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ザコ達と試練 巨人と狼の贈り物

一番リクエストが多かったザコの更新です

side 功才


 現実は厳しい。

「リッチが残したのは小汚いボロ切れだけか」

当然、リッチは金を使う必要がないから金も落としていない。

リッチの私物に関しては、さらに最悪で禍々しさを遠慮なしに放っている。


「コウサ、触っちゃ駄目だよ!!コウサに何かあったらメリーは耐えられないよ」

言ってる事は可愛いが、ついさっきリッチと戦わせたじゃん…と何時か突っ込める強さが欲しい。


「功才君、どれに興味があるんですか?今なら功才君が奇跡的にリッチを倒しちゃったよ記念で懇切丁寧に説明してあげますよ」


「師匠、何時の間に…つうか倒しちゃったよって想定外だったんですか?」

俺をこの地に飛ばした師匠なら自分は自由自在に来れるんだろうけど。

ちなみにイントルさん達は突然現れた師匠に呆気にとられている。


「例えばこの杖は相手の生命力を吸収して自分に還元出来ます」

師匠が手に取ったのは先端に血を塗ったかの様に真っ赤なドクロがついた悪趣味全開な杖。


「…それって俺でも使えるんですか?」

魔力が足らないから装備不可能ですとか言われそう。


「使えますよ。でも1時間で1日分の寿命が減りますけどね」

つまり1日で24日分の寿命が減ると。


「正にアンデット専用の杖なんですね。出来たら命の危険がないやつが良いんですけどね」多分、リッチはあの杖で魂を吸収してアンデットを作っていたんだろう。

リッチには寿命関係ないし。


「それならこの指輪はどうですか?使うと相手の全身に痒みが走ります」

なんか一気にショボくなったな。


「ちなみに俺はどうなるんですか?」


「1回使うと事に1年間水虫に悩まされます。呪いなんてそんなものですよ、誰かを呪えば自分に跳ね返るんです。だからこれは私が責任を持って処分しておきますね」


確かにリッチが倒された今放っておくのは危険だ。

師匠なら有効活用するだろうし。

そして師匠が指を鳴らすと俺達は薄紫の光に包まれる。


――――――――――


 次の瞬間にはやっぱり魔導師の塔にいた。


「イントルごめんなさい、ごめんなさい。自分イントルを襲う所だった」

塔に着いた同時に記憶を戻されたハンナさんが泣きじゃくる。


「ハンナ、私も忘れていたんですから仕方ないですよ」

イントルさんがハンナさんを抱き締めて優しく頭を撫でる。

メリーの言う通りイントルさんを傷つけていたらハンナさんはとんでもない事になってたと思う。


「そうだぜ。うちの親父の力に普通の人間が抗える訳ないだろ?むしろ親父の悪趣味な企みに俺が謝りたいぐらいだよ」

話し掛けて来たのは銀髪をウルフカットにした勝ち気そうな少女。


「フェンリルお嬢様、ロキ様の御前ですよ」

慌てて止めるのは巨人のスルトさん。

師匠を親父といってウルフカットでフェンリル。

…あの人がフェンリル狼?

スレイプニルが馬でポニーテルーでフェンリルは狼でウルフカットか。


「2人とも来ましたね。それでは力を授けて下さい」

何時もとは比べ物にならない威厳を出してる師匠が命令をした。


「それでは私から。トロルのイントルさん、貴方は力にも知恵にも溺れず魔物である自分を卑下せず研鑽しました。私が貴方に授けるのはラグナロクの灯し火です。武器にラグナロクの火を灯す力ですよ。貴方なら正しく使える筈です」


ラグナロクの火。

北欧神話の最後ラグナロクでスルトが放つ神も悪魔も焼き尽くすという洒落にならない火。


「ラグナロクの灯し火って事は範囲は拡大されないんすか?」

ラグナロクの火が燃え移ったりしたら洒落にならない。


「そうですよ。あくまで武器で直接攻撃した相手にのみ効果があります。…そして正しく使わないと火は自分自身を焼き尽くします」

まさに断罪の火ってやつか。


「慎んで受け取らせて頂きます」

恭しく頭を下げるイントルさん。

確かにイントルさんなら使えるかと、俺だと即火葬になるよな。


「さて次は俺の番だな。ハンナ、お前にやる力はフェンリルの爪だ。これがあればどんな硬い物にでも傷を負わせる事が出来る。武器を振るう意味を分かったお前なら使えるだろ?」

ニヤリと笑うフェンリルさん。


「物質限定なんすね。生物には無効なんすか?」


「親父が気に入るだけあってひねくれた見方をするよな。その通りさ、生物は傷つけれないが非生命体には効果抜群だぜ」

つまり防具とかにしか効果がないと。

跳ね返されて自分が傷つかない為かも知れないな。


「自分の様な若輩者には過ぎた力です。謹んで受け取らせて頂きます」

イントルさんと同じく恭しく拝領するハンナさん。


「それじゃ私は功才君にリッチの呪いを」


「謹んで遠慮させて頂きます。何でそんかな物騒な物が出てくるんですか?後はガーグさん達ですけども俺達は行った方が良いんですか?」


「そうですね。エルフの王子様と世話役さんが行ってる場所は魔族が襲来してますしね」


ま、魔族?

そんな危険な場所に行く程俺はマゾくない…マゾじゃない。

うん、今のは言わなくて良かったな。


「やっぱりガーグさん達が試練を乗り越えてからですよねー!!」

ガーグさんなら魔族もシバける筈。


「でも1体だけ強力な魔族が混じってるんですよね。変身能力も持った強力な魔族が」

変身能力を持った魔族か…。


「師匠、…が欲しいんですけど。それと…を」


「それでしたら強力なやつをあげますよ。今ならリッチの怨念をつけてあげますよ」


「怨念って。恨みよりたちが悪いじゃないっすか」

これで俺の準備は完了だ。

でもガーグさん俺達が行く前に魔族は出来るだけ倒して下さいね。

今日は権蔵とイ・コージを書く予定です

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