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ザコとフルアーマ騎士

新キャラ登場です

初依頼という事もあり、ギルドのおっちゃんが、オークの死体を確認にきた。


「きちんと倒したみたいだな。ふむ、このオークを3万デュクセンで買い取らせてもらおう」



「マジ。マジでそんなに高く買ってくれるんすか?」


「ああ、このオークには、大きな傷が殆どねえ。オークの毛皮は、防寒具から防具まで色々と用途が広いからな。むしろギルドとしては大歓迎さ」

(依頼料と合わせると、6万デュクセン?!ゴブリン30匹分だぜ。これからはオーク退治を中心に依頼を受けていこ)


そして


「おっちゃん、オーク退治の依頼は、きてないっすか?」

俺にオーク退治の依頼がくるまでになった。


「お前宛ての依頼はきてねえよ。たまにはゴブリンでも倒してみねえか?」


「パス。俺はパーティーを組んでないから、ゴブリンに囲まれた終わりっすよ」


とりあえず、他にどんな依頼があるか見て回っていると目を合わせたらいけない方がいた。


身長は150㎝くらいで、体格は細身だと思う。

性別は…‥わからない。


なんせピカピカに磨かれたフルアーマを身につけているんだから。

いや、ビビりの俺でも街中でフルアーマは着ないぞ。

フルアーマは、自分に酔っているのか依頼を見ては歌劇団の様な、オーバーアクションを披露している。


「薬草採集?傷ついた民の為に薬草を集めるのも素敵なお仕事じゃないかー」


「ゴブリン退治?醜いゴブリンは、僕が華麗に退治をしてみせるさ」


フルアーマの声の高さと、背の高さからすると少女か、声変わりする前の少年かもしれない。


でも関わっちゃいけない。

あれは関わっちゃいけない者だ。

フルアーマは、小さいな依頼書の前で立ち止まる。

それは朝から誰も受けていない依頼。

子供の字で、うちのはたけにでるおーくをたおしてください、とだけ書かれていた。

ギルドの職員も、子供から料金は取らなかったんだろう。

それに依頼料金も書かれていない依頼を受ける冒険者がいる筈ないし。


「諸君見たまえ、この依頼書を。幼子の必死の願いを叶えてあげようという正義の心を持った冒険者はいないのかい?悲しい事だね」


(それならお前が受けろよ。ボランティアじゃないんだから、無料の依頼なんて受けたら、次の依頼の時に値切られるだろうが)


そんな感想を持ちながら、違う依頼書を見て、気配を消している俺の肩を掴んだ奴がいた。


「君は最近有名なオーク退治のザイツ君だろ?どうだい、僕と一緒にオークを退治してくれないかい?」


「断るっすよ。俺は、そんな立派な鎧を身に着けた騎士様の足を引っ張るだけっすから」


「悲しい事を言わないでくれよザイツ君。君の力なら簡単にオークは倒せるんだろ?」



「断るっす。理由その1・オーク退治は毎回命がけなんすよ。その2・依頼料金のない依頼なんて受けたら、必死に貯めたお金で払ってくれた他の依頼者に申し訳がたたないっす。理由その3・本来は畑を荒らすオークの退治は、国や街を治めてる騎士様のお仕事じゃないっすか」


「有名なザイツ君もお金で依頼を判断するんだね。嘆かわしい。なら僕が3万デュクセン払うから、この依頼を受けてくれないか?」


フルアーマは俺に依頼を受けさせようと必死だ。

そういや、俺がオーク退治をする前は貴族の次男坊が、自己満足の為にオークを倒していたらしい。

フルアーマは、その貴族の関係者の可能性が高いな。

断ったら、俺の不評を流すつもりなんだろう。


「4万デュクセンとオークの毛皮の権利を俺にくれるんなら、受けてもいいっすよ」


「なぜ、1万デュクセン高いんだい?君はそんなにお金が欲しいのか?」


「1万デュクセンは、あんたのガード料金っすよ。傷が一つも着いてない鎧は、実戦経験がない証拠っすからね」



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


フルアーマと一緒に、依頼された畑に着いた。



「ザイツ君、なんで僕を藁の中に押し込めるんだい?」


「オークは、鼻がいいんすよ。鎧の金属臭なんて直ぐ気付いて姿を現さないっすよ」


「わかったよ。仕方ない君に従うよ」よっぽど、俺の事を調べたいらしく、フルアーマは、素直に藁に潜り込んだ。


でも


「ザイツ君、ザイツ君。君は闇は恐くないのかい?」


「怖かったら、オーク退治してないっすよ」


「ザイツ君ザイツ君、何か話でもしないかい?気が紛れると思うんだけども」


「オークは耳もいいんすよ。静かにするっす」


ようやく大人しくなったフルアーマを確認して、結界をはる。


紅い目が闇夜に浮かぶ。

オークが来た。


「出たな。オーク、僕がお前を退治してやる。白雷の精霊よ、我に力を貸したまえ。サンダーブレー、痛いっ。何をするんだいザイツ君」


「お前は馬鹿か?そんな魔法をぶっ放したらオーク以上に畑を荒らしちまうんだよ、引っ込んでろ。シールドボール」


俺は銅の槍の石突きで、フルアーマを叩いて、藁に押し戻す。


俺に依頼が増えた一番の理由は、畑を殆ど荒らさないでオークを退治してるからだ。

例の貴族様は、金に飽かせて手に入れた精霊魔法を使いまくって畑を滅茶苦茶にしたらしい。

でも相手は貴族様、依頼主は文句が言えなかったらしい。


…………


「出て来いよ。オークは退治した。お坊ちゃまは、とっと金を置いてお家に帰りな」


「ひどいよザイツ君。僕は女の子なんだよ、女の子に優しくしなきゃいけないんだよ」

藁の中から出てきたのは、兜を脱いだフルアーマ。

兜の中は、茶色いショートカットの美少女だった。

ようやく女性キャラ登場です

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