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足を斬られてダンジョンに置き去りにされた少年、強くなって生還したので復讐します(習作2)  作者: 田中寿郎


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第32話 教会に亜空間収納を設置してもいいですか?

「リュー兄ちゃん!」

 

孤児院に行くと、チビ達がまとわり付いてくる。

 

孤児院(教会)はリューのアパートよりさらにボロボロで、せめてもう少し壁や床を直してやりたいとリューは思うのだったが、それもシスターに止められていた。

 

シスターは雨風が凌げればそれで十分だと言うのである。

 

食い下がるリューだったが、

 

「外見がキレイになれば、金回りが良くなったと思われて、強盗に狙われるようになる。襲われたら、教会にいる孤児達が怪我をするかも知れない。」

 

そう説得され、リューも納得した。

 

そう、ここはスラムに近い場所なのである。(スラムと一般の街のボーダーラインといったような地域であり、通称ではボーダータウンと呼ばれている。)いつも金や食事に困る人間たちが溢れていて、犯罪も当たり前のように多い街なのである。。。

 

 

 

 

本当に教会を守ろうと思えば、スラムではない安全な場所に引っ越してもらい、護衛を雇うなどの方法も考えられる。ドラゴンを始め、ダンジョンの素材を大量に売りさばいていたリューにはそれが可能な資金力もある。

 

だが、そうなれば、スラムに増え続ける、新たな孤児たちを守る事はできなくなる。

 

スラムには、人生に失敗し、没落した者達が常に流入してくる。そんな者達の中には、子供を売ったり捨てたりする者も多い。戦争や魔物の襲撃で両親をなくした子供たちも多く流れついてくる。

 

そんな子供たちの避難所として、スラムの教会を守り続けたいとシスターは思っていたのである。

 

 

 

 

その思いを理解し、リューは時間がある時はなるべく教会に通い、食べ物を差し入れするようにした。

 

リューは収納魔法を使えるので、手ぶらで教会を訪れたように見せかける事ができるため、大量に食材を運び込んでも問題ない。

 

     ・

     ・

     ・

 

教会には冷蔵庫はない。

 

(教会だけでなくこの世界には冷蔵庫というのは一般的ではない。)

 

そのため、仮に、リューが大量の食料を寄付したところで、食材の長期保存ができず腐らせる事になってしまう事になる。

 

そこでリューは、教会の地下にあった小さな食料庫に収納魔法で亜空間の倉庫を作る事にした。そしてその入口を収納庫の「扉」とした。

 

収納庫の「内側」ではない、「扉」である。扉そのものが収納魔法の魔導具マジックストレージのような状態であり、扉を開けても中は狭い収納庫になっているだけである。

 

シスターが扉に手を当て念じると、内部にあるモノが取り出せる。扉と収納したいものに同時に触れながら念じると収納される。

 

通常、マジックストレージはポーチやバッグ、あるいは腕輪や指輪などにするのが普通であるが、あえて扉という据え置き型にしたのは、万が一悪い人間に存在を知られて盗まれる事を危惧したためである。

 

収納魔法が付与されたマジックバッグなどの魔導具は非常に高価で、よく盗まれるものなのだ。

 

もし、そのようなマジックアイテムをシスターが持っているのを知られたら、それを奪おうとする人間が必ず出てくるだろう。

 

単に盗むだけならまだよいが、シスターと子供たちを皆殺しにして奪うような行為が平気で行われれるのがこの世界なのである。

 

 

 

 

シスター 「凄い、リューちゃんは魔法使いだったのね!」

 

この世界でリューをちゃん付けで呼ぶのはシスター・アンだけである。

恥ずかしいが、少し嬉しい気もするリューであった。

 

念の為、この「収納扉」を使える者はシスターとリューだけに設定したが、マジックストレージの存在は絶対秘密にしておくように、子供たちにすらも教えないようにとシスターには念を押した。

 

秘密だといくら言い聞かせたところで、所詮子供である。どこかで口を滑らせる可能性は高い。ならば最初から知らせないほうが良いであろう。

 

 

 

 

収納の内部は時間の流れも止まっているため、入れた食材は腐ることはない。ある意味、冷蔵庫より凄い、究極の収納庫である。

 

この「収納扉」に、リューは、解体してもらった魔獣の肉や、買い込んできた食材を大量に収納したのである。

 

食事が充実し、貧しくやせ細っていた子供たちの血色も随分良くなった。

 

最近まで貧しくやせ細っていた子供たちである、それが急に肥え太ると疑われるが、そのへんは適切な量をシスターが考えて食事を用意してくれているので、健康的にはなったものの太るまでは至っていない。

 

シスターが用意する普段の食事は質素を心がけているが、リューが来た時だけは、豪華な食事やおやつを与えても良いと許可を貰った。

 

もし仮にどこからか情報が漏れても、「リュー兄ちゃん」が食材を差し入れしてくれているという事であれば、狙われるのはリューだけで済むからである。

 

そういう時は、外出している子供たちの分もシスターがちゃんと後で出してくれる。(もちろんリューからだと言って。)

 

※大きい子供達は、少しでも稼ぐため、日中は外で色々な下働きをしている事が多いので、教会に残っているのは幼い子供達だけである。

 

この日も、持ってきた食材をすべて収納扉に入れ、教会に残っていた幼い子供達とひとしきり遊んだあと、リューは教会を出て帰路につくのであった。

 

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― ― ― ― ― ― ― ―

 

リューを訪ねて来たキャサリンとレイラ。

 

なんとかリューのアパートにたどり着いたが、リューは不在であった。

 

アパートの住民が、つい先程リューが出かけて行くのを見たと言っていたので、僅かの差で行き違いになってしまったようだ。

 

だが、ここまで来てすごすご帰るわけにも行かない。

 

子供の使いじゃないのである。

 

同じアパートの住民に、おそらくリューは教会へ行ったのだろうと言われた。

 

仕方なく、二人はその教会に向かう事にしたのだった。


 


次回予告

 

教会の子供達に犯罪組織の魔の手が!

 

乞うご期待!

 

 

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