表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
174/235

ザコとお上品王国 見えてきた手口とピンチ

side 功才


 ヤ・ツーレさんにお願いしていた調査結果が届いた。


「2週間程前にレクレールからの入国者があったそうです。先に来ていたのは精霊騎士のエペイスト・グロワールと精霊神官のネメジス・リュクス。こりゃ今回の騒動もレクレールが絡んでいる可能性が高いですね」


「つまり、そいつ等が今回の騒動の黒幕なんだな。しかしよくレクレールの連中を信じたな」


「俺の国の言葉に溺れる者ワラをも掴むって言葉があるんですよ。このままエレガンスにいたらアーキ姫は顔も知らない男と結婚させられちゃいますからね」

でも今回はそのワラが曲者なんだけどね。


「顔も知らない人との結婚かぁ。メリーもコウサに出会うまでは覚悟をしてたけれど今はもう無理だよ」

日本でも婆ちゃんの友達には親が相手を決めて結婚式当日まで顔を知らなかった人が結構いたらしい。


「それにチャームを使った可能性がありますね。姫様付きのメイドに接触をはかってチャーム、姫様にもチャーム、キヨ・ワーグにもチャームを使って信用させた可能性がありますよね。後はレクレールの国民にしてあげますとか言ったんじゃないですか?」

粘土のついた紙を置いたのは姫様だと思う。

姫様ならキヨ・ワーグの事を相談したいとか言って執務室に入る事も可能だ、後はスカートの中とかに隠しておいた粘土と紙を落としておけばクレイゴーレムが侵入したと勘違いするってパターン。


「人の弱みにつけ込むか。あいつ等がやりそうな手口だな。それでザイツこの後はどうするんだ?黙って指をくわえて見てるのか?」指をくわえたガーグさん…ヤバい、想像しただけで全身に寒気が走った。


「多分、お姫様は勇者パーティーに途中までの護衛をお願いするでしょうね。エレガンス側は姫様を巻き込めないから大規模な魔術は使えないから、戦闘は勇者達とクレイゴーレムの茶番な戦闘があるくらいじゃないっすか?勇者達の戦闘スタイルを盗み見するのが一番の得策ですね」

間違っても大量のクレイゴーレムとの戦闘なんてしたくない。



――――――――――


 エレガンスはワルキュリア以外との国交が少ない為、外交より内政に力を入れてきたらしい。

そう言えば聞こえは良いが内実はプライドだけが肥大化した王侯貴族のドロドロとした権力闘争が展開されていたんだろう。

今回のキヨ・ワーグ騒動は、その肥大化したプライドを傷つけたらしい。

そして俺達は城外の草原に呼び出されていた。


「他国への魔術披露会ですか。流れ弾ならぬ流れ魔術が偶然に死者の洞窟に当たってもキヨ・ワーグとの約束は破った事にはならないと。王家は威厳回復したいでしょうしね」

新しい王様が舐められていたんじゃ後々の政に響くだろうし。


「古代竜から授かった魔石を取られたとあっちゃ王家の威信が丸潰れだからな。キヨ・ワーグをやっちまえば魔石も取り返せるって踏んだろ」

下手をしたら古代竜や上級精霊にエレガンスを潰される可能性が高いから必死でなんだろう。


アース王を先頭にしてエレガンスの貴族とワルキュリア騎士団が草原を進んでいく。


「やれやれ、あいつ等なんの警戒もしてねえな。クレイゴーレム以外の魔物が出たらどうするつもりなんだろうな」

ガーグさんの言う通りエレガンスの貴族達は軽装で鎧も剣も身に着けてないなしワルキュリアの騎士団も美々しく実戦には不向きな装備だ。


「そりゃガーグさんみたいに戦闘経験が豊富な王族なんていませんよ」

ちなみに人数制限を掛けられたらのでエルフィンから魔術披露会に参加しているのはガーグ冒険者隊のメンバーのみ、俺達はローブの下にルーンランド製の脱着可能な鎧を身に着けている。


「ガーグさん、土の臭いが強くなって来ましたよ」


「それに魔力も濃くなってら。ザイツ、俺達の得物を出してくれ…出るぞ」

ガーグさんが叫び終わるやいなや俺達を囲む様にして大量のクレイゴーレムが現れる。


「ガーグさん、イントルさん、ハンナさんで三方を警戒して下さい。メリーは弓をつがえて、セシリーさんはみんなの武器に神聖魔術を付与して下さい」

これだけ大量のクレイゴーレムの壁をどうやって突き破るか。

それを考えてい時だった。


「この程度のクレイゴーレムの群れ。水竜様の御力があれば余裕だっ。皆の者、私に魔力を預けろ!!古よりの契約にて願い奉る、偉大なる古代竜ゼーよ、その爪にて我が敵を倒し給え。ゼー・ナーゲル」

アース王の気合いの入りまくった長い詠唱が終わると巨大な水の竜が現れた。

水の竜はクレイゴーレム達を鋭い爪で次々に打ち倒していく。

前方に出現していたクレイゴーレムを倒すと水の竜は天へと帰って行った。


「ハァー、ハァー、ハァーウゲェー。み、見たか!!これがエレガンス王家の偉大なる力だ」

どうやらアース王は力を使い過ぎて息切れをしてえづいたらしい。


「ちっ、まだ魔力が消えてねえのに調子にのりやがって」

ガーグさんの言う通りクレイゴーレムの胴体に攻撃を加えても何の意味もない。


むしろ

「あのー俺の気のせい、目の錯覚ならありがたいんですけども。なんかクレイゴーレムの破片が一カ所に集合してませんか?」


そして携帯からロッキ音頭が鳴り響いた。


「あっ、功才君。言い忘れていました。大量のクレイゴーレムを中途半端に倒すと合体してジャイアントクレイゴーレムに合体する時があるから気を付け下さいね」


「師匠、遅すぎます。もう合体しちゃいました」


前には5m近いジャイアントクレイゴーレムさん、後ろには沢山のクレイゴーレムさん。

イコール俺達のピーンチ!!

次はイ・コージを更新します。

感想、3部作投票お待ちしています

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ