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ザコとドワーフ 下準備は念入りに

今回は男性陣のみです

side 功才


データボール参照ヒュドラ


ヒュドラは沢山の首を持つヘビ型の魔物ですよ。

猛毒を吐きますし首には再生能力があります。

功才君の世界では聖なる炎で首を焼いて倒したそうですけども、そんな便利な物は消しちゃいました。

もっとも4m近い魔物ですから、聖なる炎があっても火をつけれる可能性は低いんですけどね。


つまり単純な物理攻撃だけでは倒せないと。

だからドワーフも困って依頼を出してきたんだろうな。

先ずはヒュドラについて詳しく調べておくか。

そしてその為には生きている図書館イントルさんの協力が不可欠。

幸いな事にイントルさんは部屋で書類整理をしていた。

「イントルさん、ヒュドラの生態とかが詳しく載っている本ってありますか?」


「ヒュドラですか。私も多少でしたら知識はありますが」


流石はイントルさん、魔法学院から臨時講師をお願いされた人だけある。


「ヒュドラの再生能力は万能なんですかね?単純に細胞分裂が信じられないぐらいに早いとしても再生に使うエネルギーは莫大な物になると思うんですよ。実際は首が沢山あるからそう見えるだけって事はないですかね」


戦闘の最中に一々首の数は数えてないだろうし。


「実際に切ったっていう人の話では切った瞬間に再生したそうですよ」

 

瞬間的は言い過ぎだけども鮫の歯みたいに予備があるんじゃないかと思う。


「そんなに多くの首は何の為に必要なんですかね?口の一番の役割は栄養や酸素の摂取じゃないですか。それならそこまで多くの首は必要ないですし、むしろ喉や気管が細くなる分デメリットの方が大きいと思うんですよ。ヒュドラは何を食べているんですかね?」


まさかヒュドラが調理技術を持っているとは思えない。


「今回の依頼書に添付された書類には家畜の被害が報告されていました。羊や牛が襲われたみたいですね。ドワーフは肉を好みますから家畜は大事な財産なんですよ」


「死体の詳しい状態は乗ってますか?」



俺の予想だとある特徴があると思う。


「流石にそこまでは書いていませんがヒュドラに襲われると魂を抜かれるという話があるそうですよ」


うん、予想的中。

それならその線で策を練ってみるか。


―――――――――


ある程度なら日本から持ち帰った道具で対応できるけども、忘れちゃいけない今の俺のバックにはエルフィン聖王国がついている。


「ガーグ王子様に質問があるんでございますけども宜しいでございますか?」


揉み手をしながら上目遣いでガーグさんに話し掛ける。


「おいザイツ、今度は何を企んでいやがる。今のお前は悪夢に出て来そうなぐらいにキモいぞ」


「そんなに誉めなくても良いですよ。ほらっ俺達仮にもガーグ王子様に着き従っているじゃないですか。あまりみすぼらしい装備をして行ってドワーフに舐められたら困るなーって思ったんですよ。エルフィンに良い物ないっすかね」


早い話がエルフィンに伝わる伝説の武器とかに期待してるんだけど


「残念だがうちの国の装備は北エルフの魔力に反応する物ばかりだせ?」


「なんですか?それ」


「装備に魔力を流す事で攻撃力の弱さを補う仕組みになってんだよ。当然ながら北エルフにしか扱えねんだよ」


つまりエルフの為だけの武器と、確かにそれなら強力な武器が奪われても心配はない。


「それならうちで装備できるのはセシリーさんだけですか。ガーグさんはサイズ的にきつそうだよな」


ガーグさんがエルフのサイズの防具なんて身につけれないだろうし、武器もサイズが合わないだろう。


「正解だ、ついでに言うとセシリーはヒーラーだから装備は限られるぜ」


くっ、それなら国家予算に期待してやる。


「王子さまー、僕新しい装備が欲しいなーって思うんですけども」


「分かった、自分の金で買ってこい。先に教えてといてやるがエルフィンは他国との貿易はしてないから外貨はもう出さないぞ」


確かに今回の試合でのエルフ一行の宿泊費は決して安くはない。


「ガーグさんは仮にも王子でしょう。日頃から頑張っている部下に褒美をあげようって気持ちにならないんすか?」


「王子だからって民が納めてくれた税金を勝手に使って良い訳がないだろうが。言っておく経済状態はガーグ冒険者隊の頃と一緒だと思え」


「それならルーンランドの王様にたかって下さいよ。ドルムーンで、よく他の冒険者に酒をたかってたじゃいですか」


「あれはでかいヤマをこなした奴が仲間に奢る習わしなんだよ。個人同士の奢り合いと国家間の交流を一緒にすんじゃねえ。外交は最初が肝心なんだよ」


まあ確かに王子自ら強請りたかりをする国は信用されないよな。


「せめて試合を頑張ったんだから金一封とかくれても良いじゃないですか」


「俺には無理だな。金や権力は、うちの婆がきっちりと握ってんだよ」


日程的にエルフィンに帰ってる暇はないし、現場指揮官のミッシェルさんはサン・エルフに行っている。


「それならせめて研究所に依頼して下さいよ。俺達の新しい装備を作ってくれる様に」


「あそこの所長とまともに交渉が出来るのはお前しかいねんだよ。お前が行ってこい」


「嫌ですよ。あの人は笑えない組織を抱えてるんですよ…分かりました、分かりましたよ。何とかしてみせますよ」


こうなりゃガーグさんにも一肌脱いでもらいますよ。


やっぱり功才は三下キャラの時が好き。

全員分の装備を考えなくては

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