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ザコと獣人の国 ヒレタウロスの悲しい叫び声

活動報告にも書きましたがザコが百万ユニークを超えました。

今ある企画を考えているので興味がある方は活動報告を見て下さい。

side 功才


 おもてなしは、国や地方で様々なんだと思った。

会議を終えた俺達は、その足でリス人族の国ナッツランドに移動。

ナッツランドの建物は全てがツリーハウス。

タイガーさん曰わく

「べ、別に野犬とかが怖いんじゃないんだからな」


そして宿屋で出された食事は山盛りのクルミにアーモンド、カシューナッツにピスタチオ等。


「えーと、これはナッツの盛り合わせっすか?しかもアーモンド以外は殻付きのままっすよね?」

強面のタイガーさんがいてこんな物を出されると、ぼったくりバーに思えてしまう。


「か、勘違いするなよ。お前達が依頼を受けてくれたのが嬉しくて、みんなで取って来たんじゃないからな」


俺としてはツンデレのリスおじさんも山盛りナッツも勘違いであって欲しいんだけども。


「コウサー、一緒に狩りに行こうよー。メリーはコウサのお肉料理が食べたいなー」

ちなみにメリーは俺が作る料理が好きらしく、最近良くねだってくる。


「確かにナッツ類だけじゃ腹の足しにならないからな。タイガーさん、リスークさん近場で狩猟して良い場所はあるっすか?…リスークさん?」

何故かリスークさんの顔が真っ青になっていた。


「ザイツ様達は森のお友達を殺して食べちゃうんですか?うさぎのピョン吉君や羊のウールちゃんや鳩のヨカード君を矢で血塗れにしちゃうんですか?ひどいっ」


リス人族はリスから進化しただけに肉は食わないんだろうか。

でもなんで鳩だけ、その名前?


「あー、俺達は疲れたんで部屋に戻るっすよ」


俺達が背を向けた瞬間、タイガーさんとリスークさんが一斉に山盛りナッツを前歯でカリカリし始めた。

…タイガーさんその顔でナッツを両手持ちにするのは止めて欲しいな。


――――――――――


 こんな時に頼りになるのが時空リュック。

俺は取り出した野菜やシーチキンを挟めてサンドイッチを作っていく。


「コウサ、メリーはシーチキンサンドが食べたいなー」

メリーは俺だけが知っている味があるのが嫌らしく日本製の食品を食べたがる。


「分かったよ。他にリクエストはあります?揚げ物は無理ですけど真空パックのローストチキンはありますから。あっ、セシリーさんはマスタード抜きですよね」


エルフのセシリーさんにマスタードの刺激は強いらしい。


「ありがと。今日はイチゴジャムとチョコレートをお願いしていいかな」


「ザイツ、俺には厚切りのハムを頼む。…それで、ザイツどうやってヒレタウロスを探すんだ?」

肉食エルフのガーグさんがハムサンドを頬張りながら質問をしてきた。


「とりあえず最近ヒレタウロスが出没した場所に行ってみます。ヒレタウロス程の巨体なら足跡が残っていると思うんですよ。…はいっ、ハンナさんリクエストのアボガドマヨサンド」

ハンナさんはキコリだけに森のバター、アボガドがお気に入り。


「コウサ、サンキュー。でもヒレタウロスも生きているから移動してるんじゃないのか」


「いや、ヒレタウロスの出没ポイントは範囲が限られてるから巣を作ってると思うんだ。…はい、イントルさんリクエストのフルーツサンドです」

森育ちのイントルさんにとって数種類の果物を使ったフルーツサンドはご馳走だそうだ。

フルーツサンドが好きなトロルには違和感を感じるけど、それがイントルさんだと優雅に思えてしまう、まさにイントルマジック。


「ザイツ殿ありがとうございます。後は頼んだ物がいつ来るかですね」


「ええ、タイガーさんに確認したらヒレタウロスは雄みたいですから予定通りやりますよ。…俺はメリーが作ったサンドイッチが食べたいな」

オーディヌスに来て初めて知ったんだよな。

大好きな彼女が作ってくれる料理は激ウマだと。


―――――――――


 大型の羊車が荷物を積んでナッツランドに来たのは次の日だった。

御者で来たのはドーベルマンやくざ犬人族の人、名前はイヌボ・カールタさん。


「それじゃカールタさん、ヒレタウロスの臭いを追って下さい」


「ああん!なんで俺がそんな真似をしなきゃいけねえんだよ?」

怖いのを隠す為か凄んでくるカールタさん。

それならこっちはヤクザ親分を召還してやる。


「ガーグ王子、お願いします」


「ザイツ、普通は王子にこんな真似させねえぞ。…おい、ワンコロ!!四の五の言わねえで追え。ごちゃごちゃぬかしたら尻尾を千切るぞ」

うん、やっぱり本職は迫力が違うよね。

迫力に負けて泣きべそをかきながら羊車を運転するカールタさん。


2時間ぐらい時間が経った頃だろうかカールタさんが震える声で話し掛けてきた。


「あ、あのヒレタウロスの臭いが近づいて来ました。そろそろ羊車を止めてもいいでしょうか?」


「ああん!!ちゃんと見える所まで行きやがれ」

ガーグさんがミスリル鉈を抜きながら叫ぶ。


30分ぐらいたっただろうか。

草原に不自然な大きさの黒い影が現れた。


「それじゃ行きますか。イントルさん鎖をお願いします」

俺は時空リュックから姉ちゃんからもらったスタンガンを取り出す。


まずは

「メリー、ヒレタウロスに向かってロケットアローをお願い」


「うん、任せて」


ヒレタウロスはロケットアローの爆竹音で俺達の存在に気付いてくれた。

ヒレタウロスはポールアックスを高々と掲げて突っ込んでくる。

続いて、ポールアックスに


「グラビティソード」


ヒレタウロスはポールアックスが、いきなり重くなった為にポールアックスを下段に構える。


「イントルさん、ポールアックスに向かって鎖を投げて下さい」


「はい、任せて下さい。それっ」


ヒレタウロスはイントルさんが投げた鎖を防ぐ為にポールアックスで受け止める。

その鎖にスタンガンをオン。

鎖は金属だけに電撃がヒレタウロスを直撃する。

たまらず倒れ込むヒレタウロス。


「それじゃヒレタウロスが気絶してる間に四肢を鎖で拘束。それが終わったら鼻輪をつけます。鼻輪にも鎖を付けて下さいね」

牛の鼻には痛覚がたっぷりあるらしい、だから牧場とかでは鼻輪をつけて誘導しやすくするんだそうだ。

幸いな事にヒレタウロスは鼻輪を付けてる間も気絶したまんまだった。


「それじゃ爺ちゃんから貰った先祖伝来の鎧通しでヒレタウロスを去勢します。ガーグさん終わったらヒレタウロスにヒールをお願いします」

気の荒い雄牛でも去勢、タマを取られてしまうと別牛の様に大人しくなってしまうそうだ。

その日、最悪のタイミングで目を覚ましたヒレタウロスの悲痛な叫びが草原に響いた。


「それじゃ羊車にヒレタウロスを乗せまよ。鎖はギリギリまで引っ張って動けない様に固定をして下さいね。カールタさんはヒレタウロスをは牛人族の国に連れいて行って下さい」


鼻輪を持つガーグさんに引きずられる様にして羊車に乗り込むヒレタウロス。

見た目だけじゃどっちが悪者なのか分からない。


「コウサ、ヒレタウロスを牛人族の国に連れて行ってどうするの?」


「牛人族の神殿に預かってもらうのさ。そんに大切ならヒレタウロス様なら神殿で面倒を見て下さいって事。支配魔法を掛けてヒレタウロスを信仰の対象として見せ物にするのも手に余して病死扱いで始末するのもお任せしますよってやつ」


俺が言われたのはヒレタウロスを殺させずに被害をなくす事なんだから、これが一番。



side メリー


 「それじゃ今からナッツランドに戻るの?」


「その前にイントルさんヒレタウロスの巣を探せますか?リスークさんの弟さんの遺品を探してあげたいんですよ」


これだ、これがメリーの自慢の彼氏。

あんな酷い事を言った馬鹿リスへの優しい気遣いも忘れない。


「へっへーん。コウサの良さを見抜けなかった馬鹿リスは絶対に後悔するよ」


気付いたら所でコウサを他人に渡す気なんてないんだけどね。


最終章にいくべきかもう少し引っ張るか悩んでます

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