ザコとメリーさんと羊
依頼料に関する指摘があり改訂しました。
興味のある方は活動報告で確認して下さい。
そして何とザコが日刊ランキング2位となりました。
正直驚きと感謝が隠せません。
side 功才
「コウサ、ゴブリンって安いね。一匹2千デュクセンだよ」
「仕方ないっすよ。ゴブリンは繁殖力が強いから巣を殲滅させるのが基本なんすよ。精霊魔法や集団魔法で1回で倒すのが基本みたいっすよ。冒険者より宮廷魔術師が担当してるみたいっすね」
冒険者が担当する場合は、ギルドから直接依頼される事が多いらしい。
「ふーん。ところでコウサはジャイアントシープを倒す方法を思いついたの?」
「メリーの協力が必要っすけどね。…後ミントの協力も」
「コウサ君、メリーと仲良くなってから僕の扱いが酷すぎないかい?僕は今回の依頼はパスさせてもらうからね」
「今回の依頼がうまくいったら、メリーがあの劇のチケットを手に入れてくれるそうっすよ」
ミントが見たがっていた、貴族と女騎士の恋愛劇は人気の為、今だにチケットが手に入っていない。
「メリー、君は何て素晴らしい女性なんだ。さぁコウサ君、指示をだすんだ」
「先ずは矢を買いに行くっすよ。できるだけごついヤツが欲しいっすね」
それで清水の舞台から、飛び降りる覚悟で買いました。
鉄の矢お値段10万デュクセン。
当然、一本のお値段。
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ジャイアントシープを見つけた。
ただいまお食事中らしい。
草原に4mの羊がいるんだから、遠くからでも目立ちまくる。
しかもめっちゃ低い声で鳴いていた。
ええ声芸人ならぬええ声羊。
通訳すると
「不器用ですから」
とかに、なりそうなぐらい渋く威圧感がある。
「コウサ君、言われた通りに木の柵を設置してきたけど、あんなでかい羊に効果があるのかい?」
「細工は流々、仕上げをご覧じろってね」
「コウサ、弓の練習もバッチリだよ」
「さすがは猟師の娘。それじゃジャイアントシープ退治に行くっすよ」
先ずは
「ミント、ボムをお願いするっす。できたらジャイアントシープの顔辺りで」
「わかったよコウサ君。大気と火のマナよ。力を合わせて敵を弾け飛ばせ。ボム」
食事の邪魔をされて、ご機嫌ななめとなったジャイアントシープが地鳴りをあげて突撃してくる。
だから
「プチパラライズ」
でもジャイアントシープの勢いは止まらない。
それは予想済み
「グラビティソード」
狙うのはジャイアントシープの角。
足が痺れている上に角を重くされたジャイアントシープがつんのめる。
「メリー頼むっす」
メリーが射るのは、予めライトウェポンをかけておいた鉄の矢。
突っ込んできたカウンター効果もあり、鉄の矢は見事にジャイアントシープの額に突き刺さった。
でも、まだ終われない。
ミントが設置した木の柵に向かって
「シールドボール」ジャイアントシープは、ズゴンッと、でかい音をたててようやく止まった。
「コウサす、凄いよ。本当に私達だけでジャイアントシープを倒しちゃった」
「どんなにでかい生き物でも額を貫かれた終わりっすよ。あっミントちょっと剣を貸して欲しいっす」
俺はジャイアントシープの額から、貴重な鉄の矢を引き抜いて、代わりにミントの剣を刺した。
「ちょっ、コウサ君、何をするんだい?ジャイアントシープはもう死んでるだろ?」
「こうしておけば、ギルド職員が傷痕を見た時にミントの剣で倒されたって思ってくれるんすよ」
「コウサ君、発想が殺人犯だよ」
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俺とメリーは並んで、ミントが見たがっていた劇を見ている。
ちなみにミントは俺達より前の席にいた。
「この劇はね、200年ぐらい前に実在した人がモデルになってるんだって。名前はローズ・ブロッサム」
「ブロッサム?それじゃミントの?」
「うん、ご先祖様。ローズ・ブロッサムは活躍をして本当に貴族のお嫁さんさんになったんだよ。それからブロッサム家では女の子が生まれると花の名前をつける様になったんだって」
「だからミントの奴、必要以上に騎士ぶっていたのか」
大して強くない癖に無理をしてたんだろう。
「コウサと一緒だね。自分を偽る為に言葉まで変えて」
「違うよ。俺のは自己保身の為さ。ミントは周りの期待に応えようと必死だったんだろ」
「ミントもさ、この劇みたいにハッピーエンドになれたら良いね」
「なれるさ。多分シャイン様はミントに本当の強さを知って欲しくて俺に動向させたんだろうし」
後は、シャイン様の周りも納得するぐらいにミントの評価をあげてみせる。
幕間で、功才がいなくってた周囲の反応とかも書いてみたいです。
指摘、感想お待ちしております。
今の目標は、二次で書いた曹仁伝を越す事です。