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ザコとエルフ 功才の暗躍とミント再び

久しぶりの更新&ミントの出番です

side 功才


皇都デュクセン、言うまでもなくデュクセン皇国の首都。

当たり前ちゃー当たり前なんだけども、お城のガードが、とんでもなく厳しい。

シャイン様に連絡を取りたいんだけども、異世界出身なんていう怪しい立場に加えて庶民な俺は城に近づく事すら適わないでいた。

だって皇国騎士団の方々が城門を威圧感満点でガードしているんだもん。

絶対に俺がシャイン様やミントの知り合いだって言っても取り合ってくれないだろうし、うまく潜入をしてもそれはシャイン様の顔を潰す事になる。


「コウサ、シャイン様やミントにどうやって連絡するの?」


「お城は無理だからシャイン様かミントの邸宅を訪ねてみるか。屋敷の人に俺達の事を話した事があるかもしれないし」


「そういえばミントの家は騎士様なんだよね。私達とは身分が違うんだもんね」


デュクセンは騎士道を重んじている為、他の国よりも騎士の待遇が良いらしい。


「まあ普通なら直接話し掛けるのも不敬だって怒られても不思議はないんだよな」


普通なら接する時に緊張する相手なんだけどもミントの残念さが帳消しにしれてくれている。


「騎士様に伯爵様に王族に極めつけは王子様と知り合っちゃったんだもんね。前に女優を目指していた時には考えもしなかったよ」


「最後の王子様が一番それらしくないんだけどな」


ガーグさんはプリンスよりプリズン(牢屋)の方が似合うし。


「メリーはミントの家の方が訪ねやすいかな。コウサ駄目かな?」


「俺も一緒だよ。シャイン様の家は色々と警備が厳しそうだし。ミントの家は場所を訪ね易いと思うんだ。取り敢えず土産物屋に行くか」


――――――――――― 

「すいません、有名なローズ・ブロッサムの生家はどの辺りあるんすかね?彼女が今度劇に出るんで生家を見て参考にしたいらしいんすよ」


ローズ・ブロッサム、ミントの200年前の先祖で、女性騎士として大活躍し貴族と結婚した人物。

その話は物語や劇となりデュクセンでは、かなりの人気があるそうだ。

予想通りブロッサム家はデュクセンの観光名所になっていた。

ミントのあの芝居じみた言動は観光客の相手をしてるうちに身についたんだろう。


「予想はしていたけど大きなお屋敷だねー」


ミントの家は庭で野球ができそうな位に広い。

しかもかなりの人数の観光客がいた。

なんでもシャイン様との噂により、ミントはローズ・ブロッサムの再来として注目されているそうだ。


「話によると貴族や豪商に親戚が多いみたいだしな」


ブロッサム家の娘を我が家の嫁に欲しいって人は結構いるとの事。


「ねえコウサ、あれってミントじゃないかな?」


メリーの指さす先にはテラスでメイドさんが注いだお茶を優雅に楽しんでいる少女がいた。

周りの観光客はため息混じりに見ているけど、如何にもお嬢様ですわよと言った感じの純白のドレスを身にまとった姿は、俺に言わせると


(ミント、残念胸で白いドレスなんか着るから、照る照る坊主にしか見えないよ)


間違いない、これだけのシチュエーションが揃っての優雅さを台無しに出来る残念さミントしかいない。


「間違いないな。しかしメイドさんがいるとはね。でもこうして見るとミントってお嬢様なんだよな」


「普段は偉ぶらないから気づかないんだよね。でもミントは何時メリー達に気付いてくれるかな?」


(多分もう気付いていると思うぜ。さっきから、こっちをチラチラと見ているし)


(えー、それなら何で声を掛けてくれないのかな?)


(今俺達だけに声を掛けたら大パニックになっちゃうからな。それに今のミントはブロッサム家の令嬢なんだ。行動が制限されてるんだろ。メリー、裏口に行くよ)


俺とメリーはミントに目配せをして屋敷の裏口にまわった。



――――――――――


「やあ、コウサ君メリー久しぶりだね。元気にしてたかい?」


裏口に行くとメイドさんが出迎えてくれてミントの元に案内してくれた。


「うん、ミントも元気そうだね。安心したよ」


「しっかしミントも大変っすね。観光客相手にお嬢様ショーなんて」


「コウサ君、お嬢様ショーって言い方はないんじゃないかい。君こそメリーとの仲に進展はあったのかい?」


聞いて驚け。もう恋愛ヘタレとは言わせない。


「俺達、正式に付き合う事になったんすよ」


「それだけかい?何ヶ月も一緒に旅をして進歩はそれだけ?…メリー、苦労したんだね」


うわっ、ミントに醒めた目で見られちまった。


「う、うるさいっすよ。そういうミントは成長したんすか?」


胸の事に触れたらメリー、ミント、下手したら姉ちゃんから叱られるよな。


「今の僕は花嫁修業の真っ最中さ。シャイン様の素敵なお嫁さんへと日々進歩しているよ」


「そうっすか。それじゃ料理もお手の物っすね」


………


「お願いがあるメリー料理の仕方を僕に教えてくれっ!!」


「料理ならメリーよりコウサが得意なんだよっ!コウサの作る料理はすごく美味しいんだから」


「コウサ君が料理?毒を盛ったりしないだろうね」


「自分の作った料理に毒を入れたら疑ってくれって言ってる様なものっすよ。それでミントの得意料理はなんすか?」


「コウサ君、よくぞ聞いてくれた。サラダだ!!」


「えーと味付けやドレッシングは?」


「シンプルイズベストにお塩だよ」


「それを料理って言うっすか?わかったっすよ、簡単に作れる料理やドレッシングを教えてあげるっす」


「は、初めて自信満々なコウサ君を見たよ」


ミントの家はそれなりに食材が豊富な為に色々と作れるんだけども


「だー、そんなに皮を厚く剥いたら人参がなくなっちゃうっすよ。一気に牛乳を入れたら小麦粉がダマになるっす」



ミントはどんな花嫁修業をしてたんだろう。

とりあえずデュクセンでも役立つコウサレシピ(事細かに解説)をあげる事に。


「ミントお願いがあるっす。できるだけ内密にしてシャイン様に会いたいんっすけど」


半端じゃなく遠回りをして漸くシャイン様に辿り着く事ができた。



――――――――――


「コウサ久しぶりだな。突然手紙が途切れたと思ったら、いきなり会いに来てどうしたんだ?」


「ちょっとつーか色々有りすぎたんたんすよ。これを預かってきたんす」


それはガーグさんに書いてもらったエルフィン聖王国からの正式な手紙。


「これはエルフィンの?まさかチャラの件なのか」


「エルフィンの王位継承者、ガーグ・エルフィンローズ様からっすよ。チャラ・イースの件は不問にするから元魔法研究所職員イ・コージを無罪にして欲しいんすよ。できれば正式な書状が欲しいっす」


そして俺は事のあらましをシャイン様に伝えた。


「まさかエルフィンの王子がデュクセンで冒険者をしてたとはな。それに北エルフと南エルフの争いか…」


これはデュクセンにしてみれば決して悪い話ではない。

エルフィンとの問題が解決するだけでなく、イ・コージの脱獄を不問にできる上にサン・エルフ帝国の武力増強も防ぐ事ができるのだから。


「ガーグ王子はデュクセンに多くの知人、友人がいるっすよ。それにガーグ王子のパーティにはメリーの他にもデュクセン出身の人間がいます」


つまりサン・エルフの真意は分からないけどもエルフィンはデュクセンと事を構える気はないって話。


「分かった。むしろこちらからお願いしたいぐらいだよ」


これで第一関門はクリアと。

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