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ザコ達と試練 ハンナとトロルとリッチ

イントルさんが出まくりです

side ハンナ


涼やかな声の持ち主は姿を現さないで言葉を続けた。


「この鉱山が廃鉱になった理由はリッチです。リッチが鉱山の奥に住み着いたそうです」


リッチ、ヴァンパイヤと並ぶ高位のアンデッド。

その正体は永劫の生命を手に入れた魔法使い。

そしてリッチは普通の武器では倒せない。

確か、リッチを倒す方法を誰かから聞いた筈なのだが…誰から聞いたのかも、どうすれば倒せるのかも思い出せない。



side イントル


「リッチ!!大当たりだ!!リッチなら、高価なマジックアイテムを貯め込んでるぜ」

シーフの男性が騒ぎだしました。


「強力な魔術書もありますよね」

それに釣られて魔術師の少女も騒ぎだしています。

彼等の目はどこか虚ろ…


「落ち着け!!自分達ではリッチを倒せないぞ」


「大丈夫だって。盗みは本職だぜ」


「一冊で、一冊だけで良いんですよ」

赤い髪の少女が止めていますが、2人共聞き入れる様子がありません。


「まずいです!!彼らはリッチの闇に捕らわれています」

リッチの闇には人の欲望を拡大する力があり、その闇に捕らわれた者はリッチの元に誘われ魂を吸い取られてしまいます。


「くっ!!どうしたら良いんだ?このままじゃトロルを倒すどころか全滅だ」

きっと、彼女達が倒そうとしているトロルとは私の事でしょう。

ここで姿を出すのは得策ではありません。

私がトロルだとバレたら、提案を聞いてもらえなくなるでしょう。


「聖水を持っていませんか?聖水を飲まされば一時的にリッチの闇を中和できます」

しかし、あくまで一時しのぎに過ぎません。

早く教会に連れて行かなければ2人共、闇の眷族になってしまいます。


「聖水は持っていない。すまないが、こいつ等を抑えるのを手伝ってもらえないか?自分1人ではそろそろ限界なんだ」

手伝いにいかなければならないのでしょうが、私が行ったら彼女はますます混乱してしまうでしょう。

私がためらっていると、悲痛な叫び声が聞こえてきました。


「馬鹿っ!!行くなっ。仕方がない、気絶をさせて連れ戻すしかないのか」

少女の悲痛な叫び声と共に勢いよく駆け出す2つの足音が聞こえました。

どうやらシーフの男性と魔術師の少女がリッチの元に向かった様です。

…私は何をしてるのでしょうか?

このまま彼等を見捨てるのは人道にもとります。

人に憧れ、人を目指す者が人道を踏み外すのは愚を通り越して滑稽でしかありません。


「彼等は私が連れ戻して来ます。貴女はギルドに戻って、この事を報告して下さい」

トロルは所詮魔物。

しかし魔物には闇に対する耐性があります。

私なら闇に飲み込まれずに彼等を助け出せる筈。


「ご提案は有り難いが自分は騎士をを目指している人間だ。騎士は仲間を見捨てぬっ」

少女は高らかに宣言すると、鉱山の奥へと走って行きました。


ここで追いかけなくては、例え人間になれても私はずっと後悔するでしょう。


――――――――――


奥に進むにつれて壁や道が整えられ、坑道の中には青白い光が溢れてきます。

恐らくはリッチに捕らえられたさ迷う魂と闇のマナが反応して人魂となったでしょう。

そしていました。

赤い髪の少女はリッチと相対しています。

リッチはボロボロになったローブをまとっていますが、ローブの中にあるのは骨だけでした。


「そいつらを離せ!!」

よく見るとシーフの男性と魔術師の少女はリッチに抱きしめられていました。

しかし、その顔は青白く生気を失っています。


「コノ者達ハ自ラノゾンデ我二身ヲ捧ゲタノダ。離ス必要ハアルマイ」

リッチの無機質な声にあわせて妙に艶めかしい赤い舌だけがチロチロと蠢きました。


「自ら望んで死ぬ人間なんていない!!」


「死ハ終ワリデハナイ。新タナ始マリデアル。オ前モ加エテヤロウ」

リッチが骨と化した腕を少女へと伸ばします。


「させませんっ!!」

少女の身に危険が迫った瞬間、私を不思議な熱い感情が包んで気がつくと飛び出していました。



side ハンナ


涼やかな声の主はトロルだった。

前にはリッチ、後ろにはトロルがいる。

どう考えても危険な状況なのだが、自分は不思議な安堵感を感じていた。



かなりの数のキャラを作りましたが、イントルさんはお気に入りです

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