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ザコとドワーフ ヘイムランド到着

書きためが、あるから安心して更新が出来ます。

side 功才


ルーンランドを出立した北エルフの一団は一路エルフィン聖王国を目指していた。

でも俺達ガーグ王子様一行は別行動、エルフィンから馬車を借りて一路ドワーフの国ヘイムランドを目指している。

しかしガーグさんを見送る時に北エルフの人達が泣くなんて思いもしなかったな。


データボール参照ヘイムランド

ヘイムランドの国土の大半は荒野と岩山なんですよ。

猿人族と違い、ドワーフはあまり野菜類を摂取しませんから耕地面積は少ないんですね。

野菜を作るよりも牧場にして家畜を育てるらしいですよ。

名産は鍛冶製品と酒でしょう、鍛冶製品を輸出して麦や芋を輸入してるんですね。

何か地理の授業みてえ。

肉類が人気なら日本から持ってきた香辛料でご機嫌伺いでもするかな。


「ねえコウサ、ヒュドラを倒す手筈は出来たの?」


俺達がヘイムランドに向かう訳はエルフィンとの同盟を渋るドワーフ達にガーグさんを見せる為。

丁度良くと言うか、空気を読まないヒュドラがヘイムランドに現れた所為で討伐名目でヘイムランドに入国する事になった。


「倒す手筈は出来たさ。今回も細工は隆々だよ。でもな」


ちょっと気になる事があるんだよな。


「えー、久しぶりにコウサと仕上げをご覧じろってハモりたかったなー」


メリーは不満そうに形の良いピンク色の唇を尖らせた。


「いや、何でヒュドラが現れたのか気になってさ。だって定期的に現れる魔物なら討伐方法は確立されていると思うんだ。でもわざわざ他国に依頼をするって事はヒュドラはヘイムランドにはあまり出没しない魔物なんじゃないかなってっ思ってさ」


「確かにそう言われると不思議ですよね。荒れ地の多いヘイムランドはヒュドラの棲息地に向いていませんし」


イントルさんの言う通り、爬虫類に近いヒュドラなら沼地や湿地を好む筈。


「それでザイツの予想はどうなんだ?お前のこった予想はついてんだろ」


「ガーグさん予想するにしても情報が少な過ぎるんですよ。イントルさん、ヒュドラをドワーフに気付かれずに輸送する方法はありますか?」



正直、4m近い魔物を馬車で運ぶには無理があるし。


「そうですね。転移魔法を使うか召還魔法を使えば出来るんじゃないでしょうか」


転移魔法だとヒュドラ相手だと魔法陣が大きくなり過ぎるし暴れでもしたら術者に危険が及ぶ。


「召還魔法ですか。って事はヒュドラも俺と同じく他の世界の生き物なんですかね」


「いや、召還魔法の中には敵陣に魔物を召還する術もあるらしいぜ。どうせ異世界から喚ぶんならオーディヌスにいない魔物やもっと強力な魔物を選らんぶんじゃねえのか」


確かにオーディヌスに居ない魔物なら属性も弱点も分からないんもんな。


「わざわざ魔物1匹だけを喚ぶ理由か。何にしてもリスクが高過ぎるよな。後はヘイムランドに着いてからですね」


――――――――――


ヘイムランドは道路も整備されているし、建物はログハウス風だけども赤、黄色水色に塗られた屋根が綺麗だ。

何よりも区画が整理されていて整然としている。

でも、やっぱり来なきゃ良かった。

だってドワーフが怖いんだって。

背は俺よりも低いのに腕が俺の太股並に太いし、声はでかいし口調が荒い。

女性ドワーフは、髭こそ無いがゴツくて10代でもおかみさんって感じだし。

あんなのが倒せないヒュドラと戦って大丈夫なんだろうか。

とりあえず冒険者ギルドに顔を出して指定の宿屋に来たんだけども。


「コウサー、お料理作ってよー。いくらメリーがお肉好きでもこれは無理だよ」


メリーがどん引きしているのは宿屋で出された夕食。

アメリカサイズの分厚いステーキにジャガイモが一欠けのみ、味付けも臭み消しもなし。


「ガー君、このお肉硬すぎて顎が痛くなっちゃうよ」


肉は下処理も筋切りもしてない様で歯応えが抜群。

菜食中心で顎が細くなっているエルフのセシリーさんにしてみれば拷問に近いのかもしれない。

でも隣のテーブルのドワーフさんは、ステーキを簡単に食い千切っていた。


「仕方ねえ。飯屋に行ってセシリーでも食えるメニューを探すか」


うん、ドワーフってどんだけ肉が好きなんだよ。


メニューに載っていたのはスープがビーフシチューにチキンスープ、子羊のシチュー。

メインはステーキ、鶏の丸焼き、ポークソテー。

サラダは肉巻きサラダ、前菜は芋と肉の煮物だし。


「ガーグさん、台所付きの宿屋に変えませんか?材料は俺が手配しますから」


それで選んだのは宿屋って言うよりも個別に泊まれるログハウス。

結構大きいからガーグさんやイントルさんと泊まっても狭く感じないと思う。

若干、かなりむさ苦しいけれど。


「そういやレクレールって、どんな国なんですか?」


俺にしてみれば何気ない一言だったんだけれども、ガーグさんの表情が一変した。


「おい、ザイツ。どこでその名前を聞いた?」


近いー。

ガーグさんの893な顔が目の前にある。


「イ・コージが言ってたんですよ"レクレールの動きが活発になっているから気をつけて下さい"って」


「あいつ等また禄でもねえ事を考えてるのか?」


怒りの為か、ガーグさんの禿頭に青筋がクッキリと浮かんでいる。



(イ、イントルさん。ガーグさんどうしたんですか?)


(さあ、昔レクレールと何かあったんでしょうか?)


これ以上、レクレールの国名を出したたらヤバそうなのでデータボールで調べてみる。


データボール参照精霊公国レクレール


レクレールは清光の精霊レクーを崇めている国ですよ。

レクーの神託で国民の名前、仕事、結婚相手を決めているそうです。

功才君、メリーさんに振られてもレクーに行けば安心ですねっ。


揺りかごから墓場まで精霊様任せって訳ね、まぁ、精霊って書いて国のお偉いさんって読むんだろけど。

…後からメリーとデートしに行こ。

逆お気に入りユーザー様が400を越えていました。

中には作者だけを登録してくれている方も、途中離脱は禁止ですね。

明日はイ・コージを更新予定です。

ザコは3日後に更新します

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