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センエース  作者: 閃幽零×祝百万部
第B章 美少女中学生は同棲している先生とハグがしたい。

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23/40

23話 殴られると安心するのでDV大歓迎です。


 23話 殴られると安心するのでDV大歓迎です。


 ダンジョンの各階層には、『下へと続く唯一の階段』がある。

 その階段を『ガーディアン』と呼ばれる強力なモンスターが守っている。

 ガーディアンは、とんでもないバケモノで、今まで、高レベルの配信者が何人も殺されている。


 なのに、時空旅団の連中は、そんな化け物を、毎度、あっさりと秒殺していく。


「あいつらが6階層のガーディアンを倒している配信……1億再生いっているんだけど……えっぐ……スパチャとか含めると、これだけで、たぶん、数億円は余裕で稼いでいるよな……すげぇなぁ」


 俺がボソッとつぶやくと、味噌汁をすすっていたユウガが、顔も上げずに言った。


「先生の方がすごいですよ」


「いや、あの……どのへんが?」


 思わず箸を止めて聞き返す。


「ダンジョンの浅瀬でパチャパチャやっている俺と、6階層を突破した時空旅団を比べた際の、俺の勝利ポイントがどのへんか教えてくれる? ちなみに俺の判定だと、0:100で負けてんだけど」


「たまたま異世界でチートを手に入れただけの連中より、先生の方が頑張っていますよ」


 ユウガは箸を置き、まっすぐにこちらを見た。


「見た目は微妙なオッサンですが、先生の心は誰よりも優れていると思います」


「誰が見た目微妙なオッサンじゃい。俺の顔は味があるってコメントでもよく言われるぞ」


「……そうですね」


 ユウガは、一拍置いてから、ここではないどこか遠くを見つめながら、


「先生はカッコイーです(棒)。男性アイドルも泡吹いて逃げ出す絶世のイケオジです(棒)」


「ケンカの売り方がうまいじゃねぇか。よし、表出てかかってこい。まずは鼻からヘシ折ってやるよ。レベル38を超えているオッサンのDVをナメんなよ」


「どうぞお好きに。殴られると安心しますので」


「……えぇ……」


「冗談ですよ」


 どうして、そういうエッジのきいた冗談がサラっといえるの?

 なんというか……ユウガには一生勝てる気がしない。


「先生は本当にかっこいいと思いますよ。総合的には1001点を超えています。少なくとも、チートを振り回して喜んでいるだけの連中よりは絶対に上です」


 ユウガは俺がヘラるたびに『よしよし』してくる。

 これじゃあ、どっちが保護者かわからねぇ。


 ――ちなみに、俺も『裏面』っていうチートを振り回して喜んでいるだけのオッサンなんだけどねぇ……




 ★



 翌日の朝、

 その足で、俺はダンジョンに向かった。


 あいつらはあいつら。

 俺は俺。


「俺の目標は昨日の自分!」


 というわけで、次はS級を倒すところを、動画に収めたい。


 そのためには、レベル上げと準備がいる。


「……レインボール、いねぇなぁ……」


 ぶつぶつ言いながら、いつもの巡回ルートを歩く。

 行き止まりを確認し、天井近くの隙間まで目を凝らす。

 隠し扉がないかも入念にチェック。


 ――いない。

 うぜぇ。

 ちょっと運がよくなったかな、と思ったらこれだ。


 そこで、俺はふと思う。


「あいつら、もしかして、日によって、出る階層が決まってんじゃねぇかな。この日は、6階層にしか出ません! ……的な」


 根拠はないけど、可能性としては十分。


「今まではレベルの問題でいけなかったけど……今日は……ちょっと、5階にチャレンジしちゃおうかなぁ……永遠に浅瀬でパチャパチャしているわけにもいかんしねぇ」


 俺のレベルも38になっている。

 このレベルなら、5階でもやっていけるだろう。


 ★



「やっぱ、5階は、2~3階とは雰囲気からして違うねぇ」


 ひらけた空洞くうどうに足を踏み入れた瞬間、空気が変わったのがわかった。


 足を踏み入れて数分……


「うぉ……」


 むわり、と肌をあぶるような熱気。

 視線を上げると、洞窟の中央、うずくまるように鎮座ちんざする巨躯があった。


 全身を紅蓮ぐれんうろこに覆われ、背には黒く焦げたような翼。

 瞳孔の代わりに、燃え盛る炎そのものが二つ、こちらを見据えている。


 S級モンスター。

 炎属性の龍。


「……これはこれは……こわいねぇ……おしっこ漏れちゃうねぇ」


 思わず、声が漏れた。


 見栄えは、文句なしだった。

 配信映えという意味では、これ以上ない相手。



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― 新着の感想 ―
浅瀬でパチャパチャから漂う実家のような安心感よ
蝉原ユウガ、センエースの扱いわかってますね
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