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ザコと怪しい師匠

2話目です。



雑居ビルの隙間を抜けたら、レンガ造りの部屋だった。

これは夢か?

そうだ、俺は、あのでかい奴にしばかれて気絶をして夢を見てるに違いない。


「夢じゃないですよ、財津功才君。この世界で夢なんて見ていたら天国に行っちゃいますよ」


俺は、何とも嫌な注意をしてくれた男を改めて見てみる。


年は、50才くらいだろうか。

第一印象は、怪しい。

第二印象も、怪しい。

どこまでいっても怪しい。


体型は、細いが筋肉質。

顔は、渋めで俳優をしていてもおかしくないだろう。

モミアゲから続いているヒゲが渋さを増している。



しかし、真っ赤なシルクハットに真っ赤なジャッケット、ズボンも靴も赤一色だ。


(趣味わりー。今時芸人にもあんな格好する奴いないって)


「趣味が悪いなんて、失礼ですね。私は魔導士ですし、きちんとシャツは白ですよ。魔導士を見て戸惑うのはいけないんですよ」


「はぁ…すんません」


俺の危険回避レーダーが、関わるな危険と全力で注意を促してくる。


「はー、魔導と戸惑うをかけた駄洒落を無視するなんて立派な紳士になれませんよ。まぁ功才君には冒険者になってもらうからいいんですけどね」


これが、俺と師匠のファーストコンタクトだった。



-------------------


「何時までも、ボケッと突っ立っているんです。こっちに来て座ってゆっくりと話をしましょう」

(座ったら、いざって時に逃げれないだろうが)


「心配しなくても、何もしませんよ。それともう逃げられませんよ」


「へっ?どう言う事っすか?」


「だからここはオーディヌス。功才君が住んでいた世界とは別世界なんですから」


「はっ?別世界ってなんすか?」


「言い方を変えると異世界ですね。ちなみに功才君を喚んだのは私、ロッキー・バルボーです。気軽にロッキ師匠と呼んで下さい」


戸惑う俺を無視して、話を進めていくロッキさん。


「貴男には、ここで修行をした後に、オーディヌスで冒険者になってもらいます」


「冒険者っすか?秘境の探検とかをすればいいんすか?」


 

「冒険者の仕事は、討伐・護衛・採取とかですね。その辺はギルドに聞いて下さい」


「討伐って、何を倒せばいいんすか?」


「魔物や犯罪者とかですよ?頑張って下さい」


この親父は何をぬかしてるんだ。


「お断りするっす。つーか無理っすよ。俺ケンカ弱いんすよ」


「だ・か・ら修行をするんじゃないですか。私の話聞いてました?」


聞いてたから拒否するんだって


「それなら俺じゃなくても、いいじゃないっすか。俺より強い奴なんて、いくらでもいるっすよ」


「貴男が良いんですよ。財津功才君、貴男はとても面白いですからね」


「それだけ?」



  

「強い人間、優れた人間は上を見たら限りがありません。でも貴男は面白い、貴男と言う小石を磨いてオーディヌスの荒れる大海原に投げ込んだらどうなるかを見てみたいんですよ」


確実に砕けるか、海に沈むって。


「もし、拒否したら?」


「元の世界に帰れないし、ここから放り出すだけですよ。いまの貴男じゃ魔物の餌になるのが確定ですけどね」


「うっ、何か特別な才能くれるんすか?筋力増強とか?」


「ないですよ。軽自動車しか運転した事がない人間が、いきなりF1を運転できる訳ないじゃないですか?」


(F1って、この人お疲れな人なんじゃないか?)


「本当に失礼ですね。私は貴男を召還するに辺り貴男の世界の事を色々学んだんですよ」


ロッキさんの指差した先には、図鑑、小説、ビデオが積まれていた。

当然、その中には種馬垂れ目ボクサーのビデオもあった。


今の若い人は種馬垂れ目ボクサーをわかるんだろうか?

指摘、感想お待ちしております

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