ザコと獣人の国 パーソナルカードの進化
天邪狐ポチさんからリクエストがあったパーソナルカードを絡めました
side 功才
そう来たか…。
ティマー共和国に馬車で行くのは、まずいのて使者に便乗して行く事になった。
「こちらがティマー共和国自慢の羊車です」
馬の代わりは羊、正確に言うとジャイアントシープが牽いていた。
俺達はプー男爵が使っていた羊車に乗り、プー男爵は他の犬人族と一緒の羊車に移るらしい。
「しかし、よくジャイアントシープを手懐けましたね」
「手懐けたんじゃねえよ。彼奴ら、ヘルシャフトを掛けてやがる」
データボール参照 ヘルシャフト
ヘルシャフト、そのまんま支配と言う意味です。
自分以外の生き物を支配下に置き意のままに操る魔術なんですよ。
操れるのは動物や獣系の魔物ぐらいですね。
…随分とヘビーな術が来たな。
「ヘルシャフトが禁止されていないのはティマー共和国ぐらいですからね。もっともティマー共和国ではハーモニーと呼ばれているそうですが」
ハーモニー、調和か。
獣を自分達と調和させるってか、随分と上から目線だね。
「牛や馬は駄目でも羊は良いんですか?」
「ティマー共和国では8部族の元になった獣は精霊に選ばれた獣、始祖獣と呼ばれて信仰の対象にされているそうです。自分達は精霊に選ばれて進化した、だから他の獣を支配する義務があると考えてるそうですよ」
選民思考ならぬ選獣思考かよ。
「進化は精霊のお陰ですか。まっ神話とかは支配者が都合良くいじりますからね」
虎じゃなく猫、狼じゃなく犬、それにリスや馬、8部族の殆どの始祖は強い戦闘力を持たない生き物だ。
選ばれたから進化したんじゃなく弱いから生き残る為に進化したんだと思うんだけどね。
だって虎なんて進化しなくても生き残れるんだから。
そういやオーディヌスで神話はあまり聞いた事がないよな。
――――――――――
それはティマー共和国の国境での言葉。
「すいませんが、獣人以外の部族の方は入国前にパーソナルカードをチェックさせてもらえますか?」
かしこまった様子でプー男爵が頭を下げてくる。
今まではガーグさんの顔パスでチェックをしていなかったから、パーソナルカードのチェックは久しぶり。
そしてこのタイミングで鳴りましたプチロッキ君音頭。
「師匠、何か嫌な予感しかしないんすけど」
「コウサ君、みなさんのパーソナルカードをほんの少し弄っておきましたまから。でもちゃんと効果もあるんですよ」
嫌な予感が的中。
気を取り直して、まずはガーグさん
名前
ガーグ・エルフィンローズ
種族
インプラスエルフ
年齢
24
身分
王族
職種
エルフィン聖王国第1王子・荒くれ戦士・尻に敷かれし者
荒くれだけど尻に敷かれし者、まさにガーグさん。
師匠が弄ったのはここだよな。
そしてセシリーさん
名前
セシリー・エルレイン
種族
エルフ
年齢
23
身分
一般市民
職種
王子世話役・ヒーラー・エルフィン聖王国第1王子婚約者・荒くれ者を尻に敷くエルフ
「おい、ザイツ。これはなんだよ?誰が尻に敷かれし者だ!!」
「そうよ。毎晩、組み敷かれてるのは私なんだから。正確には荒くれ者に組み敷かれ…」「セシリー、まだ昼だ。つうか止めて下さい、お願いします」
正に尻に敷かれし者と敷く者。
ちなみに効果はチャーム無効・威厳範囲拡大・精霊魔力強化
師匠、外させない為に大盤振る舞い。
次にイントルさん
名前
イントル
種族
チートトロル
年齢
24
身分
一般市民
職種
エルフィン聖王国外務大臣・格闘家・詩人・音楽家・・学者・画家・オーディヌスの頭脳
続いてハンナさん
名前
ハンナ・ハンネス
種族
人間・猿人族
年齢
15
身分
一般市民
職種
斧戦士・見習い学者・頭脳を支えし者
「チートトロルですか。職種を見れば納得ですけどね」
「支えし者か…。自分、イントルを支えれているんだ」
オーディヌスの頭脳・支えし者効果
チャーム無効・コンビネーション技発動可能
次はメリー
名前
メリー・プルング
種族
人間・猿人族
年齢
15
身分
一般市民
職種
アーチャー・レンジャー・ザコハンター・ザコを捕らえし者
最後に俺
名前
コウサ・ザイツ
種族
人間・猿人族
年齢
16
身分
一般市民
職種
小技師(匠レベル)・トリックスター(弟子)・恋人に繋がれし者
「コウサ、小技師が匠にまであがったね。それに捕らえし者に繋がれし者なんてロッキさん分かってるー」
「俺って、小技師から上がってないのね。繋がれし者か、効果を知りたい様な知りたくない様な」
捕らえし者、繋がれし者効果
チャーム無効・浮気防止・嘘無効・以心伝心・召還対象(結婚により強化可能)
うん、見事なまでの縛れっぷり。
「ザイツ、お前の師匠に礼を言わないとな。チャーム無効ってのはレクレール対策だろ?」
「きっとそうですね。あの師匠なら朝飯前でしょうから?」
(メリーにチャームを掛けられたら逃げるしか出来ないしな。…チャームが掛かったメリーの隣にウッド・スレイヤーがいたら俺は耐える自信がないと思う。いや、それ以前にメリーの支えがなくなると思うだけでも怖いんだよな)
(うわっ!!本当にコウサの心の声が聞こえた。本当に以心伝心なんだね!!もう、コウサったら。メリーとコウサは赤い鎖で繋がってるんだから心配しなくて大丈夫)
(ちょっ、マジに伝わってるの?糸じゃなく鎖なんだね)
(うん、ばっちり。これで犬耳なんて恐れるに足らず!!メリーとコウサのミスリルチェーンは誰にも断ち切れないんだよっ)
その後、試してみたら、相手に伝えたい時、相手を強く思った時、強い感情は伝わるらしい。
逆に瞬間的な感情や感想は伝わらないみたい。
まあ、相手の感情が一々伝わって来たら疲れるだけだし。
トリックスター、神話に出て来る悪戯好きな存在を差す言葉。
有名なのは北欧神話に出て来るあのお方。
師匠の正体を功才が知るのはもう少し、してから