ザコとエルフ 腹黒の行動開始
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side ガーグ
「ガーグさん、サン・エルフから届いた書類を見せてもらっていいですか?」
「構わねえよ、どうせ書類の粗探しをするんだろ?」
ガーグさんは、溜め息混じりに羊皮紙を渡してくれた。
1 双国の代表5人による試合にて勝敗を決める
「5人ですか、向こうはもう頭数を揃えてますね」
「まぁ、向こうが言い出しっぺだからな。うちもミッシェルが選手の選出をしている」
ミッシェルさんなら余計な横槍とかは弾き返せるから安心。
2 試合は1対1にて行い用いる武器は刃引きした物を用いる。精霊術は周囲への配慮の為に禁止とする
「刃引きが条件なら全員に鈍器系の武器を持たせてもルール違反にはならないですよね。イントルさんにミスリル棍棒とかを持たさせたら無敵ですよ」
「イントルが殺人犯になっちまうだろうが。ザイツそんな事をしたらハンネスの嬢ちゃんに恨まれるぞ」
「ですよねー。精霊魔術が禁止ならセシリー王妃はでれないですね」
「おい待て、セシリー王妃ってなんだよ」
「あー、すいません。ガーグさんまだ王位を継いでないから王妃は正確じゃないですもんね」
うん、やっぱりガーグさんをおちょくるのは面白い。
3 引き分け等により勝敗がつかなかった時の為に
補欠人員を用意する。
「補欠ですか…」
「まさか補欠希望とか言うんじゃねえだろうな。ガーグ冒険者隊のコウサ・ザイツさん?」
そう言いながらガーグさんが俺をにらんでくる。
「当たり前ですよ。俺とメリーはマネージャーを希望させてもらいます。国際試合なんて目立ちまくるじゃないですか」
メリーをどっかの国の王子が見初めでもしたらどうするんだよ。
メリーは、なびかないと思うけど何か嫌だ。
4 選手は双国の騎士団等に所属する者または居住する者限定とする
「これは俺達はガーグ王子直属の冒険者隊だから問題ありませんね。いくらエルフしか住んでいない国だからってエルフ限定とか書かない方が悪いんですから」
「お前とミッシェルは白い物も黒だって強弁しそうだよな」
「まさかそんな無理はしません。キチンとどっちつかずのグレーにしてから相手を攻めますよ」
師匠に頼んで特殊メイクの用のパテを手に入れて耳を尖らせとけば説き伏せる自信はある。
5 試合は公平を期す為に第3国のルーンランドにて行う。審判は同国の傭兵隊に依頼する
「第3国ですか?ガーグさんは傭兵隊に知り合いはいますか?」
「ここの隊長は気持ちの良い男だ。公平な審判をしてくれるぜ」
「奥さんやお子さんがいたら、贈り物をして心証良くしておきますか。あっ、あくまでも審判をしてくれるお礼ですからね。…ミッシェルさんに詳しく調べてもーらおっ」
6 勝利した国には負けた国の秘宝を贈答する事とする。
「贈答ですか?」
「ああ、あくまで相手側の好意って形にしてんだろうよ。ったく自分達が有利になる様にデキレースを仕組んどいて嫌らしい奴等だぜ」
「でも名前を書いてないのは甘いですね。暗黙の了解なんて破る為にあるんですよ」
「前言撤回だ。相手が可愛く見えてきたよ」
7 チームには必ず女性を1人入れて女性同士の試合を行う事。
「つまり向こうには強い女性がいるんですね。ガーグさんエルフの強い戦士をオカマエルフにしても区別がつかないんじゃないですか?」
「オカマエルフってお前な。確か傭兵隊の隊長の奥さんも有名な冒険者だから確認に問題はないだろ」
「それならこの枠はハンナさんに決定ですね」
「まっ、ハンネスの嬢ちゃんに勝てるエルフなんざ先ずいねえからな」
とりあえずガーグさん、イントルさん、ハンナさんの3人は確定だ。
この3人で3勝をすれば問題ないよな。
それで署名の所にはある名前はサン・エルフ帝国第一王子チピーラ・サンシータ
(王子の名前が三下チンピラって、向こうの人間が聞いたらドン引きするぞ)
「ガーグさんは、チピーラ王子の事を何か聞いた事はありますか?」
「噂じゃ城下町の不良を部下にして冒険者の真似事をしたり、ギャンブルや酒にハマったり女遊びにいそしんでるらしいな」
「それって…エルフの王子の決まりなんですか?ガーグさんと被りまくりじゃないですか」
「どこがだよ!俺は本物の冒険者だしギャンブルはイントルに禁止を喰らっている。女遊びなんてしたらセシリーに刺されちまうだろうが!」
ガーグさんも俺と一緒で尻に敷かれてんのね。
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色々と一段落したのでメリーと一緒に荷物の整理を開始。
師匠へのお土産の代わりに見たこともないカードが入っていた。
功才君、ネクタイはありがたくもらっていきますよ。あっ私からのお返しのプレゼントを入れておきましたから。
快盗 ロキッド
師匠、やばいネタは勘弁してください
つうか、正体がバレバレです。
「コウサ、メリー宛のプレゼントがあるよ。開けてみてもいいかな?」
メリーが開けてみると出て来たのは魔石のついたストラップ。
このストラップを使うと、今大人気の財津姉妹を召還及び送還ができるんです。
メリーさん、功才君が犬耳娘にみとれたり無理をして貴女に心配をかけた時に使って下さい。
…師匠、もう犬耳娘は忘れて下さい。
「ねえねえコウサ、落ち着いたらエイカお義姉さんやミサちゃんをオーディヌスに招待しよっ!あっメリー達の披露宴にも来てもらえるねっ」
断言する、ガーグさん達は俺の姉妹だと信じないだろう。
ちなみに俺へのプレゼントにはアローファクトリーをウエポンファクトリーにランクアップする方法だった。
うん、相変わらず使い辛いよな。
試してみたら刃がつけれないんだもん。
そして荷物の中からあれが出て来た。
俺のお手製アクセサリー、メリーに渡すタイミングがなくて封印してたんだよな。
中身はハートに矢が刺さっているペンダント。
貴女の矢は俺のハートに刺さっていますよって言う、我ながら恥ずかしいデザイン。
メリーは、これの存在を知らない筈。
よっし決めた、時空リュックに永久封印しよう。
「コウサそれがエイカお義姉さんが言ってた手作りアクセサリー?メリーの為に作ってくれたんだよね、嬉しいな」
姉ちゃんの馬鹿。
メリーはネックレスを、とっても気に入ってくれたらしく、みんなに自慢していた。
正直、滅茶苦茶恥ずかしいです。
ルーンランドでイ・コージのキャラと遭遇するかも?
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