1:29:300
お久しぶりでございます、ぽっぽ屋です。
前のエピソードで更新頻度が・・・、と言いましたが、ものの見事に放置プレイかましてました。
さて、今日のお話はチト重め。
題名に「1:29:300」とありますが、ある業界においでの方なら「ああ。アレね」と思われるものです。ハインリッヒの法則と言いまして、事故の確率の話です。
重大な事故が1件起こるまでに、29件の軽微な事故、そして300件のヒヤリハット(事故以前に気付いた)があると言われています。
先日、私らの同業他社で痛ましい事故が発生しました。死亡4名はここ最近にない重大事故と言えます。
今現在も、国交省の鉄道事故調査委員会と警察による捜査が行われてはいますが、報道の内容から「列車見張り員同士の意思疎通に齟齬があった」ような感じですね。まあ、齟齬があったなんて時点で作業しているのが言語道断な気がしますが。
僕らも同じ様に線路の中で仕事をしています。その際には自分たちでも「命の心配」はしていますが、列車見張り員に「命を預けて」もいます。ええ、人間ですからアレもコレもやってられんですから。
ココからは僕の個人的な考えもありますので、そこを十分に踏まえた上で読んでいただけると有難いです。
列車の見張り、ダイヤ通りに走る鉄道なら簡単っしょ。と思われがちですが、実際には多少遅れたりする事もあるし、ましては他で事故があろうものなら、あっという間にダイヤ通りに列車は走ってくれません。そんな状況下で、他の作業員の命を預かるってのは、相当の負担です。
そりゃそうです。失敗したら人が死ぬんだから。
「ごめんで済んだら、警察は要らねぇ」
という冗談もありますが、実際に簡単に「人殺し」になれます。自分の手を汚さなくてもね。
そんな重責を背負いつつ、作業の手順や進行状況を勘案して、早めに合図を送る。移動しながらの作業であれば、中間地点での遭遇時間を計算する。まあまあ、頭使うんだな、コレが。
僕らの仕事って、単独で出来ることないんですよね。2人なら、お互いに何をしているか把握して、列車が来そうなら待避の合図して、作業を中断する。人数が増えても同じこと。むしろ人数が増えるから、細かく分担する状況になって責任があちこちウロウロしちゃう。
でも、列車見張りの人間「だけ」は、責任をもって列車の接近を発見することに努め、仲間に知らせるのが唯一の仕事。それが出来てないのなら、他の面子は仕事しません。つか、しちゃいかん。
そんな仕事で飯食って早、30ウン年。
いまだに同業他社で「作業員が跳ねられた」って聞くのは、いやなもんです。
いやなもんだからこそ、まるっきり関係のない輩が「あーだ、こーだ」と言ってるとムカつきますね。
「てめーら、人の命預かった事もねえ癖に」
少なくとも、僕がこの業界から足を洗うまで十数年ありますが、それまで、同じような事故が起こらないことを祈ります。でないとね、死んだ奴らが浮かばれん。
そして、自分がそっちの立場にならないよう、気を付けたいと思います。




