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ザコ帰る 戻って来たザコ

元旦なので明るめの話です

side ガーグ


どうしてか分からねえが、城に近づくなり拘束されてババアの前に連れて来られた。


「お前は本物のガーグか?」


ババアまさか……!


「ババア!とうとう曾孫の顔まで分からなくなったか?」


「その口の効き方は、どうやら本物のガーグの様じゃな。それでガーグよ、お前は何時の間にエルフィンまで来たのじゃ。しかも結界をすり抜けて」


「何時の間にって言われてもついさっきだよ。結界をって何があったんだよ」


「今、エルフィンは特別警戒中での。城の周囲には結界が張ってあるのじゃよ。国の魔術士100人で構築した結界を傷つける事もなく侵入されたとあっては大問題なんじゃよ」


ザイツの師匠はエルフ100人以上の力があってもおかしくはないか。


「俺達をここに転移させたのはザイツの師匠だよ。これを見れば少しは納得するだろうよ。ザイツが帰ってくる時の目印になるそうだ」


俺がババアに渡したのは例の黒い魔石。


「この精霊力は古代竜ビルクロー様の精霊力ではないか?しかもかなりの魔力が注ぎ込まれておるではないか!」


おいおい、古代竜ってお伽噺とか神話じゃねえんだからよ。


「古代竜?そんな古い魔石なのか?」


ババアは顔を青ざめさせながら首を横に振り


「いや、まだ1ヶ月もたってないじゃろう。そのザイツの師匠とは何者なのじゃ?」


「何者って言われてもよ。ブラングルの近くの塔に住んでいる魔導師のロッキとしか聞いてねえんだよ」


ババアは、しばらく無言になっていた。


「そのお方はお前達の敵か味方か?何かおっしゃってなかったか?」


「少なくとも敵ではないと思うぜ。最後に土産をくれたしな。ババア、ロッキが何者か知っているのか?」


「ガーグ、口を慎め!あのお方は…」


ババアが次の言葉を言おうとした瞬間、魔石が突然光りだした。


「はーい、こちら現場の慈愛のスーパー魔導師ロッキです。どうやら功才君がオーディヌスに渡る準備をした模様です。それではスタジオのシャルレーゼさん、余計なお喋りは禁物ですよ。それでは皆さん功才君とメリーさんが帰ってきますよ。さあカウントダウンの開始です。せーの1、0!」


カウント1って何の意味があるんだよ。

そういや前にザイツが言ってたよな、"師匠に突っ込んだら負け"だって

とりあえず謁見の間には黒いモヤが出現した。

そしてそのモヤの中から現れたのはリュックを背負ってデカい箱を持ったザイツと、ザイツに必要以上に寄り添っているプルングの嬢ちゃんだった。



side 功才


てっきり師匠の塔に着くと思っていたんだけども


「えーと、ここはどこなんですか?」


「ザイツ殿、無事に戻られて安心しましたよ。ここはエルフィン城の謁見の間です」


師匠、いきなりお城の中はやばいですって。

不法侵入全開じゃないですか。


「メリー、コウサと再会できたんだな。良かったな」


「ハンナありがとう。きちんとコウサと一緒に帰って来たよ」


メリー、少しは驚こうよ。


「おう、ザイツ相変わらず冴えねえ面してやがんな。良く戻って来てくれた…ありがとよ」


「あー、ガー君照れてるー。素直に心配してたんだぜって言えばいいのに」


この夫婦漫才も久しぶりに聞くんだよな。


「うるせーよ。良いじゃねえか、こうやってザイツもプルングの…」

「あっ、ガーグさん、私はもうプルングじゃなくてザ・イ・ツになったんだよ。これからはザイツ婦人かコウサ婦人かでよろしくー」

いやメリー、あれは儀式であって正式な結婚じゃないんだけどなー。

でも爺ちゃんが財津家の一員とか言っちゃたしな。

当然、みんなに根ほり葉ほり聞かれるわけで。

主にメリーが質問に答えて、俺の意見は殆どスルーされている。

シャルレーゼ様もノリノリで質問していたし。


「つまり正式な結婚じゃないんだろ?それだと分かり難いし、まだプルングで良いだろ」


(ナイス、ガーグさん)


「それにザイツはプルングの嬢ちゃんの親御さんにもキチンと筋を通してえだろうしな。そうだろザイツ」


「そうですよね。メリーのご両親か…やべっ、今から緊張してきたっ」

だってメリーのお父さんはリアル猟師なんだろ?

娘を嫁に欲しいんなら1人でジャイアントシープを倒してみせろとか言うんじゃねえか?



――――――――――



「師匠からもお土産ですか?へー俺もみんなにお土産があるんだよ」


あの後、シャルレーゼ様が久しぶりの再会なので話もあるだろうと部屋を提供してくれたんだ。


「それは楽しみですね。とりあえずロッキさんの袋を開けてみますか」


イントルさんの袋に入っていたの何の変哲もない首飾りだった。

データボール参照 知恵の首飾り

なんと!この首飾りを装備していると頭の良さが+0をキープできるんです。

…いや、師匠それだと普通の首飾りと一緒なんでは。


「ありがたいです。つまりこれを身に着けている限り、私は昔のトロルに戻る心配がないんですね」


「イントル良かったね。グスッ、本当に良かった、自分のは何んだろうな…これは指輪?」


データボール参照 巨身の指輪

この指を身につけて念じると貴方もトロル並の大きさに変身できます。期間は1時間から1年まで自由に設定できますよ。


「ほ、本当!やった、これで自分もイントルの子供を産めるんだね」


あー、今のままじゃハンナさんがイントルを受け入れるのもキツいし、ましてトロルの子供を妊娠したら母胎に負担が掛かり過ぎるもんな。


「それじゃ次は私が開けるね。これは…ケープ?」


データボール参照 小判鮫のケープ

このケープを身につけていると、あら不思議。

小判鮫の様に誰の横に立っていても誰にも違和感を感じさせません。


「ガー君これがあると、ガー君の隣にいても、あの貴族連中から文句を言われないんだねっ」


「次は俺か。…これは薬か?」


データボール参照 先祖帰りの薬命バージョン

この薬を飲むと貴方の体に眠っている一番長生きしたご先祖様の生命力が蘇ります。


「早い話がエルフの生命力を手に入れる事が出来たんだな。ありがてえ」



師匠、俺のお土産が出し辛いです。


なんとか元旦に間に合いました

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