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ザコと獣人の国 ティマーはクレーマー?

携帯が復帰したから早速書きました



side 功才


 ウッド・スレイヤーからの襲撃はあの1回で終わり、ジュンゲル村での挨拶と話し合いはなんとか順調に終了した。


「メリー、ここから一番近い海までは、どれ位の時間が掛かるか分かる?」


今まで俺達が動いていたのは内陸部のみ。

この文明レベルだと船なんて帆船だろうから危険度が高いと思って避けていたんだよな。


「うーん、メリーも海は見た事がないから分からないよ。お父さんは見た事あるんでしょ?」


メリーのお父さん、ボーゲン.プルングさんは現役の猟師。

若い頃は稼げる獲物を追って様々な森に行ったらしい。


「そうだな。近くて徒歩で2日、馬車なら半日もあれば着けると思うが、コウサは肉より魚派なのか?」


メリーパパがちょいと不機嫌に。

確かに俺は日本人だから魚は好きだけれど、猟師をしている恋人のお父さんに、それをそのまま言うほど馬鹿じゃない。


「欲しいのは貝なんですよ。正確に言うと貝殻なんですけどね。こっちでどんな貝殻が採れるか知りたくて」


「コウサ、貝殻なんて何に使うの?飾りを作って売るつもり?」


「砕いて畑に撒けば土壌を良くできるし、美才がくれた鶏の餌にも混ぜたいんだよ。本当ならエルフィンでまかなえれば良いんだけどエルフィンは、海に面してないだろ。デュクセンとの交易の1つにするつもりなんだ」


ちなみに鶏糞は既に畑に混ぜている。

そう、俺が考えているのはエルフィンの食料事情の改善。

安定した食料自給、そして出来たら輸出まで持って行きたい。


「貝殻か。デュクセンも港町は少ないからかえってティーマ共和国に行ってみたらどうだい?…メ、メリー、お父さんを睨んでどうしたんだ?」


「お父さん、よくも余計な事言ってくれたわね」


なんだろう、メリーから凄まじい怒りオーラが出ている。


データボール参照ティーマ共和国

猿人系以外の人族が暮らしている国ですよ。

犬人族、猫人族、人魚族、トカゲ人族、牛人族、馬人族、リス人族、亀人族による共和国なんですよ。

功才君、いよいよ犬耳パラダイスですね。犬耳娘とメリーさんの三角関係。

功才君、私以外とドロドロな展開も好きなんですよ。


メリー、まだ犬耳を警戒してたんだ。

でも確かに魚や亀がいるなら海はあるよな。

つうか馬、リス、亀って。


「初めて聞いた国ですね。今まで話題にも出なかった気がするですけど」


「あの国は自分の祖先たる動物を崇めているからね。どうしても俺達猿人族と距離が出来るのさ。だから犬人族や猫人族は猿人族の国にもいるけれど馬人族や牛人族はティマーから出たがらないみたいだね」


つまり行くとしても馬車は避けた方が良いと、つうか猿人族は入国が出来るんだろうか。


「行くとしたらガーグさんに確認してからですね。接触したいのは魚人族か亀人族だけですし」


犬人族にもう興味はないと、さりげなくメリーにアピール。


「その方が良いかも知れないな。あの国は色々と面倒だし」


確かに猟師からしたら付き合いづらい国だろうけれど、同盟は結んでおきたい。


―――――――――


とりあえずガーグ冒険者隊+シャルレーゼ様とミッシェルさんで話し合いをする事にした。

ちなみに場所はプルング邸、メリーパパは猟に出たしメリーママは畑に行っている。



「ガーグさん、ティマー共和国とは接触をしないんですか?」


「あの国は付き合い辛いんだよ。前も同盟の話はあったけど条件が面倒で流れたんだとよ」


「条件ですか?」


国同士の条件と言えば食糧、人材、金とかだろうか。


「前の時に出された条件は牛と馬を家畜から解放する事じゃったの。全く自分達は羊や豚を飼育しとる癖に」


自分達と関係ない動物は気にしないと。

しかし確かに面倒くさいな、下手すりゃ動物の処遇改善とか言い出しそうだし。


「あそこの国は各部族による共和制ですけど普段はバラバラでも外からの刺激には一枚岩になるんですよ。だからどの国からも相手にされていなんですけどね」

つまり南エルフと同じで鎖国に近い状態なんだろうな。


「国としては豊かなんですか?鉱物資源とかは豊富なんですかね?」


「さあな、エルフィンは犬人族の町と猫人族の町と交易をしているが、あっちから出て来るのは干し魚や農産物ぐらいだからな。肉食が好きなドワーフを入国禁止にしているから採掘が出来ねのかもな」


干し魚って、魚人族は魚の種類が違えば良いのか?


「それなら貝殻の輸入は諦めた方が得策ですね。ヘイムランドとの関係にヒビをいれてまで手に入れる必要も無いですし」


堆肥とか石灰とかを導入していくか。



―――――――――


 あの狂想曲のような慌ただしい挨拶も一段落したので各自帰国する事になった。

イントルさんとハンナさんはルーンランドの人達と挨拶を交わしている。


「コウサ君、君に良い知らせだ。ジュンゲル村はマクスウェル家の領地になったよ、これリフ・ジーンはジュンゲル村に手出だしを出来ない。安心したまえ」


ミントがどや顔で話し掛けてきた。


「それは助かるっすよ。シャイン様にくれぐれもよろしく言っといて欲しいっす」


飛び地の経営なんて労力の割に利益は少ないのに。


「シャインからの伝言だよ。"大切な友人の婚約祝いだ。それにジュンゲル村は色んな意味で重要になるからな私が管理する"…コウサ君、なんで重要なんだい?」


「まずはメリーとハンナの家族がいるからっすね。それにウッド・スレイヤーの家族もいるっすから」

リフ・ジーンに領主権を持たせるのは得策じゃないよな。


「コウサ、ジュンゲルは君の故郷と思ってくれ。それとメリーを頼む」


メリーパパが穏やかな笑顔で言ってくれた。


「コウサ君には本当に感謝してるのよ。メリーの結婚を楽しみにする日が来るなんて思わなかったわ」


メリーママが優しく微笑んでくれる。

俺は異世界に来て恋人と仲間、そして故郷を得る事が出来た。

ザコをもう少し延ばすか迷い中 です

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