がシールドボールを取り囲む。


「封印の儀式を始めます」

4人の神官がシールドボールに向かって魔力を放出し始めた。

魔力によりゆっくりと回転し始めたシールドボールはやがて高速で回り始める。


「ストーップ!!そんな事をしたら中のセメントが壊れちゃうっすよ」

シールドボールの中では渦が出来上がりセメントに入ったひび割れを増やしていく。


「その前に封印してしまえば問題ない!!魔族なんかにエルフの封印は解けぬ」

いやいやいや、解けたら俺がやばいんだって。

さらに回転を早めるシールドボール、それに連れてひび割れも深くなりセメントが砕け散った。

…シールドボールの中ではガゼルが殺気全開で俺をにらみつけている。

この世界にいる限りガゼルは自分を騙した俺を付け狙うだろう、逃げ切る自信は微塵もない。


「コウサ、シールドボールはどれぐらいもつの?」


「中には聖水が入ってるからガゼルは魔力を使えないし、聖水で受けるダメージも凄い筈だよ」

出来たら聖水で溺れてくれたらありがたいんだけどね。

そんな俺の希望を打ち砕く様にガゼルはシールドボールの中の聖水を飲み干した。


「許さぬ、許さぬぞ!!私を騙した猿も仲間を殺したエルフも全て皆殺しにしてくれる!!」

聖水により体の中は焼けただれている筈なのに苦しむ素振りを見せずにガゼルは怒りまくっている。

詰んだか?今回ばかりは詰みなのか?


「その様な状態で何が出来る?封印の儀式を続けよ」

あんのバカ金髪!!ガゼルを刺激してどうするんだよ。


「イントルさん、魔族の息ってどれぐらい持つか分かりますか?」

シールドボールの特製として敵を封印した時には呼吸困難になると解ける仕組みがある。


「それよりシールドボールの中から魔術は使えるんですか?」

正直試した事はない。

俺の使える魔術は直接攻撃が出来ないんだし。


「まずは力を回復させてもらうぞ。ドレインッ」

ガゼルの手から闇が放たれて生き物の様にエルフに襲い掛かる。


「馬鹿め!!我らエルフには聖なる加護がある、魔族のドレインは効かね」


「だが幼子ならどうかな?」

ガゼルのドレインが狙ったのはガーグさんに花をあげた少女エルフだった。



次はいつ更新しよう。

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