表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
187/235

ザコ達と試練 記憶と感情

side 功才


メリーが俺の前に立ちはだかる。

ここで意地を張ればメリーの記憶が戻った時がやばい。


「今度俺の周りでふざけた事をすれば肉体的も社会的にも痛い目をみる事になるっすよ。さっきの会話はきちんと録音してあるんすよ、家族の関係先に送られたくなきゃ分かるっすよね」

ぶっちゃけ録音なんてしてないけど疑う余裕なんてないだろう。


「功才すまねえ」

勇牙が珍しく頭を下げてくる。


「あーあ、お前達の大好きな勇牙君がへこんじゃった。これをマッドエンペラーの人達が知ったらどうなるっすかね」

副長やら幹部の人は怒りまくると思う。


「功才、やり過ぎはよくないかと…」

隼人が珍しく言い淀む。


「隼人、大丈夫だよ。こいつ等は5人でケンカしただけなんだよ。俺もトンマも一切関係ない、そうっすよね?」

俺の問い掛けに5人は力なく頷いた。


「こ、功才さん、みんなを保健室に連れて行かないと」


「小百合、頼みがあるんだけど三条財閥の病院は使えねかな?騒ぎ大きくしたくねえからさ」

ケンカで停学とかになったらトンマが逆恨みされかねない。

それに病院を使えばこいつ等の個人情報が三条財の手に渡る、それだけでも交渉材料としては充分。


「分かりました、手配させておきます」


「隼人、トンマと俺が階段で転んだから病院に行ったって先生に伝えておいてくれ。トンマ立てるよな?しっかし、うまく急所を外したよな」

トンマは出血や痣が目立っているが、急所はうまく外している。


「ザコ、お前もな。急所を避けて殴っただろ。ケンカ慣れってより戦い慣れてる感じだな」

流石はトンマ、爺さんから家伝の武術を習ってるだけある。


「だろ?後処理もばっちりだ」


「せーんぷわーい、大丈夫か!!…血が出てるじゃないかー。すぐに救急車を呼ばなきゃ」

随分とタイミング良く現れたルーチェさんだけど、怪我をしたトンマを見るなりパニクる。


(何らかの方法でトンマがトラブルにあったのを知ったけど、怪我をしてたからパニクったんだな)


「ルーチェ、大丈夫だよ。かすり傷みたいなもんだし」


「先輩、かすり傷を馬鹿にしたら駄目だっ!!かすり傷でもバイキンがはいったら大変なんだよ。先輩に何かあったら俺生きてけないよ」

泣きじゃくるルーチェさんはトンマに抱きついて離れ様としない。


「あー、ルーチェさんにお願いがあるっす。トンマに付き添って病院に行って欲しいんすよね。隼人、小百合、先生に報告よろしく」

先生の覚えが良い隼人と小百合が報告すれば簡単に信じてもらえるだろう。


「功才さんなんて報告すれば良いんですか?」

お嬢様の小百合に腹芸はきついか。


「トンマが階段で転んだからルーチェさんが付き添って病院に行きました。三条財閥系の病院に行きましたので結果は病院から報告させますのでって所かな」


「全く、よく思いつきますね。それじゃ功才は午後の授業に出るんですよね」

相変わらず隼人は真面目だよな。


「ザイツ君、一緒に教室に行こっ。私、ザイツ君とお話したいし」

千里の道も一歩から、メリーと話すチャンスを出来るだけ増やしたい。


「良いっすよ、むしろ歓迎するっす」


「その〜っすは止めてくれないの?何か嫌だな」

ここは重要、調子にのってせっかく縮まった距離が離れたなんて洒落にならない。


「でも、これは口癖なんすよ。それにプルングさんとはまだあまり話をした事がないっすから」


「それとプルングさんって呼ばれると変なん感じがするんだよね。私はコウサ君って呼ぶからメリーって呼んでよ」

メリーは相変わらず押しが強いと言うか、話をマイペースに進めまくる。


「遠慮しとくっすよ。プルングさんに彼氏とか好きな人がいたら誤解されちゃうすよ」



side メリー


 前にもザイツ君似た様な事を言われた気がする。


「残念。私には彼氏とか好きな人は…」

いない筈なのに何かが引っ掛かる。


「さてと、時間も時間だから動くか。それじゃ隼人と小百合は先生によろしく。ルーチェさんはトンマをよろしく頼むっすよ。俺らは教室に戻るか。メリー、一緒に行こっ」

ザイツ君にメリーって呼ばれたら胸がポカポカしてきた。


「功才、私と勇牙を忘れてない?」

夏海さんがザイツ君に話し掛けているのを見るとポカポカがムカムカに変わる。


(うー、今はメリーとコウサのラブラブトーク中なのにー…やだ!!私どうしたんだろう?)


「しっかし功才が結と小百合以外の女を呼び捨てにするとはね、明日は雨が降るぜ。功才、明日は集会なんだから勘弁してくれよ」


「うっさい、それならお前のバイクに照る照る坊主を下げといてやるよ」


「あっ、私も作ろっかな。勇牙、可愛いの作ったげるね」


「お前らそんな事したらチームの連中に笑われるじゃねか」


「勇牙、知ってるか?照る照る坊主って最初は生きてるお坊さんの首をはねたのが始まりらしいぜ?戦場の天候回復の為にな。だから歌にもあるだろ?晴れにしないと首をちょん切るぞって。ほらっ、迫力がでた」


「余計悪いわ!!事故るちゅーの」


(コウサー、メリーを放っておくと弓で撃っちゃうんだからー。…弓?私、弓なんか使った事あったっけ?)


何か大切な何か私は忘れている。



そろそろ違う作品も更新しないと

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ