ザコとミントのゴブリン退治
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side 功才
「コウサ君、す少し休まないかい?朝から歩きっぱなしじゃないか」
(朝からって、まだ昼前だろ?騎士だから普段は馬で移動しているんだろうな)
「もう少し頑張るっすよ。ミントさん野宿したくないっすよね?」
「でも、今魔物と遭遇したら僕は実力を発揮できない自信があるんだけど」
街道に魔物がでる確率は低いし、満を持した実力にも期待はしてない。
「その時は俺が1人で戦うっすよ」
「コウサ君、あれだろ。君は好きな女の子に意地悪をするタイプなんだろ?」
「残念ながら外れっすよ。それに俺はシャイン様と張り合う気もないっすから。」
「な、何でそれを知っているんだい?コウサ君は人の心が読めるのか?」
ミントは顔を赤らめて、慌てふためている。
「シャイン様にバラして欲しくないんなら、歩くっすよ」
「君は純粋な乙女心を利用するのかい?」
「利用できる者は何でも利用する主義なんすよー」
「コウサ君の、鬼、悪魔、ゴブリン、オーク。君には優しさってものが無さ過ぎる」
ミントの荷物を半分以上もって、歩く速さをあわせているのは優しさじゃないと?
「分かってくれて嬉しいっすよ。それだけ喋れたら元気な証拠っす」
「わかったよ。僕はこれから無口でおしとやかな乙女になるさ」
…………
「コウサ君、やっぱりコミュニケーションは大事だよね」
「無口みじかっ!」
ミントの無口は1時間しか、もたなかった。
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そんなやり取りをしながら、ブルーメンまで後少しとなったある日の事。
「ミントさん体力は大丈夫っすか?」
「突然どうしたんだい?どこかの鬼冒険者のお陰で、可憐な魔術騎士はすっかり体力騎士になってしまったよ」
「それなら安心っす。馬車がゴブリンに襲われているから助けるっすよ」
「君が依頼じゃない人助けをするなんて僕は信じれないよ」
「ここで見捨てたら悪評がたつっすからね」
「納得だよ…」
馬車を襲っているゴブリンは5匹か。
ゴブリンは鉄の槍や鉄の剣で、馬車に攻撃している。
「ミントさん、俺が合図したらサンダーを唱えて下さい。お願いするっすよ」
「でも僕のサンダーは気紛れ屋さんだから、ゴブリンに当たらないかもしれないよ?ってコウサ君、小石を拾ってゴブリンにぶつける気かい?」
「俺の魔法には下準備が必要なんすよ」
先ずは、ゴブリンとの中間に拾った小石をぶちまける。
「ストーンレイン」
哀しいかなストーンレイン。
下準備をしなきゃ2、3粒の小石の滴になってしまう。
「コウサ君、ゴブリン達まったく無傷だよ。それどころか怒って標的を僕達に変更したみたいだよ」
「馬車から引き離す為だから当たり前っすよ」
次は
「プチサンダー」
狙うはゴブリン達の武器。
これでゴブリン達の武器は帯電状態になる。
「コウサ君、威力がプチな雷の魔法で、ますますゴブリンさん一行がお怒りだよ。君は女の子の気持ちだけでなく、魔物の気持ちも逆撫でする名人なんだね」
ゴブリン達が、武器を掲げる。
「ミントお嬢様、サンダーをお願いします」
「お、お嬢様?わかったよ。雷のマナよ、その閃光で敵を焼き尽くせ。サンダー」
ミントの放ったサンダーが、ゴブリンに直撃する。
即席避雷針に、何とか当たってくれたみたいだ。
ゴブリンも無事?全滅した。
「す、凄いよ。コウサ君、僕のサンダーがマトモに当たったよ」
正確には帯電した鉄の武器に誘導されたんだけどな。
「それがミントお嬢様の実力ですよ」
「コウサ君、先からどうしたんだい。大声でお嬢様なんて?」
そりゃ、馬車の人達が俺に注目しているからねー。
馬車の中から人が降りてくる。
人数は8人。
服装はバラバラな所を見ると乗り合い馬車かもしれない。
商人風の中年とその従者と思われる若い男。
3人連れの親子。
少女が3人でまとまっているのは友達同士だからか。
3人とも美少女と呼んで差し支えないだろう。
癒し系の茶色のロングヘアー。
理知的な水色のショートカット。
赤髪の勝ち気そうなポニーテール。
あの中で使えるのは商人と3人娘だな。
予想通り最初に近づいてきたのは商人風の男。
「危ない所をありがとうございます。私はブルーメンで商売をしているハッサンと申す男です」
「皆様幸運ですよ。ゴブリンを退治したのは、何とあのシャイン・マクスウェル様にお仕えしている魔術騎士のミント・ブロッサムお嬢様なのですから」
計算通り8人の視線はミントに注がれる。
3人娘はシャイン・マクスウェルの名前に反応して黄色い声を挙げていた。
(よっし、これでゴブリン退治の手柄はミントにの物になる)
しかし1人だけ、コウサに視線を注いでいる人がいた。
side ロッキ
「功才殿はゴブリンを退治しましたが、手柄は全てミントの物にする様です」
「流石は私の弟子ですね。自分の実力を上回る名声は身を滅ぼしかねますからね」
「しかし、冒険者は名を売る者ですが」
「功才君はね、有名になる怖さを身に染みて知っているんですよ」
この手柄でミントが満足して帰ってくれるのが、一番ありがたいのでしょうけど。
いよいよメインヒロイン登場するかも?
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