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ザコとドワーフ ヒュドラへの気持ち?

ようやくある言葉がでてきます

side 功才


最近、策を練る時にお気に入りの場所がある。

それはメリーの太股の上、そうメリーに膝枕をしてもらいながら考えるのがお気に入り。

柔らかいメリーの太股に頭を乗せているとリラックスが出来て良い案が浮かんできやすい。

でも気を付けなきゃいけない事もあって、視線を上げるとメリーの可愛い顔と立派なお山が目に飛び込んできて考えがまとまらなくなってしまう。


俺が策を練っている間、メリーは俺の髪をいじったり頬をつっついたり、端から見たらバッカプル。

でも…考えてる内容は胃を痛める様なヤバい物が殆どだったりする。


「コウサ、考え事が中々まとまらないなんて珍しいね」


「いやさ、ヒュドラを喚んで一番得するのは誰かなって考えてたんだよ。でも俺はこっちの国際情勢に疎いから中々ね」


「メリーも一緒に考えるよ。ブルーメンには外国のお友達もいたんだよ」


「それじゃ、オーディヌスでドワーフってどんな扱いをされてるから教えて欲しいんだけど」


ドワーフ、つまりヘイムランドの外堀を埋めていけば何かが見えてくるかもしれない。


「鍛冶が得意だから色んな国に住んでいてエルフみたく特別扱いはされてないよ。昔話だと勇者の剣を作った話で有名だよ」


「勇者ねえ。実際に効くと胡散臭い響きだよな。実際にいたらどん引きだろうな」


俺は勇者だっ!!

そんな風に言われた色んな意味で距離を置くと思う。

実際の距離から人間関係まで。


「えー、オーディヌスには勇者の話が沢山あるんだよー」


「勇者が沢山って、オーディヌスはどんだけ危ない目に合ってきたんだ。つうか誰が勇者って決めるんだ?」


「勇者は国に申請して認定されたオッケーなんだよ。中には自称勇者から始まった勇者もいるし」


おいおい、僕を勇者に認定して下さいってか。

俺ならそんな恥ずかしい認定は断固拒否するぞ。


「勇者になれば何か特典でもあるのか?」


引退したら安定した生活を送れるとか。


「お姫様と結婚出来たり人気者になれるぐらいかな?王様達が自分の国の勇者自慢をする昔話はあるよ」


うわっ、王様からの無茶振りのオンパレードになりそうじゃん。


「つまり勇者自身よりも国が得すると。なりたい奴の気がしれないよ」


「コウサはお姫様と結婚して王様になりたいとか思わない?」


メリーさんの可愛らしい御手が俺の頬に移動してきた。

答えによってはつねる気が満々。


「勇者の才能と王様の才能は違うよ、俺にはどっちの才能もないけどね。でもメリー姫がいたら努力しまくってなるけどね」


メリーに、ギュッと抱きしめられた正解したらしい。


「もうっコウサったら。でもメリーの勇者様はコウサだけだよっ」


まあ、俺の顔がメリーのお山に包まれた訳で、この時点で思考能力はなくなってしまっていた。

予測も、たったから良しとしておこう。


――――――――――


俺の思考が戻った次の日、俺達はヒュドラの目撃情報を集めていた。


長さは頭も入れると8mくらい。

獲物を襲う時や威嚇する時は鎌首をもたげて4m近くになるらしい。

ヒュドラは早朝や日が傾いてから目撃されており、それ以外の時は近くの湖に潜んでいるらしい。


「なんつーかヒュドラ倒さなきゃ駄目ですかね。俺としてはヒュドラに同情しまくりなんですけど」


「ザイツ殿、どういう事ですか?」


「ヒュドラは爬虫類から進化した魔物だと思うんですよ。だから早朝や日の暮れかけにしか動いてないと思うんです。」


「もーコウサちゃんと説明をしてと」


「蛇も含めて爬虫類は自分で体温の調整が出来ないんだよ。ましてやヒュドラは本来の棲息地と違う場所に連れてこられたから活動時間が限れていると思うんだ。ただでさえ荒れ地で日を遮る物がないヘイムランドで昼間の直射日光を浴びたら終わりなんだよ」


「だから蛇ってジメジメした場所に良くいるんだ。…そっかコウサもいきなり知らない場所に連れて来られたんだもんね」


「俺の場合は支えてくれた人がいるから平気だったけど、例のヒュドラは体に合わない知らない場所で1人つーか1匹な訳だろ?それで必死に飯を探したら今度は剣で襲われるし。ヒュドラにしてみれば理不尽極まりない話に思えてさ」


言うなればいきなり北極に連れてこられて飯を食べに行く度にオオカミに追いかけられているみたいなもんだぜ。


「気持ちは分かるが、俺達に出来るのはヒュドラを倒す事しかねえぞ。どこのヒュドラなのかも分からないんだからよ」


ガーグさんの言う通り現実的には、それ1択しかないんだよな。


「コウサ、ヒュドラを喚んだ理由って分かった?」


「多分、マッチポンプだと思う」


ちなみに俺は昨日メリーからの包容で思考能力がオーバーヒート。

メリーと2人っきりだと自制心が危ないのでデートの名目で外出、ドワーフのおっさんの顔を見て興奮の沈静化に成功した。


「コウサ、マッチポンプって?」


「俺の世界で火消しが活躍をしたかったり誰かに見せたい為に自分で火をつけて消す事をマッチポンプって言うんだよ。多分喚んだ奴はドワーフに剣を作ってもらいたかったんじゃないかな」


「でもコウサ、召還術を覚えるには金が掛かるんだぞ。それなら買った方が安全じゃないか?


…イントル、自分変な事言ってないよね?」


ハンナさんはイントルさんの影響で知識が急上昇している。


「ハンナ大丈夫ですよ。でも犯人はな貴重な金属を使用した特別な武器が欲しかったんだと思いますよ。そうですよねザイツ殿」


イントルさんが甘えてくるハンナを抱きしめながら答えた。

ハンナさんの影響でイントルさんの女性に対する免疫力が上昇している。


「そうか!ドワーフに倒せない魔物を喚んで自分が倒して恩を売るつもりだったんだ。コウサ、メリーの考えは正解?」


「俺の予想と一緒だよ。その方がドワーフが感謝の気持ちで作った武器って箔がつくし」


でも俺ならそんな武器は断固拒否する。

貴族や盗賊に目をつけられるし、実力が誤解されても困る。


「なんかザイツが好きそうな行動だな」


「ガーグーさんひどっ。俺はマッチポンプはバレた時のリスクが高いから選ばないっすよ。とりあえずヒュドラに関しては師匠に相談してみます」


つうか話を通しておかないと、俺達だけでは対処できない可能性もあるし。



side ロッキ



「先ほど功才君から電話が着ました。ヒュドラは誰が喚んだのかわかりましたか?」


「はっ、…です」


「全く、相変わらず進歩がない。でも流石は功才君、色々と巻き込まれていますね」


これでこそ功才君を喚んだ意味があるってものです。




多少シモでした

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