表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
163/235

静かな時間再び そして招待状

5日まで更新できないので、なんとか書きました

side メリー


 メリーは凄い幸せ者なんだ。

隣ではコウサが穏やかな顔で寝ている。

それは私、メリー・プルングにしか見せない無警戒な顔。

ヒレタウロスを倒した後、私達はイントルさんの鼻を頼りにヒレタウロスの巣を見つけた。

ヒレタウロスの巣は大きな木の下に落ち葉を敷き詰めただけの簡素な物、その周りには人骨や動物の骨が散乱していた。

コウサはその一つ一つを拝みながらシールドボールで包み込んでいく。

ふと木を見たコウサの顔が一瞬だけ曇る。

視線の先にはヒレタウロスが角で付けたと思われる無数の傷跡があった。

私の中に剥き出しのコウサの気持ちが流れ込んできた。


(ヒレタウロスの奴、帰れない故郷を思って木に八つ当たりしてたんじゃねえのかな。他にもっと良いやり方があったんじゃねえか?)

不安、焦燥、後悔、コウサは色んな感情を抱えているけど、プラスの感情は1つもない。

でも表情には全然ださずにコウサは淡々と遺骨を回収していく。

劇や昔話に出てくる英雄は魔物を倒した後は賛辞と祝福に包まれる。

でもコウサは、それを拒否するんだよね。

今回も全部の遺骨をタイガーさんに預けてしまう。

コウサに聞いたらこう言った。

「俺は弱いから人に誉められると調子にのっちゃうんだよ。人に誉められるのを癖にしちゃって自分のした事を正当化しちゃうと思うんだ。…それをしたらザコじゃなくカスになるから」


レクレールの自称勇者達は、自分達の栄光の為に魔物を喚ぶのにね。


隣村のケティは税金が払えずに娼館に身売りをされた。

劇団の先輩エリスさんはパトロンの貴族の子供を妊娠したけど認知をされていない。

バイト先が一緒だった魔法使いのマリアは憧れの騎士様のパーティーに入れたって、喜んでいたけどハーレムの1人でしかない。

大好きな彼氏に抱かれる幸せ、大好きな彼氏を独占できる幸せ。

言葉にすれば当たり前の事なんだけど、それはとてつもなく幸せな事だと私は知っている。

私はコウサに抱きついて眠りにつく。

大好きなコウサの温かさを感じながら。


side 功才


 師匠がトンマにビルクーロの鱗を渡したらしく、たまにトンマとメールをしている。

そして今朝起きたときに、前にトンマと語り合った事を、ふと思い出した。

リア充は全てのブサメンの敵だと。

ちなみにトンマ法典によると、今の俺は一昔前のパーティーグッズ(桜○やっくん、小梅○夫とか)を着ての市中引き回しにあたるらしい。


「うん…コウサ、おはよー。目が覚めて一番最初にコウサが見れるなんてメリーは幸せ者だよね」

多分、メリー以外からは爽やかな朝を邪魔したと怒られると思う。


「おはよ。そういや今日はエルフィンに帰るんだよな」


「昨日、ヒレタウロスを倒したばっかりなのにね。そう言えば昨日タイガーさんに何をお願いしてたの?」


「次にやたらと派手な猿人族パーティーが来たら、出来るだけ丁重にもてなしてユクドナルドラシル以外の巨木に案内する様にお願いしたんだよ。下手に逆らえばレクレールの奴らはチャームを使いかねないからね」

丁重にもてなせばレクー様のご威光が通じたと勘違いするだろう。


「なんで巨木に案内させるの?そんな事をしたら彼奴らの思う壺だよ」


「リス人族はおしゃべりだからね。もし勇者パーティーが有名になったら言いたくなるんじゃないかな?勇者パーティーが拝んだのはユクドナルドラシルでも何でもない、ただの巨木だって」早い話がレクレールの勇者譚を笑い話に変える為の仕込み。


「それでガーグさんにティマー共和国との正式な国交回復を勧めたんだ。商人が噂を広めやすい様にしたんでしょ?」


商人は情報を重要視するし、勇者パーティーが有名になればユクドナルドラシルの話をリス人族から聞きたがるだろう。


―――――――――


 俺はエルフィンに帰って来て、養鶏や農地改革に取り組んでいた。

うん、やっぱり俺は冒険よりも農業の方が性にあっている。

そんなある日の事、俺達はガーグさんに呼び出しを食らっていた。


「エレガンス王国から即位パーティーへの誘いが来た。正直、あそことは金輪際関わりたくねえんだが」



エレガンス王国って、確かにガーグさんが上品王国なんてのには関わりたがらないと思う。


「ガーグさん、まだあの時の事を根に持っているんですか?あの時は私達はただの冒険者だったんですから仕方ありませんよ」


「イントルさん、ガー君はエレガンス王国で何をやらかしたんですか?」


「貴族が飼っていた魔物が逃げ出したから退治をして欲しいって依頼を受けたんですけどね。その貴族が文字通り依頼料を投げつけてきたんですよ。そして"品性の欠片もない者は落ちた金を拾う姿が似合ってますね"そんな風に言われてからガーグさんはすっかりエレガンス王国を嫌いになった様でして」


そりゃ誰でも嫌いになるよな。


データボール参照エレガンス王国

エレガンス王国は、エルフィンから離れたガルドランド島にある国です。

代々王族が統治していて、何よりも品性を大事にして礼儀作法にはうるさいんですよ。

何でも王家が強力な魔石を複数所持しているらしく、それを頼りに騎士団どころか警備隊すら持たないそうです。

確か新しい王の名前はアース・エレガンスですよ。

うん、俺にもエレガンス王国は合わないと思う。


「受けないと招待状が来たからに断る理由が必要じゃないですか。顔だけだして祝辞を述べてトンボ帰りすれば良いんじゃないですか?」



「エレガンスまでは船を使っても3週間は掛かるんだぜ。それに祝いの品も持って行くとなると金がもったいねえよ。民がせっかく納めてくれた税金を彼奴らの為にびた一文たりとも使いたくね」


待てよ、あれ使えないかな。

この間、姉ちゃんが贈ってくれた卵を入れていた透明のプラスチック容器に絵の具で染めた砂をいれたら受けるんじゃないか。

元手はただみたいな物を、そいつらが喜んだら面白い。



今回で使ってない伏線とかを消化できたらいいです。

3部作人気投票はある程度キャラがでたら行いたいです。

ザコの勇者や、イ・コージのメイ、山田さんの万知様とか




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ