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ザコ達と試練 君付けは辛かったりする

side 功才


 何もなくというかメリーと何も話せないまま昼休みを迎えてしまった。

言い訳をさせてもらえればメリーの周りには常に人だかりが出来ていたし、俺にも勇牙や隼人や結や小百合が代わる代わる話し掛けきてくれてチャンスがなかった…筈。

つうか幼馴染みにしか話し掛けられない転校生ってどうよ。


「功才、購買に案内してやるよ」


「勇牙、ありがたいけど俺は弁当持参なんだよ」


「さすがは財津家の主夫ですね。帰国、早々弁当を持参ですか」


「あれでしょ、美才ちゃんに"お兄ちゃんがお弁当作ってくれなきゃ学校に行かない"とか言われたんでしょ?」

結、大正解。

中学3年生になってもお子様でお兄ちゃんは心配になってしまう。


「姉ちゃんにも頼まれたし、2個作るも3個作るのも手間は一緒だからな」

正確に言うと俺が姉ちゃんに逆らえないってのもあるんだけどね。


「功才さん、久しぶりにおかず交換しませんか。玉子焼き入ってますよね?」


「小百合ずるい!!唐揚げは私のだからね」

本人はもてないが弁当はもてると。


「それじゃ先に屋上に行っててくれ。功才、唐揚げは残しとけよ」


「それじゃプルングさんにも声を掛けておくね。昼休みに学校を案内する約束したから。功才、プルングさんと一緒で良いでしょ?」

結、グッジョブだよ。

これでファーストコンタクトがとれる。


「向こうが良ければね。プルングさん男を避けてるみたいだし」

ちなみに隼人も拒絶されたらしい。


「大丈夫。功才は変な気持ち起こさないでしょ?」

…今の俺らは恋人じゃないから起こせないよな。


――――――――――


 不思議な光景だ、メリーと結、小百合が一緒に屋上にいる。


「プルングさん、こいつが私達の幼馴染みの財津功才。功才は見た目と違って良い奴だからよろしくね」


「財津功才っす。まあ、適度な距離でよろしくお願いするっす」

いつものメリーなら怒る言葉だけど、プルングさんはスルー。


「ザイツ君も転校生なんだよ。私こそよろしくお願いします」

ザイツ君か…覚悟はしてたけどきついな。


「功才、お弁当を早く見せて!!」


「結、はしたないわよ。でも久しぶりの功才さんのお弁当は楽しみですわ」


「ザイツ君お料理できるの?すごーい」

笑顔のメリーが逆にきつかったりする。


「プルングさん、出来るなんてレベルじゃないよ。功才は料理だけはプロなみなんだから」


「料理だけはってなんだよ。今日の弁当は梅しそご飯に玉子焼き、鳥の唐揚げ、シーチキンのサラスパ、ピーマンの味噌炒め、ミョウガの酢漬けだ」

色合いまで配慮した和洋折衷弁当、またの名を姉ちゃんと美才の残り物ミックス弁当。


「プルングさん、功才の作る玉子焼きすっごい美味しいんだよ。食べてみて」

結が玉子焼きをつまんでメリーに渡す。



side メリー


 まただ。

ザイツ君を初めて見た時に感じた違和感。

ザイツ君と夏海さんや三条さんが話をしてると感じるムカムカ。

そして玉子焼きを食べた時には美味しさ以上に嬉しさがこみ上げてきた。


「美味しいでしょ?他にも何か食べたいのない?」


「それじゃ唐揚げをもらってもいい?」


「どうせ勇牙達に食われるからいいっすよ」

何故だろう、ザイツ君がっすよと話すと寂しくなる。


「美味しい唐揚げだね。ザイツ君ってお料理上手なんだ」

きっと、私はこの唐揚げは食べた事があると思う。



side 功才


 プルングさんが食べた唐揚げは1個だけ、メリーならもっと食べてくれるんだけど。

さて、ファーストコンタクトは何とかとれた。

次の候補としては


1・君と僕は異世界で恋人同士だったんだとぶっちゃける

→痛い人が確定するよね。


2・以心伝心を試してみる

→オカルト扱いになるよね。


3・魔術を見せてみる

→手品と思われるのが関の山。


4・思い切って告白する

→振られたら俺が立ち直れない。


まさに八方塞がり。

つうかメリーの押せ押せがあったから恋人になれた訳で、俺がメリーを口説き落とす何てのは無謀でしかない。


「それじゃ学校を案内するね。プルングさん良いかな?功才、明日のお弁当よろしくね」


「結、転校生には優しくするもんじゃないのか?」

結と小百合の学校案内なら有料でも喜ぶ奴らは沢山いると思うが。


「仲が良いんですね。なんか羨ましいな」

そう言って微笑むメリー、正直へこみます。


「幼馴染みだからね。男女意識しないで馬鹿言える仲だよ。…あっ、虎馬君とルーチェちゃんだ!!相変わらず仲がいいな」

結の指差す先にはトンマとルーチェさんが仲良そうに話をしている。


「あの2人ってどんな切っ掛けで付き合ったか分かる?」


「ルーチェちゃんが押せ押せだったみたいだよ。勇牙は美星七不思議に入るって言ってたな。功才、悔しいんでしょ」

ブルータスならぬトンマお前もか。


「トンマが幸せになったのに悔しい訳ないだろ?それに不思議でもなんでもねえよ、ルーチェさんがトンマの良い所に気付いてくれただけなんだから」

でもルーチェさんの事は師匠に確認しておこう。


「あの娘、本当に嬉しそうな顔してるね。大好きな人の隣にいれて嬉しく仕方ないって感じ」

メリーがそっと呟いた、俺の隣でメリーが笑うのは何時になるんだろう。


side ハンナ


 自分がギルドに入ると馴染みの職員が依頼書を持ってきた。


「ハンネスさんこれを受けてもらえませんか?何人も失敗していてファイヤーウォーリアの異名があるハンネスが最後の頼みなんですよ」

依頼は廃鉱山にトロルが住み着き困っているから退治して欲しいと言う内容。


「トロル退治?これは自分じゃなくても大丈夫だろ?」


「それがとんでもなく強いトロルでして何人もの冒険者が怪我をしてるんです」

何故か、自分はこの依頼に強く惹きつけられていた。


「しかし、このトロルは廃鉱山で何をしてるんだ?」


「噂では廃鉱山に魔物を人間にするマジックアイテムが隠されているらしいですよ」

人間になりたいトロルか…。

今回の反応が多くて驚きました。

虎馬とルーチェさんも構想だけは出来ています

だけど6本は無理なのでどれかが終わってからですね

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