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ザコとエルフ ザコ、ルーンランドに着く

イ・コージのキャラとコウサが絡みます

side 功才


無事にルーンランドに着いたんだけれど…

眼鏡率が高っ、しかも学級委員長な人が多いし


「ガーグさん、俺達絶対に浮いてますよね?何でこんなに静かなんすか?」


普通もう少し街って喧噪に溢れていると思うんだけども、無口な人が多過ぎじゃね?


「ここは知識が重んじられる国だからな。お前みたいに馬鹿騒ぎする奴は少ないんだよ。まっ、飲み屋街とか行けば別だろうがよ」


確かにさっき通り過ぎた委員長Aが、君静かにしたまえって感じの冷たい視線を浴びせてきたし。


「人数分のローブを買うか。それにサングラスを着ければ容姿は分からないし」


「コウサのローブはメリーが選んだげる。これでお揃いのサングラスを掛けれるね」


メリーは屈託のない笑顔を浮かべると、俺と腕を組んで服屋を目指して歩き出した。


「全く違う国に来てもメリーとコウサはマイペースだよな。ねえイントル、自分にはどんなローブが似合うかな?」


「そうですねえ。薄いベージュならハンナの綺麗な赤髪が映えると思いますよ」


「ったく、どんなので良いだろうが。早く買う物を買って傭兵隊の隊所に行くぞ…ってお前等、俺を置いてくんじゃねえー」


セシリーさんが後発隊で来る事もあり、こうゆう時は自然とガーグさんは1人になっていた。

面白いからわざとしてたんだけど。


――――――――――


「ガーグさん、傭兵隊の隊長に連絡を入れなくても良いんですか?」


なんでも傭兵隊の隊長は伯爵様らしい、いきなり冒険者が訪ねて行ったら門前払いを喰らいかねない。


「大丈夫だよ、あいつとは何回も依頼をこなした仲だ。伯爵だけど偉ぶらない気持ちの良い男だよ」


まぁ、見えないが王子様であるガーグさんに偉ぶった国際問題なんだけどな。


「しかし傭兵隊は南エルフとの件で忙しい筈ですよ。使いを出して連絡を待った方が迷惑が掛からないと思います」


流石はイントルさん、迷惑しか掛けないガーグさんとは大違いだよな。


「それなら先に宿屋を確保しませんか?イントルさん良い宿屋を知りませんか?」


「そうですね。冒険者ギルド指定の宿屋ならありますけども」


本来なら王子であるガーグさんがいるから貴族御用達の宿屋に泊まるべきなんだけど。


「おう、ここのギルド宿はいいぞ。なにしろ酒場付きだからな、それにギルド指定の宿屋にふざけた真似をする奴なんざいねえしな」


答えは簡単、護衛がいる貴族様と違い、貴重な採集物や大金を所持している冒険者が安心して過ごせない宿屋じゃなきゃ指定をとれない。

警備もしっかりしている上に手が空いてる冒険者が交代で警戒をしてくれるらしい。


「それなら宿屋を取った後に傭兵隊の隊所に行って、そこから別行動にしますか」


南エルフの情報を仕入れてから探りに行きたいし。



―――――――――――


傭兵隊の隊所が微妙な空気に包まれていた。

その原因は少し前の事。


「ガドイン久しぶりだな。今回は迷惑をかけちまう」


「よせよガーグ、お前がそんな事を言うなんて気持ちが悪い。お前とイントルがルーンランドに来たんだ。話す時間をとって当たり前だろ?」


ガドイン・ロックオーガ伯爵はキャラはガーグさんと近いみたいけども見た目は間逆のイケメン。


「やっぱり忙しいみてえだな。済まん」


「あっ?何を言ってやがる?」


ガーグさん、それで分かれって方が無理ですって。


「俺の名前はガーグ・エルフィンローズ。エルフィン聖王国、北エルフの王子だ」


これで微妙な空気が流れたんだよな。


「ガーグ、いくら同じ名前だからってそれはヤバいだろ。お前にはエルフのエの字もねえんだぞ。おい、イントルお前がガーグの悪ふざけを止めねえ駄目だろ」


「伯爵信じれないかもしれませんが本当なんです。ガーグさんは現女王シャルレーゼ様の直系の曾孫なんですよ。証拠としてはシャルレーゼ様から預かった手紙があります。確か奥様は魔術が使えましたよね、この手紙には精霊魔術が施してあるので真偽の確認ができます」


その後、伯爵夫人が来て手紙の確認が行われた。


「エリーゼ、本当に本物なのか?良く細工された偽物って事はないか?」


「手紙自体は紛れもなく本物だよ。しかしガーグが奪い取った可能性もあるからな。ガーグは略奪なんてする奴じゃねえがエルフって可能性よりは高いしな。だからコージの義娘を通じて北エルフを連れて来た。おいっフローラ入れっ」


北エルフの人がいるんならって安心したんだけども


「ガーグ様お懐かしゅうございます。ついについに王位を継承されたのでございますね、エルフィンの民はこの日をどんなに待ちわびた事か」


エルフが泣いて平伏しちゃってます。


「おい、フローラ。本当にガーグはエルフなのか?どう見ても信じられねえんだけどよ」


伯爵夫人さん正しい意見です。


「ぶっ無礼者、たかが伯爵家の女房がガーグ様を呼び捨てにするなんてっ。本来なら同席するだけでも不敬にあたると言うのに」


北エルフさん、今度はブチギレました。

会うタイミングが悪かったら俺は確実に手討ちにされてたな。


「フローラ止めろ。ガドインもエリーゼも俺のダチだ。権威で人を傷つけるなんざ俺が許さねえ」


ガーグさんは、その前に剣で傷をつけるんだし。


「さ、流石はガーグ様なんと慈悲深いお言葉。フローラは感激の涙で前が見えません」


フローラさん号泣です。


(ガーグさん、ミッシェルさんの元婚約者ってもしかしなくても)


(ああ、フローラはミッシェルにベタ惚れなんだけどよ。肝心のミッシェルは苦手を通り越して嫌っていやがる)


同じ腹黒として分かる。

この人はメリーと違う意味で腹黒の天敵だ。

でもみんなが呆気に取られている今がチャンス。


「これでガーグ様が王子だって信用してくれたっすか?俺達がここに来たのには理由があります。デュクセン皇国からイ・コージを無罪とする書状を預かって来たっす。エリーゼ・ロックオーガ様に託すっすよ。ただし条件として北エルフにも南エルフにも公平な立場をとる事が条件っすよ」


「あん?誰だ。お前は?」


うわっ、伯爵夫人がメンチきってきた。


「ザイツ・コウサ、ガーグ冒険者隊に所属しているチンケな猿人族でイ・コージを捕まえた男っすよ。ついでに言うと、この書状がないとイ・コージにはガーグ王子様に対する謀反の罪も加わるっす。さらについでになるっすけどもエルフィンはデュクセンとバルドーと同盟を結んだっすよ。下手な行動は火傷ならぬ戦火になっちゃうっすよ」


「んだよ、お前は男の癖にベラベラと。そんなので俺達を脅してるつもりか?」


「脅されてるって感じるのは後ろめたさがある証拠っすよ。俺が行っているのは交渉っすよ、ガーグ王子の人望は今見た通りっす。エルフィンから向かって来ている100人を越えるエルフが、これを知ったらどうなるか分からないっすよ。そちらには何の損もない話だと思うんすけどね」


「エリーゼ止めとけ。むかつくかも知れねえが屁理屈や口でザイツに適う人間は少ねえ。なに南エルフと最低限同じ情報を知りたいんだけだよ。エルフィンの民には、お前等を決して傷つけさせない」


ガーグさんの言葉には王としての威厳が篭もっていた。

実際、傭兵隊の殆ど隊員は平伏しているし、伯爵達も片膝をついている。

エルフィン印の印籠を作れないかな。


ロックオーガ夫婦やフローラに興味を持たれた方はザコのスピンオフ作品、イ・コージを読んで下さい。

今回の表と裏みたいな感じで話が進んで行きます。


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