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ザコと獣人の国 メリーVSリス娘

久しぶに更新

side 功才


 交渉の場で空気を読む事が大切だと思う。

ヒレタウロスの事を聞こうとしたら、プー男爵がこう切り出してきた。


「その前にティマー共和国各部族が誇る名物をお楽しみ下さい。運ぶのは各部族を代表する美女です」


輸出拡大の為のプレゼン合戦か、それとも報酬を現物支給に繋げたいって所か。


「まずは人魚族と亀人族から干し魚です」


…一夜干しを期待した俺が馬鹿でした。

出て来たのは水分ゼロの干物、それに。


(コウサ、干し魚を持って来てくれたの女の人だよね?)

(服を見ればそうだと思うけど顔だけじゃ区別がつかないよな)


ましてや俺にイルカや亀の美人の区別がつく訳がない。

亀とイルカからは塩・干物(薫製や一夜干しの技術を提供)・昆布・貝殻とかを輸入するか。

トカゲ人族から出された食虫料理をスルー、ちなみにトカゲ人族も男女の区別が困難だった。


「続きましてはリス人族から果実酒です」


リス人族の少女は小柄でショートカットの美少女、メリーがいなかったら萌えていただろう。


(コウサ、なんかリス人族の娘顔色が悪くない?)

(緊張してるんじゃないの?)


リス人族の娘は俺、イントルさん、ガーグさんの顔を見たと思ったら

「嫌だ、無理…」

そう言って倒れてしまった。


ティマー共和国の方々に言いたい。

交渉相手の顔を見て気絶したら駄目でしょ。



side メリー


 メリーとコウサを繋ぐ新しい絆・以心伝心、何時でもどこでもコウサとお話しが出来る上に声を出せない時には凄く重宝するんだよね。


「セシリーさん、部屋を変えてヒールを掛けて下さい。…さて交渉を再開するっすよ」


コウサは倒れたリス人族の娘を一瞥すると表情を変えずにティマー共和国側に視線を向けた。


(コウサは一緒に来ないの?)

(多分、俺が行かない方が安心だと思うよ。メリー、何かあったら連絡をよろしく。…それと何があっても怒らないでね)


私はセシリー姐さんとハンナと一緒に倒れたリス人族の娘を別室に連れて移動する。

セシリー姐さんがヒールを掛けるとリス人族の娘の顔色は見る見るうちに良くなっていく。

「ここは…私、倒れちゃったんですね」


「ヒールを掛けといたからもう大丈夫だと思うけど、どこか具合が悪いと所ない?」


セシリー姐さんの問い掛けにリス人族の娘は意外な言葉を返してきた。


「もう大丈夫です。…皆様はあの人達が怖くないんですか?私、あんな怖い顔初めて見ました」


「こ、怖い顔って牛人族やトカゲ人族の人達の事かな?それとも禿頭の髭面野郎の事かしら?」


努めて穏やかに話すセシリー姐さんの額には青筋がくっきりと浮かんでいた。

確かにガーグさんを初めて見たら怖いと思うのは分かる。

「その人だけじゃなく魔物もいたんですよ」


「魔物?魔物ってイントルの事か?!」

ハンナ…怒りを隠せてないよ。


「それに小狡そうな男がいました。人を平気で騙しそうな顔をしていたんです。きっとヒールを掛けた事を恩に着せて私の体を自由にするつもりなんですよ」


…えっと、この娘は何を言ってるのかな!?


「つまり貴女はガーグさんやイントルさんを見て気絶したの?」

コウサに怒るなって言われたから、まだ我慢。


「だって私タイガーさんからエルフィンから来た男達の側室になる様に言われたんです。怖い顔には慣れますけど卑怯な人には慣れたくありません」


(コウサ、報告ー。リス人族の娘はタイガー・リースさんからコウサ達の側室になる様に命じれたんだってさ。このリス撃っていいかな?)

(ストッープ、メリー、ストッープ。とりあえずその娘を落ち着かせて。俺も話を聞きたいから。まずは俺達に恋人がいる事を伝えて)


「先に言っとくね。…一昨日やがれ!ガーグさんにはセシリー姐さん、イントルさんにはハンナ、そしてコウサには私っていう将来を誓いあった恋人がいるの!!それにね怖い人を見ただけで気絶する様なヤワな女はコウサに着いて行くのは無理なんだからねっ!!」


「貴女は王位継承者の横に立つプレッシャーに耐えれるの?ガーグ様に愛されたいならガーグ様と同じ位にエルフィンを愛せなきゃ無理なんだからね」


「貴女じゃイントルの相手は務まらないよ。イントルはエルフィンの外務大臣だし詩人としても有名なんだ。その側室が客人に失礼な態度をとる事はイントルの顔を潰すのと一緒なんだよっ!!」


メリー達には異世界、寿命、種族っていう大きな壁を乗り越えて惚れた男に着いて来たって言う自負がある。

半端な覚悟じゃメリー達の間には入れないんだからねっ!!



side コウサ


 俺達の顔を見て倒れたリス人族の娘の名前はマキ・リスークと言うらしい。

名は体を表すじゃないけど、リスク・危険に巻き込まれると。

リスークさんは既に危険な目に合ったのか体を震わせている。


「何でリースクさんは、タイガーさんの命令に従ったんすか?」


「コウサ、お金や地位が目当てじゃないの?」


「そんな人なら気絶はしないよ。例えば俺達に体を預ければ確実にヒレタウロスを倒してくれるとか言われたんじゃないっすか?」


可能性としては借金があるか、ヒレタウロスを大切な人を殺されたとかだろう。


「弟のクンシーがヒレタウロスに殺されたんです。リス騎士団に訴えても無理でした。そうしたらタイガーさんがエルフィンの男のならヒレタウロスを倒す事が出来るって言ったんです。クンシーの仇を取れなる小狡そうな不細工にも抱かれる覚悟でした。…でも私には無理でした」


うん、悲劇だよね。

でも本人を目の前にして言う。



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