表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/235

ザコとエルフ 北エルフの到着

久しぶりにガー君な人が登場します。

side 功才


その日ルーンランドはお祭り騒ぎとなっていた。

知識を重んじるルーンランドでは精霊魔術を使いこなし姿が美しい北エルフに憧れている者は少なくない。

その北エルフの次期王が乗っていると噂の華麗な装飾が施された馬車が姿を見せると観衆から一斉に歓声があがる。

しかもエルフィンにしかいないと言われている精霊に祝福されし馬シルフィードホースに引かれて到着したのだから普段は物静かなルーンランドも熱狂の渦に包まれた。

馬車の周りを囲むのは華麗な装飾が施された鎧を身に纏った北エルフの騎士。

それで肝心の次期王様と言うと


「ザイツ、まさか俺に帰りはあの中に混じれってんじゃねーだろうな」若干、ご機嫌斜めであった。


「そりゃ当たり前ですよ。俺達が勝つ予定なんですしパレードには主役がいなきゃ話にならないすっからね」


そりゃ見たいに決まってる、華麗なエルフの中で1人浮いているガーグ王子を。


「ったく。それであいつ等とはどうやって落ち合うんだ?エルフが冒険者宿に来たら大騒ぎだぞ」


「分かってますよ、ガーグさんはセシリーさんに早く会いたいでしょうから、ちゃんと考えてますよ」



「おい、どこをどう解釈すればセシリーが出てくるんだ?」


「さて、まずは俺達の宿屋に行きますよ」


立場上、大声を出せないガーグさんは苦々しい顔をしながら歩きだした。

宿屋に戻った俺達は変装用のローブを着てフードを被りサングラスを装着。

見た目的に誰が誰か分からない筈。

目指す先はエルフィンの人達が泊まる宿の裏口。


「裏口にこんな格好で行って誤解されねえか?」


まあ、見方によっちゃ物乞いだよな。


「宿には先見隊が行ってるから大丈夫ですよ。ミッシェルさんから俺達が訪ねる事を聞いていると思いますし。エルフィンの人がみんな知っているガーグさんお願いします」


ガーグさんが裏口をノックして


「ガーグって者だ、うちの連中が来ていたら…」「ガー君、会いたかったよー」


声を掛けた瞬間、弾丸とかしたセシリーさんがガーグさんめがけて飛び込んで来た。


「なっ、セシリー先見隊ってお前だったのかよ」


「うわっ、そこはセシリー俺も会いたかったぜ、ぐらい言いなさいよ。この朴念仁」


「いきなり突っ込んで来た相手にそんな事を言えるか?このお転婆エルフ」


「お転婆だって親父くさっ。見た目だけじゃなく中身も親父になったんじゃないの?」


「王位継承者になんて口を聞くんだよ。この無礼者エルフ」


「王位継承者になった途端に権力を振りかざすなっ、この暴君ハゲッ」


「お前っ、この大事な時期に何て事を言うんだよっ」


「お前じゃなくセシリー。恋人の名前ぐらいちゃんと言いなさいよっ」


いや、久しぶりにこのやりとり見たかったんだけど隠れて来た意味が台無しな気がする。


「さあ皆さん、色ぼけ王子は放っといて中に入って下さい」


突然現れたミッシェルさんが冷静にさばく。


「おい、ミッシェル誰が色ぼけ王子だっ?」

「ガー君私達の仲がそれだけラブラブなんだって」


ガーグさんの威厳って身内には通じないんだろうか、俺等も威厳を感じてないし。


「やっぱり南エルフは仕込みをしていましたか。こっちにも探りが来てましたよ」


「あいつ等、猿人族でも雇ったのか?」


「ううん、耳だけ隠してたよ。体型とか肌で目立っていたけどね」


それってコントで日本人が金髪のカツラを被って着け鼻をつけて白人の振りをするようなもんだろ。

単一民族で過ごして来たから不自然さが分からないんだろうな。


「そういや南エルフの生活習慣って何か特徴あります。エルフィンでは肉をあまり食べなかったり刺激の強い香辛料を好まないみたいに」


ちなみにガーグさんは肉が大好き、セシリーさんは肉料理作れるんだろうか。


「聞いた話ですと性格は陽気で酒や踊り、自由を好むそうです」


南エルフってラテン系なんだろうか。


「でもチピーラ達の動きを見るとイメージが違いますよね」


なんつーか、半端ヤンキーみたいなノリを感じるんだけど。


「国の王子が国民性に近いとは限りませんよ。どこの国でも」


皮肉めいたミッシェルさんの視線の先にはエルフィンの王子がいる訳で


「国民性って一括りにしちまえば、そこから溢れた奴が異端視されちまう。くだらねえよ」


「ねえ、コウサ。コウサの国の国民性ってどんなの?」


「日本人は勤勉で協調性があって自己主張が苦手って感じかな?」


……


なんだろう、みんなの視線が冷たい。


「いやいや、俺は胴長短足で目立つのが苦手で慎重な日本人の典型だよ」


「えーコウサ、単独行動が大好きでしょ」


集団に埋もれて単独行動するのが好きなんだって。


「ザイツに協調性ねえ。欠片ぐらいしかねえだろ」


ガーグさん何時もいじってるからって、そんな風に言わなくても。


「自分は勤勉な人間は人を騙したりしないと思うけどな」


それはハンナさんの基準がイントルさんだからで、あの人より勤勉な人は日本にも少ないし。


「他に日本人の特徴は器用貧乏とか小手先の技が得意とかもあるぞ!!」


……


それだと全員が納得してくれる訳ね。


「さて話が逸れちまったが、この後はどうするんだ?」


「俺は魔法研究所から仕込みに使う素材を買ったら作りたい物があるんで、しばらく部屋に引きこもる予定です。イントルさんはハンナさんと一緒にルーンランドの知人の人達に挨拶回りをして下さい。ガーグさんはこの宿から動かないでエルフの人達と結束を深めて下さい」


「それじゃメリーはコウサのお手伝いをする。いいでしょコウサ」


よしっ、決めた。

仕込みを早めに仕上げてメリーとイチャイチャしよう。

イ・コージを読んでない人は分かりにくい話がありそうで不安です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ