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足を斬られてダンジョンに置き去りにされた少年、強くなって生還したので復讐します(習作2)  作者: 田中寿郎


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第20話 幼馴染パーティの後悔

リューがダンジョンに置き去りにされたレイドに、マークのパーティ「夜明けの星」も参加していた。

 

そして、実は、リューの足をナイフで切りつけたのはケイトだった。

 

もちろん、ケイトはそんな事はしたくはなかった。

 

だが、レイドのリーダー、ヨルマからの指示で仕方なくやったのだ。

 

確実にリュージーンが足止めの役目を果たすよう、動けなくしておく必要があると、ゴジにナイフを渡され強要されたのだった。

 

 

 

 

「夜明けの星」は新人パーティの中ではかなり優秀で、将来有望であった。遠からずランクアップするだろう。そういう者達を“共犯”にしてしまうのも、この街の冒険者ギルドでは常套手段であったのだ。

 

出発前、ダニエルとヨルマに呼ばれたケイトとマークは、危険に陥った時の脱出方法―――誰かが捨て石になって他の冒険者を生き残らせる―――について説明を受けた。

 

そして、今、最も適任なのがリューであると。

 

そう言われる理由は、ケイトにも理解できてしまった。

 

リューは冒険者として「居ても居なくてもいい」という程度の存在だ。この街にどうしても必要とされる存在かと言われると、そうではないだろう。

 

モンスターを足止めする役目の人間が、恐怖に駆られて我先に逃げ出してしまうという事がよくあると説明された。それを防ぐため、動けないようにして置いていくのだと。

 

パラライズ(麻痺)の魔法などを以前は使っていたのだが、それだと魔法障壁バリアの魔導具を起動する事もできなくなってしまう。

 

そのため、動けないように足の筋を斬るようになったのだとか。

 

そして、バリアの魔導具は、自爆装置も兼ねている事も説明を受けていた。

 

バリアはそれほど長時間は持たない。そして、バリアが切れた後は、自爆機能が作動するようになっている。それによりモンスターにダメージを与え、洞窟を崩す事で追撃を阻む。

 

当然使ったものは死ぬが、ただそれは、モンスターに襲われる前にひと思いに楽にしてやるためなのだと言う。

 

つまり、リューが死ぬのは確実。

 

 

 

 

だが、ケイトはそれでもいいと思ってしまった。

 

むしろ好都合であった。ケイトは、なんとなくだが、リューに対して罪悪感をずっと持ち続けていたのだ。

 

奴隷になった時も疎遠にしただけで、助けようとはしなかった。冒険者として再会した後、優しくするよう努力してみたが、結局最後には酷い事を言って追放してしまった。

 

(パーティから追放しろと助言したのもギルドマスターのダニエルだったのだが。)

 

これからもずっと罪悪感を抱き続けなければならないのか?と考えると、ケイトは怒りが沸いてきたのだ。

 

リューが無能であるのは自分のせいじゃない。なぜそれで自分が罪悪感を抱かせられなければならない?

 

リューが無能なのはおそらく一生変わらない。

誰も彼を“無能”状態から救う事などできないのだ。

 

だとしたら、リューが生きている限り、ずっと罪悪感を感じなければいけないのか???

 

リューが死んでいなくなれば、ケイトもリューの事を忘れ、スッキリした気持ちで生きていけるんじゃないか?

 

そして、ドラゴンと遭遇し、リーダーから撤退命令が出され、ケイトはゴジに促されるままに、リューの足を斬って、逃げたのだった。

 

ケイトに迷いはなかった。

 

そこで、リューは死んだはずだった。。。

 

 

 

 

マークとケイト達のパーティは街に戻ってきたが、ヨルマ達が報告をしておいてくれるというので、宿に戻って休むことになった。

 

だが、翌日ギルドに行って、リューが生きて戻ったと聞かされたのだ。

 

ケイトはホッとした気持ちもあったが、その後、罪悪感はさらに増した。ケイトはリューを斬りつけたのだ。リューもそれは覚えているはず。合わせる顔がない。

 

さらに、なんとリューはランクアップ試験でヨルマ達のパーティを相手に模擬戦をやると言う。

 

ギルドの訓練場をそっと覗きに行ってみたが、驚くべき事にリューはヨルマ達を圧倒していた。しかも、自分を置き去りにした事への復讐なのだろう、ヨルマ達は心が折れるまでボロボロにされてしまった。

 

それを観客席で見ていたケイトとマーク。

 

模擬戦の後、リューは客席を見た。

 

リューと目があった気がした。

 

……次は自分たちの番だと言われているようだった。

 

 

 

 

レイドで疲れたと言って、マークとケイトのパーティは活動をしばらく休止する事にした。だが、いつまでも休み続けているわけにもいかない。

 

だが、ギルドに行けばリューに会ってしまう。リューは毎日ギルドに顔を出しているという。自分たちを待っているのではないかとマークとケイトは思った。

 

そこで、ギルドで依頼を受けるのではなく、ダンジョンに潜って狩りを行い、素材を集めて売る事にしたのだった。

 

ドラゴンに蹴散らされて敗走したダンジョンではあるが、浅い階層であればケイト達でも問題ないだろうと思った。

 

 

 

 

だが、ダンジョンは危険がいっぱいである。それほど深い階層ではないが、「夜明けの星」はミスをした。巨大な蜘蛛のモンスターに襲われ、捕らわれてしまったのだ……

 

     ・

     ・

     ・

     ・

     ・

 

― ― ― ― ― ― ― ―


ダンジョンの中、「夜明けの星」のメンバーは全員、巨大蜘蛛の糸でぐるぐる巻にされ、巣に吊るされていた。

 

蜘蛛は獲物を動けないように糸で巻き、後でゆっくり、管状の嘴を突き刺して獲物の“内容物”を吸うのである。

 

ただその蜘蛛は、空腹ではなかったようで、その場ですぐ捕食されず、しばらく貯蔵される事になったのであった。

 

夜明けの星以外にも、餌として吊るされていたと思われる冒険者の白骨が足元に落ちていた。

 

 

 

 

無能と呼ばれダンジョンに置き去りにされたリューが生き残って、将来有望と言われ、リューを置き去りにしたた自分たちが死ぬ。

 

どうしてこうなった?

 

何を間違ってしまったのか……?

 

ケイトは蜘蛛の管が突き刺される時を待ちながら、自問自答を繰り返したが答えは出なかった。

 

このまま死ぬのだろうとケイトは思っていた。

 

だが、意外な事が起きた。

 

自分たちを捕らえた巨大な蜘蛛が、突然死に、さらにその死体も姿を消したのであった。。。

 

 


次回予告

 

幼馴染パーティの反省

 

乞うご期待!

 

 


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