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ザコ達と試練 ガーグさんとエルフ

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side 功才


 師匠の話によるとガーグさんはセシリーさん達が守っている過去戻りの杖を手に入れようとしてるらしい、そしてその杖を魔族も狙っている。

俺の予想でいくとガーグさん達は結構ヤバいかも知れない。


「これは俺の予想なんですけど、今回師匠が俺達に掛けた魔術は周りにも影響するんだと思います。師匠が掛けた暗示を周りも信じてしまうんですよ」

早い話が俺達が電波塔になっていたんだろう。

だから美才や勇牙達は俺が外国から帰って来たと信じていたし、メリーが外国から来た事も怪しまなかったんだと思う。


「だから自分がパーティーを組んだ奴らも怪しまなかったのか。でもそれがどうしたんだ?」


「本来のガーグさんの性格からしてエルフを毛嫌いすると思うんですよ。それにガーグさんはエルフィンの王子としての責任があったから復讐を諦めた」

早い話が今のガーグさんは復讐を誓ったバーサーカー。


「エルフィンの記憶がなければ実力行使をしてでも杖を手に入れるかもしれませんね」

ガーグさんを一番良く知ってるイントルさんも心配そうだ。


「そしてその後は責任をとって自決しかねないですよね。そしてセシリーさんも心配なんですよ、メリーもハンナさんもイントルさんも記憶を封じられていたけど感情に影響していましたよね」

イントルさんはあくまで理知的に行動していたみたいだし、ハンナさんも脳筋娘ではなかった。


「うん、コウサが他の娘とお話をしてるのを見たらイライラしたもん」

それでメリーの記憶は戻ったんだけれども


「セシリーさんは自分のミスでガーグさんが傷ついてエルフィンを出た事を悔やんでると思うんですよ。だから何かを守る事に執着する筈です」

セシリーさんはヒーラーとして優秀なのは努力によるもの、そしてそれはガーグさんを守れなかった悔恨が影響している。


「打ち解けあうのは難しそうですね。そしてそこに魔族が攻めてくる訳ですか」

イントルさんが珍しく大きな溜め息をつく。


「俺とメリーはの試練は現在をイントルさんとハンナさんの試練は未来を象徴してると思うんですよ」

今現在の恋人、自分がどうなりたいかと言う未来。


「そしてやり直したい過去ですか、厄介ですね」

今が充実してるから過去は振り返らない、希望のある未来があるから過去に捕らわれない。

でも今も未来も満ち足りていなければ過去を振り切れない。


データボール参照魔族

 魔族は人間型魔物の別称です。

魔力、生命力ともに人間とは比べ物にはなりませんよ。

上級魔族の魔力は功才君を1としたら1,000はありますし、半端な武器では傷もつけれません。

でも功才君、安心して下さい。

何かあったら私が骨を拾いに行ってあげますからね。

師匠は相変わらず助けてくれる気はなしと。


side ガーグ


過去戻りの杖は、この森に住んでいるエルフが持っているらしいが、その森がとにかく動きにくい。

木は鬱蒼としてるし道は獣道しかねえから歩き辛い。


「そこの人間!!止まれ、この先はエルフの土地だ。お前の様な汚れた人間の来る場所ではない」

木の上から俺に声を掛けて来たのは男のエルフだろうか、男の癖に髪を伸ばしてるのが気に食わねえ。


「当たり前だ。俺はエルフに会いに来たんだからよ」


「それ以上近づくて弓で射るぞ!!」

エルフはショートボウを俺に向けている。


「木の上から命令だぁ?何様のつもりだよ」

俺はエルフのいる木を思いっ切り蹴りつけた。


「くっ、なんて馬鹿力だ!!やめろ、これは森の神木だぞ。人間が触れれば木が汚れる」


「うるせえよ。枝なんぞに登ってりゃバランスを崩したら終いだろ!!とっとと落ちてきやがれ…捕まえたぜ!!」

俺は落ちてきたエルフをとっ捕まえて押さえ込んだ。


「離せっ!!私を汚すつもりか。なんて嫌らしい人間なんだ」

エルフは何故か涙目になっていやがる。


「ふざけんな!!何が悲しくて野郎を抱かなきゃいけねえんだよ」

エルフだけあって整った顔はしているが野郎を抱く気はない。


「わ、私は女だ。この森の神官セシリー様にお仕えしているハンターだ!!」


「女だ?その薄っぺらい体でか?それでそのセシリーって奴が過去戻りの杖を持ってるんだな」


「う、薄っぺらい体だと!!人間の男は女の体しか見ないのか」

本当の事を言われたのが悔しいのか女エルフがギャーギャーとわめく。


「薄っぺらいが嫌ならまっ平らにしてやるよ。それより過去戻りの杖を俺に貸せ!!」


「ま、まっ平らだと!!礼儀も女の扱いも知らない奴に一族の宝を貸す訳がなかろう」

エルフの言葉を聞いて俺は思わずニヤリと笑ってしまう。


「ありがとな。この森に過去戻りの杖がある事を認めてくれてよ」


「ひ、卑怯な!!しかしセシリー様はお前の様な野蛮な人間にはお会いせぬぞ」

何でか分からねえが、こいつの口からセシリーって名前を聞くとむかつく。


「それを決めるのはお前じゃなくセシリーって女だろうが。さてとお前が案内してくれる訳はねえか…ちっ!!こっち来い」

さっきから木がざわめいてると思ってたが、この気配は魔族か。


「は、離せ!!やはり私を」


「黙れ!!おい、この森に魔族が来た事はあるか?」


「魔族もお前たち人間も過去戻りの杖を狙って攻めてくるではないか!!しかし、この森に掛けられたら聖なる結界が魔族をはねのけているだ」


「結界を過信し過ぎなんだよ。早く集落に戻って臨戦態勢をとらせろ!!上級魔族が混じってんぞ」

面倒くせえがエルフに恩を売って杖を貸してもらうとするか。




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