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ザコ達と試練 功才VS魔族

side 功才


ガゼル、牛目牛科ガゼル属の動物でトムソンガゼルが有名。

あの悪魔はあくまでガゼルの悪魔、だからガゼル・サーターン。

2本の角があり、良く見れば目の下から鼻にかけてラインが入ってるから正にガゼルだ。

そのガゼルの命令で配下の魔族が次々に結界に突撃しては命を散らしている。


(コウサ、なんで突撃を止めさせないのかな?)

以心伝心でメリーが話し掛けてくる。


(この結界を壊す為だろ。いくら頑丈な結界でも耐久力には限界があるだろうし。それだけ魔族は時戻しの杖が欲しいって事さ)

何の為かは分からないけど。


(その様子だと細工は隆々なんだね)


(魔族を倒す細工はね、でも一番の問題はガーグさん達の記憶だから)

なんとかガゼルを倒せてもガーグさん達の記憶が戻らなければ意味がない。


「そんな低級魔族がいくら突撃しようともこの結界はビクともせぬぞ!!」

イケメンエルフが高々に宣言した。


「我が部下を低級と侮った報いはお前の命で清算してやる。次、行け!!」

ガゼルの命令で、その後も次々に魔族が突撃を繰り返して残る魔族はガゼルを含めて10人くらいになった。


「やべえな、結界の耐久力が限界に近付いてきてやがる」

流石は腐っても鯛ならぬ記憶をなくしてもエルフプリンス、ガーグさんは結界の限界値が分かる様だ。


「後どれ位持つんすか?」


「残りの魔族は中級の様だが、体当たり程度なら問題はない」

同じエルフでも金髪エルフは結界を過信してるのかもしれない。


「あいつ等がただの体当たりだけをするんなら防げるんだがな」

こっちのエルフ?の意見は正反対だった、これは実戦経験の差だと思う。

つまり俺の予想で行けばガゼル達は次の突撃で勝負に出て来る。


「頼むぞ、お前達時戻しの杖さえあれば我ら魔族の悲願が達成出来る」


「お任せ下さい、ガゼル様」ガゼルの部下達はそう言い終えると同時に魔力をまとい始めた。


「あいつら魔力をまとって結界を突き破るつもりだ。中級魔族が9人に上級魔族が1人か…面白れぇケンカ相手じゃねえか」

ガーグさんは今にも舌なめずりしそうな顔でガゼル達をにらみつける。

そんなバトルジャンキーはガーグさんぐらいしかいなくエルフ達はパニックとなり我先にと逃げ出し始めた。

逃げ場所があれば俺も逃げたいんだけど、このまま逃げたら魔族にバックアタックされて一巻の終わりだ…正面からまともに戦ったても俺は終わりだけど。


「行けっ!!お前達」

ガゼルの合図で魔力の塊をと化した部下が結界に突撃を開始した。

それにあわせて魔族に聞こえない様に

「シールドボール」


結界を限界まで弱めた魔族は結界を突き破る為に全力突撃してくる。

そして俺がシールドボールを展開したのは結界の30㎝ぐらい下、つまり魔族は結界を突き破った勢いでシールドボールに突撃をした事になる。

そう、上級精霊の攻撃を防げるくらいに硬くなったシールドボールに。


「ぜ、全滅だと?馬鹿な、確かに結界は壊した筈なのに」

言ってみればフルスロットルの車で鉄の壁に突っ込んだ様なもの。

そして俺が犯人だとばれないうちにマジックキャンセルでシールドボールを消しておく。


「おのれ、おのれ、おのれ!!小賢しいエルフめ。こうなれば私自ら皆殺しにしてやる!!」

部下を犬死にさせた怒りからガゼルはマジ切れした様だ。

ガゼルから洒落にならない魔力が溢れ出している。


「人間の皆さんご協力ありがとうございました。ここからエルフの問題です、早く逃げて下さい」

どうやらセシリーさんはガゼルの魔力のやばさに悪い意味での覚悟を決めたらしい。


「あっん!!なんでお前に命令されなきゃならねえんだよ」

興奮してるのかガーグさんが怒り気味に応えた。


「私にはこの里を守る義務があります」


「けっ!!これだからエルフは、義務で死んでどうすんだよ?馬鹿じゃねえか」


「私は守りたいのです。大事なこの里を!!」

涙目でガーグさんに訴えかけるセシリーさん。


「ちっ!!だったら俺に依頼をだしな。報酬は時戻しの杖を少し貸してくれ。野暮用を済ませたら返すからよ」


「出来ません。何人も過去を変える事は許されないのです」

涙を流しながらガーグさんを見つめるセシリーさん。


「そんなオチだと思ったよ。なら報酬は金と酒だ、分かったか…来るぞ!!」

報酬が酒と金か…実際はセシリーさんの涙に耐えられなかっただけなんだろうけど。

次の瞬間、ガゼルの放った魔力で結界は粉々に砕けちった。

…ガゼルと真っ正面から向かい合うと怖さで色んなものをチビリそうです。


「殺す、全てのエルフを根絶やしにしてくれる」

どうやらガゼルはエルフに恨みを持っているらしい。

それなら…

「あのーガゼル様、エルフじゃない人間は見逃してもらえるのでございましょうか?」

俺はガゼルに揉み手をしながら近づいていく。

後ろで金髪エルフが騒いでいるがスルー。


「奴隷になるなら生かしてやる」


「それはありがたき幸せ。喜んで奴隷にでも下僕にでもならせてもらいますよ。ところでご主人様は時戻しの杖を手に入れてどうするおつもりなんでしょうか?どうか、この馬鹿な猿に教えて下さいませ」

我ながら見事な下っ端ぶり、映画やゲームだと俺みたいのが一番最初にやられるんだけどね。


「知れた事。過去に戻り創造神ロキを倒し魔族の支配する世界にするのだ」

どうやらガゼルは師匠にも恨みがあるみたいだ。


「それは凄い。一族の悲願を背負うなんて素晴らしい!!何か倒す手立てはあるんですか?」


「我には変身能力がある。青いハリネズミやバーチャルな格闘家、色々変身できるぞ」

うん、微妙にギリギリな線だと信じたい。


「凄いですねー!!びっくりです!!もう感動です、1つ石に変身してくれませんか?」


「特別だぞ、それっ!!」

ガゼルは一瞬にして小石に変身した。

きっとガゼルは俺が飲み込んだり踏みつぶそうとした瞬間に元の姿に戻って俺を殺すつもりだろう。

全てを殺すと言う見せしめの為に。

だから俺は時空リュックからある物を取り出す。

時空リュックは入れた物の時間を停止させる能力がある。

だから俺が取り出したのはミスリルの箱に詰めた即乾性のコンクリート、そこにガゼル小石を落とす。


「メリー、ドライアローをお願い」


「コウサ任せて」

即乾性コンクリートをさらに早く乾燥させる。

そしてそれを師匠特製の聖水に浮かべて

「シールドボール」

力は隙間があるから伝わるんだし、もしコンクリートを壊しわせてもガゼルは聖水にさらされる。

後はこれを師匠に届ければ完成だ。


「おい、それをどうするんだ!!お前裏切ったんじゃねえのか?」

予想外の展開から復活したガーグさんが突っかかってきた。


「俺じゃガゼルは倒せない。だから倒せる人の所に持っていくんすよ。嘘も方便、坊主が言えば説教、騎士がやれば戦術て言うじゃないっすか?ちなみに俺の仲間は伝えなくても俺を疑ってないっすよ」

まあイントルさんとハンナさんが俺の背後にいたから安心して騙せたんだし。


「これで親父達を救う手立てはなくなったのか…仕方ねえのかもな」

自嘲気味に呟くガーグさん。


「でもお陰でエルフの里は守られました、感謝いたします。それに気付きました、守れなかった事を悔やむより今の大切な何かを守り続ける方が大切なんだって」

出来たら早く合格にして欲しいんだよなー。

コンクリートにヒビが入ってきてるし、万が一があったら一番最初に俺が狙われるんだって。

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