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ザコと姉妹 誰にでも身内には言えない事がある

久しぶりの更新です

side 功才


「さて、それでは先ずデュクセン皇国に行きますね。デュクセンで功才君は何をしたんでしたっけ?」


師匠が分かり切った事を聞いてくる。

オーガ1匹で、あのお説教と涙だったんだ。

お姉様のお説教と美才の涙は危険に比例して増えていくと思う。

だからこれ悪い嘘じゃない。

大切な姉妹に心配を掛けない為の優しい嘘なんだ。


「みんなと仲良く旅をしながら、困った人に知恵を貸したり悪い人を懲らしめるお手伝いをした位っすよ」


しかも内容をボヤかしてるから完璧な嘘じゃないし。

きっとこの優しい嘘は数年したらオーディヌスの道徳の教科書に載ると思う。


「功才、メリーちゃんに貴方が嘘を付く時の癖を教えたのは誰なのか忘れてない?…内容によっては思いっきり本気で蹴るわよ」


不適に微笑みむお姉様。


「今のも嘘なの?お兄ちゃんまた美才に嘘をついたの?」


すでに目が潤んでる美才。


「嘘かどうかはこれから旅をしていけば分かりますよ、ねっ功才君」


本当に楽しそうに笑いながら師匠が指を弾く。

転移の光に包まれて着いた先は小高い丘の上だった。


「さて着きました。あそこにいるのが功才君が1人で倒したオークさんです。力の強さはプロレスラーを軽く上回る猪の魔物さんなんですよ。それでは功才君、説明をお願いします」


お姉様が俺の襟首をガッシリと捕まえる。

美才はひきつった笑顔で俺と腕を組む。


「説明って言われましても何匹かのオークさんが畑を荒らしていたから平和的なお話し合いを経てから倒した訳でして。あっでもオークを倒したお陰で初めてオーディヌスに友人が出来たんですよ」


名前はミント・ブロッサム。

彼女と知り合えたからメリーにも出会えたし沢山の人と出会えた。


「そうですよね、それでは今日のゲストお1人目はミント・ブロッサムさんです!!」


師匠がまた指を弾くと光が溢れ出して残念魔術騎士が姿を現した。


「これが転移魔術なんだね…功才君、君って奴はメリーを裏切って違う女の子に手を出したのかい?鼻の下を伸ばしてみっともない」


「ミント、転移魔術に驚いていないって事は師匠から説明を受けた筈っすよね。どこに実の姉妹相手に鼻の下を伸ばす奴がいるんすか?」


むしろ寿命が縮まりそうな思いをしてるのに。


「コウサ君の姉妹が来ているから、コウサ君の大活躍を伝えて欲しいって言われたよ。ところで君の姉妹はどこにいるんだい?」


ちきしょう、この流れでも分からないのか。


「俺の首根っこを抑えているのが姉の財津栄華、腕を組んでるのは妹の美才っすよ」


「初めまして財津栄華です。うちの馬鹿が何かご迷惑をお掛けしませんでしたか?」


「いえ、功才君には驚かされてばっかりでしたよ。ジャアントシープやゾンビスラッグを倒すし、憎きドンゲル伯爵親子を罠にはめてくれたし感謝に絶えませんよ」


ミントめ、どや顔で説明しやがって。

俺が姉ちゃん達のプレッシャーに耐えられないっての。


「功才ー、お姉ちゃんに詳しーく説明してくれるかなー?」


お姉様お美しい額に青筋がでていますよー。


「まずは論より証拠、ジャイアントシープとゾンビスラッグを見てからにして下さい」


師匠、勘弁して下さい。

ジャイアントシープは牛より少しだけ大きい羊、ゾンビスラッグはネズミより若干大きいナメクジだって説明をしているんですから。


…やべぇ、カオスな展開になっている。

喚ばれたジャイアントシープ(4m)がオーク(2m)に低音ボイスで体当たりをかます。

大型トラック並みの衝撃にオーク即死、オークの死体をゾンビスラッグ(3m)が包み込む。


「功才、お姉ちゃんが言いたい事分かるわよね?」


俺の襟首を掴んでいる姉ちゃんの手が震えている。



「いやー何でしょうね?ほら俺鈍感だから」


「お兄ちゃん、怪我とかしなかったの?なんであんなのと闘ったの?」


美才の瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちている。


「お仕事と言うか何と言うか…勢いかな?」


「それで功才、ドンゲル伯爵親子ってのは誰なのかしら?」


ドンゲル伯爵親子はジュエルバタフライを俺から強奪しようとしたり、トム君から彼女を強奪したろくでなし貴族。

魔物以上にやばかったお相手なんだよな。


「お姉さんはドンゲル達にもご興味があるんですか?それなら本日2人目のゲストはこの方です」


師匠の指の音が俺の胃に響いてくる。

次に光の中から出て来たのはシャイン様だった。


「こちらにいるのがシャイン・マクスウェル伯爵様。デュクセン皇帝の側近で凄く偉い人なんだよ」


こうなればシャイン様には早く挨拶を済ませてもらって帰ってもらうんだ。


「ザイツお前も今やガーグ王子の側近であろう。ミント、ザイツと一緒にいるのがザイツの姉妹なのか?」

「はいそうです。でもシャインは良く分かったね。僕は似てないから全然分かりませんでした」


おーいミント2人っきりの時の言葉と公共の時の言葉がごちゃ混ぜになってるぞー。


「あのザイツが大人しく捕まっている女性はプルングさんか身内しかいないだろ?」


シャイン様、正確にはメリーが怒らないのは身内のみです。


「流石はシャイン…様です。あっコウサ君の姉妹はドンゲル伯爵親子の事について聞きたいそうですよ」


ミント余計な事を言いやがって。


「ドンゲルは我が国の元貴族で爵位は伯爵でした。目に余る横暴振りでしたがザイツの策略のお陰で今や爵位を奪われてただの罪人です」


つまり俺はデュクセンの伯爵家と子爵家を潰しちゃんたんだよな。


「そうですか。つまりうちの馬鹿は伯爵家と敵対したんですね…功才、拳骨と蹴りのどっちがお望みかしら?」


「どちらもお望みじゃないんだけどなー。あっシャイン様レクレールの動きに注意して下さいね。細かい事は書簡で送りますので」


流石に早く帰って下さいとは言えない。


「分かった、頭に留めておこう。ザイツはドンゲルが放ったならず者を返り討ちにした剛の者ですから心配ありませんよ」


シャイン様とミントはそう言って光の中に消えていった。

まだ話はデュクセンから出てないのにすでに俺の胃は嗚咽を漏らし始めている。

感想指摘お待ちしております

そういや甥っ子のいる弘前南高校の人とか読んでるんだろうか

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