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ザコとお上品王国 勇者パーティー

ようやく勇者がでます

side 功才


 「やっぱり、この恥ずかしい格好をしなきゃ駄目なんですか?王位継承祝賀会前夜祭なんだからスーツでも良いんじゃないですかね」

第一、王位継承祝賀会前夜祭って必要があるのか疑問だし。

そして俺が手に持っているのは例の馬鹿王子セット、青の半袖、半ズボン、銀糸の刺繍有り、黒タイツ。


「エレガンスでは半袖、半ズボンが上流階級の証とされていますから」

これは地球も一緒で貴族の服装は労働に向かない半ズボンが正しいって時代があったらしい。

そんなイントルさんの服装は黒の半袖、半ズボン、金の刺繍有り、白タイツ。

違和感を感じさせないのがイントルマジック。


「諦めろ。エレガンスは礼儀作法にうるせえからな。これじゃなきゃ城に入れてもらえねぞ」

そんなガーグさんはリアル馬鹿王子セットで赤の半袖、半ズボン、金の刺繍に宝石付き。銀糸で編まれたタイツ。

服の色の違いとかは身分を現しているらしい。

ガーグさんの赤は王家、イントルさんの黒は上流貴族、俺の青は中ぐらい(これには事情あり)。


「お待たせー!!うわっーコウサ可愛い!!ねっ一緒に写メ撮ってエイカお義姉さんに送ろ」

シャレにならない提案してきたメリーは俺と同じ青のドレスを着ていた。

いつもメリーはズボンを履いてるけど、ドレス姿も良い!!

これは絶対に虎馬に送って自慢してやろう。

「メリー、ドレスを着た時くらいはお淑やかにしなきゃ。お城で騒ぐと自分だけじゃなくパートナーも恥をかくんだぞ」

さすがはイントルマナー教室の一番弟子のハンナさんだけあって落ち着いている。

そんなハンナさんはイントルと同じ黒のドレス。


「ハンナ昔は"ドレスなんてヒラヒラした服を着る気が知れない"言ってた癖にー」


「昔は昔だ。自分はイントルと一緒に他国の人へ挨拶をしなきゃいけないんだから」

そうメリー達が服装をパートナーに合わせたのには意味がある。

エレガンスは服装によって座れる席が決まっており呼ばれない限りは上の方に行ってはいけないらしい。


「ガーグ王子様、私はこの様な場に出るのは初めてですので色々とよろしくお願い致しますわ」

真っ赤なドレスを着て来たのはセシリーさん。

ドレスは似合っているが言葉遣いには違和感満点。

まあ、ついこの間までは世話役でもてなす側だったから仕方ないんだけども。


「心配しなくても頭を下げりゃ向こうからベチャクチ喋ってくるさ。俺達、王族は健康を見せてイントル達は外交の確認、そしてザイツは何時も通り腹黒仲間同士で策を練ってもらう」

ちなみにミッシェルさんはパートナーを決めると面倒くさくなるとの事で今回は残り。

色んな国の留守番組と交渉をするらしい。

つまり俺のお相手はヤ・ツーレ所長、ちなみに服の色は向こうが指定してきた。


―――――――――― 


 一瞬、間違えて教室か会議室に来たのかと思ってしまう。

何しろ前夜祭の会場には机が整然と並べられていた。


「コウサ、この線は何かな?」

メリーの指差す先には絵の具か何かで書かれたと思う線がある。


「あー、上の階級との境界線だよ。間違ってお偉いさんに近付かない様に気を付けて下さいってやつ」


「なんか前夜祭って言うよりお勉強するみたいだね。ねっ、コウサどこに座る?もしさ、コウサと同じ学校に通っていたら、こうして一緒に授業を受けてたかもね」

多分、そのパターンなら俺はメリーに相手にされていないかと。


「座る場所はあそこみたいだよ」

少し離れた場所でヤ・ツーレさんが手招きをしている、隣にいるグラマラスな金髪美女は奥さんだろうか。


「これはこれはザイツさんお久しぶりです。ティマー共和国の件、聞きましたよ。相変わらず見事ですね。あっ、隣にいるのが妻のヤ・リテです」

奥様からも腹黒オーラが出ている。


「俺としてはヤ・ツーレさんの情報収集の速さに脱帽するっすよ。…それを見込んでなんですけど、今夜レクレールの勇者パーティーが壇上に上がります。個別の情報を教えてもらえますか?」


「本当ですか?私も情報でしか聞いた事がないので、それは願ったり叶ったりですよ」

つまり既に個別の情報はゲットしていると。


「エレガンスの貴族がうちの王子と関わりがあったみたいで快く応じてくれたんすよ。それとレクレールのエフォール・アボーって人にも会いました」


「エフォール・アボーですか。確か重戦士でウッド・スレイヤーが加入したから勇者パーティーから外されたと聞きましたが。…新王の挨拶が始まりますよ」

だからあの時アボー君は1人でいたのか。


――――――――――


 司会者の挨拶と共に騒がしかった会場が静まり返る。

舞台に中年の男性と青年、それに多分少女だと思われる女性が登場した。


「あの右側にいる若者が新王のアース・エレガンス、左側にいるのが現王のアーク・エレガンス、後ろにいるのが王女のアーキ・エレガンスです」

美男美女の家族ってどうよ、一家に1人は俺みたいなブサメンがいないと。


「現王はまだ現役でいけそうな感じがするんすけど。もしかして院政…後ろで王を指導するパターンですかね」

見た目た目でいくと現王は40代半ば、新王は20代後半、王女は10代後半ってところ。


「多分そうでしょうね。まあ能力的にはどっちが政治をしても問題はないですから」

いくら小声でもここでそれを言える度胸は凄いと思う。

俺は冷や汗タラタラなのにヤ・ツーレさんは平然としてるし。

その後、順調に各国の代表者が祝辞を述べていった。


そして、とうとう彼奴らが現れた。

レクレール勇者パーティーが。

最初に出て来たの赤い短髪の少年。

「あれが勇者ですよ。名前はヒイロ・リュミエールです。父親はレクレールの精霊騎士団の団長だそうですよ」

多分、年はヒイロは俺とそんなに変わらないだろう。でも向こうは無邪気系イケメン、俺は邪悪系ブサメン。


次に現れたのは青い髪を結わえてる男。

「あれが精霊騎士のエぺイスト・グロワール。精霊騎士団に属してヒイロの兄貴分だそうですよ」

騎士団長の息子に兄貴分で騎士団員、これまたお約束だよな。

ちなみにクール系イケメン、俺にクールなのはメリー以外の女の子。


次に元気が良さそうなオレンジショートの美少女が現れた。

「次は精霊武術家のニア・アムール、ヒイロの幼なじみだそうですよ」

勇者と幼馴染みの女の子とはお約束が再び。

俺の幼馴染みは…やめておこう。


「あの青い髪をポニーテールにしているのは精霊魔術師アミ・グロワール。エペイストの妹でアボーの幼馴染みだそうです」

アミは兄と同じでクール系美少女。

アボー君頑張れ、君もリア充を目指すんだ。


次に出て来たのは金髪碧眼で、どこか尊大な態度の少女。

「あれは精霊神官ネメジス・リュクスです。レクレールの神官長娘だそうです」そして俺を睨み付けてきているウッド・スレイヤーの6人が勇者パーティーだとの事。

しかも見事に内輪で固めたパーティー。

さらに精霊職の大安売りときたもんだ。



これから勇者パーティーが絡んできます

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