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足を斬られてダンジョンに置き去りにされた少年、強くなって生還したので復讐します(習作2)  作者: 田中寿郎
王都編

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第160話 リューを失格になんかさせないぞ!

3日後、新人研修が再開された。街の復興については、破壊された門の修復と軽石にされてしまった壁の修復だけで、他に大きな被害は出ていなかったのであまり時間は掛からなかったのだ。

 

ただ、コカトリスに軽石にされてしまった外壁は一度壊して作り直す必要がある。一時的に外壁がなくなる間、警備兵を配置しておく必要があるが、銀仮面(リュー)が石にされた騎士達をすべて生き返らせたので、人手はなんとか間に合ったのであった。

 

街の周辺には散っていった魔獣が彷徨いているが、そちらは冒険者達が駆除に当たる。当分は忙しい日々が続きそうだ。

 

     ・

     ・

     ・

 

研修生は室内研修場に集められていた。何か発表があるらしい。

 

リューがダンジョンを攻略し、状況が変わったため、研修の内容も見直す必要があるのだろう。だが事情(それ)を知っているのはリューと一部の教官・職員だけである。研修生たちはまだ何も知らない。

 

教官達も部屋に集まってきた。後はギルマスが来るのを待つだけらしいが、その時、リューの姿を見つけたイライラがリューに近づいて来た。それを見た研修生たちに緊張が走る。

 

実は……、リューはスタンピードの時に指示に従わずに勝手な行動をしていたらしく、その件で処罰されるという噂が流れていたのだ。リューは研修失格、それどころか冒険者資格も取り消されるという話になっていた。

 

(リューが街を救ったのは避難していた研修生達は知らない。代わりに、銀色の仮面を被った謎の男が活躍したおかげで街が救われたという妙な噂は流れていたのだが。)

 

そもそもリューは研修が馬鹿らしくなり、他の街で冒険者になる事に決めて街を去ったという噂も流れていたのだが、研修再開にリューが姿を見せた事でその噂は間違いであるという事が判明した。

 

だが、今度はリューをずっと目の敵にしていたイライラがリューに近づいて行ったのだ、やはり処分なのか? 周囲の研修生が固唾を飲むが…

 

…近くに居た者は、よく見ればイライラが微笑んでいる事に気付いた。普段、イライラの笑っている表情(かお)をあまり見た事がなかった研修生達は驚いたが、険悪な雰囲気では無い事が分かりホッとした。

 

だがその時、副官のアッシュが出てきて叫んだ。

 

アッシュ 「待て待てイライラ! リュージーンを失格にはさせないぞ!」

 

イライラ 「・・・?!」

 

アッシュ 「もう我慢出来ないよ! イライラは新人研修の教官から解任する!」

 

イライラ 「ええっと、お前は一体何を言ってるんだ?」

 

アッシュ 「イライラの研修のやり方は間違っている! これまでも、十分冒険者としてやっていける能力のあった者がたくさん脱落して街を去った!」

 

興奮気味で一気にまくしたてるアッシュ。

 

アッシュ 「そんな事を続けていたら、この街の冒険者は居なくなってしまう! これからは僕が指導長として研修生の卒業の可否を判断する。イライラは方針の間違いを認め、責任をとるべきだ!」

 

そこに、領主とギルドマスターが入ってきた。それを見てアッシュがさらに調子づく。

 

アッシュ 「おお、わざわざ領主様まで来て頂けるとは! イライラ! お前の悪行は既にギルドマスターに報告済みなのだよ。この集まりは、イライラの教官解任を伝えるために開かれたんだ」

 

早口でアッシュが喋り続けるので、ポカン顔のイライラ


イライラ 「…何か勘違いしているようだが……」

 

アッシュ 「勘違いなどしていないよ、リュージーンは十分な実力がある! 騎士達に聞いた、イライラは知らなかったかも知れないが、街を救った仮面の男はリュージーンだったんだよ! そんな英雄を追い出すなど、街の、いや国の損失だ、もうやめるんだ、イライラ!」

 

リュー 「いや、銀仮面は謎の男、私デハナインダガ…」

 

余計な事を言われて慌ててリューが口を挟もうとするが、イライラを睨みつけているアッシュは興奮して耳に入らないようであった。

 

イライラ 「……誰がリュージーンを失格にすると言った?」

 

アッシュ 「そうするつもりだろう!


……え? 違う?


本当に……?」

 

イライラ 「ちがうぞ。リュージーンの実力はよく分かった、十分だ。リュージーンについては卒業を認定する。今日はその発表だったのだが?」

 

イライラはリュージーンに向かってドヤ笑みを浮かべる。

 

イライラ 「合格だよ! そして……」

 

イライラはリューの前に進むと、リューの手を握った。

 

イライラ 「……ありがとう……!」

 

多くは語らない、一言だけのお礼の言葉であったが、その言葉は万感の思いが込められた、深い感謝の言葉であった。

 

その時、領主が言葉を発した。

 

領主 「さて、合格かね?」

 

 

― ― ― ― ― ― ―

 

次回予告

 

リュージーンの正体

 

乞うご期待!

 

 

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